3月に読んだ本

・クリエイターになりたい! ミータ・ワグナー 小林玲子訳 (柏書房)
クリエイターの性質を(トップスター、職人、ゲームチェンジャー、繊細な塊、活動家)の5つに分けて、その特徴・実在のスター・注意点などを挙げている本。自分がどの性質に近いかを大まかに知ることが出来たし、ユニークな訳文で読みやすかった。実在のスターの逸話も載っていて面白かった。自分に近い性質以外の章は読み飛ばした。


・マスコミ就活 テレビ局内定獲得! 冨板敦 (TAC出版)
テレビ局のディレクターになるにはどうすればいいのか知りたくて読んだ。発想力一本勝負の実力主義の世界だと分かった。実際に出題された問題とその正答例が豊富に記載されていて参考になった。凡人の私にはなかなか厳しいが頑張りたいと思った。


・仕事と人生に効く教養としての映画 伊藤弘了 (PHP研究所)
映画の魅力や、より映画が楽しくなる見方、黒澤明や小津安二郎などの作品はなぜ評価されているのかをわかりやすく書いていた。この本を読んでもっと映画が見たくなった。著者オススメの映画も挙げられているのでぜひ観たい。


・存在のすべてを 塩田武士 (朝日新聞出版)
神奈川で二人の子供が同時に誘拐され、世間を騒がせた事件の謎を数十年の時を超えて解き明かすミステリー作品。事件の解明に精を尽くす刑事や記者の思いや、事件に関わった人々の葛藤、衝撃の真実に圧倒された。写実画の描写や複雑に入り混じる人々の感情が鮮やかに描写されていて素晴らしい作品だった。


・20の古典で読み解く世界史 本村凌二 (PHP研究所)
有名すぎる小説・戯曲などの当時の歴史や作者のバックグラウンドから世界史を見直すという本。恥ずかしながらどの本も読んだことがなかったので解説がとても分かりやすかった。ただ、古典の説明ばかり重視されていて、肝心の世界史についての記載が少ないと感じた。


・ビジネスと人生に効く教養としてのチャップリン 大野裕之 (大和書房)
全く知らないチャップリンの人生や哲学を知ることができる本。キャラクターの誕生秘話や、経済人としてのチャップリン、ヒトラーとの戦いなど興味深い話が多かった。軽い気持ちで読み始めたが、ページを捲る手が止まらなくなるほど面白かった。


・まど・みちお詩集 谷川俊太郎編 (岩波文庫)
まど・みちおの詩といくつかのエッセイが載っている本。まど・みちおの生き物や人間の考え方が詩に表れている。子供向けの詩ながら、はっとさせられる言葉が多かった。「この詩ってまど・みちおのなんだ!」という発見もあった。


・初心者からプロまで一生使える伝わる文章の基本 高橋廣敏 (総合法令出版)
どうすれば上手い文章を書けるかを一から説明している本。例を元にわかりやすく解説しているので、参考になる点がいくつもあった。


・八月の御所グラウンド 万城目学 (文藝春秋)
表題の作品と「十二月の都大路上下(カケ)ル」からなる一冊。京都でそれぞれ野球と駅伝をする主人公が、死んだはずの人物と遭遇する青春小説。直木賞作品なので期待していたが、思ったよりは面白くなかった。無茶な設定なのだから、死者がこの世に現れたことに対する理由はもっと明確なものにするべきだと思った。


・東京都同情塔 九段理江 (新潮社)
犯罪者をホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)と定義しなおし、彼らを収容する「シンパシータワートーキョー」を巡る小説。一種のユートピアを描いていてAI時代に起こりうる狂気を孕んでいるフィクションだが、実際にあった旧ジャニ問題や国立競技場の問題にも触れていて、現実味があって恐怖を感じた。日本語やジェンダー、思想の記述が面白かった。


・母という呪縛 娘という牢獄 齊藤彩 (講談社)
実の娘が医学部を9浪したのちに母親を殺したという事件のルポルタージュ。この事件は印象に残っているが、初めて知る事件の内容や母娘の歪な関係が詳細に書かれていて、改めて衝撃を受けた。重い内容で読み進めるのが辛かったが、綺麗にまとめられた素晴らしい文章だった。


・バナナの魅力を100文字で伝えてください 柿内尚文  (かんき出版)
自分が伝えたいことを相手に理解してもらうためのコツを36個載せている本。「伝える」ではなく、「伝わる」に主眼をおいているのが良かった。しかし、他の本にも書いてあるようなことばかりで新しい発見はなかった。


・妄想お金ガイド パンダを飼ったらいくらかかる? 北澤功  (日経ナショナルジオグラフィック)
個人飼育ができない動物をもし飼ったらどのくらい費用がかかるのか?という妄想を現実的に考えている本。動物の意外な費用や生態がざっくり書かれていて面白かった。何より、著者の動物への愛が伝わってきた。


・最強に面白い!!数学パズル 小谷善行 (ニュートンプレス)
計算・図形・論理・確立のクイズが46問載っている本。難しい問題が多かったが、解けた時の嬉しさが半端なくて面白かった。またこういうパズルを解きたい。図形が一番難しかった。


・ペスト カミュ 三野博司訳 (岩波文庫)
ペストによって閉鎖された街で生きる人々の生活や苦悩を綴っている名作古典。言葉や言い回しが難しいところがあったが、サクサク読めた。まさにコロナ禍に感じたことや人々の内的・外的な変化などが書かれていて、カミュの観察力が凄まじいと感じた。面白かった。

・世界の変な研究 五十嵐杏南 (中央公論新社)
世界で行われている一風変わった19の研究を紹介している本。大麻やパン、サーフィンの研究は初耳だったし、日本でも忍者やアニメの研究が行われているのは面白いと感じた。「これが学問になるの?」という批判的な意見もあるようだが、本格的に研究するからこそ得られた知識があるということを知った。


・認知バイアス大全 川合伸幸監修 (ナツメ社)
脳の無意識の働きによって生じる認知の歪み・偏りである認知バイアスを数十個あげている本。とても参考になったし、自分もこのバイアスがあるなという気付きを得られた。自分に足りない能力は何かを認識して、自分の思考を改善していきたい。


・三体 劉慈欣 (早川書房)
天体物理学の「三体問題」と異星人との接触がテーマの壮大なSF小説。スケールの大きさ、難しい物理学の話、三体世界との交信など全てが面白かった。所々分からないところがあったので実写を確認して理解をふかめたい


・近所の最果て 澤江ポンプ (リイド社)
本屋をぶらぶらしている時に見つけて、タイトルに惹かれて買った。エッセイ的な漫画や面白い設定の漫画が面白くて良かった。買って正解だった。


・砂の女 安部公房 (新潮文庫)
ある日昆虫採集のために砂丘に向かった男がそのまま砂に埋もれた女の家に閉じ込められ、様々な方法で脱出を図る話。追い詰められた男の狂気に満ちた行動や部落の人々の思惑などが丹念に描かれていて面白かった。

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