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癌が、動く?!

早稲田大学エクステンションセンターに興味深いタイトルを見つけました。
「動く“がん”」最先端治療の開発と挑戦、です。

そんなバカなー
癌が動くわけないじゃん、とか思いながら聴講してみました。
なるほど、なるほど。
癌が動き回るということではなく、ピンポイントに放射線を使って治療しようとすると、人間の中にいるがん細胞は、人間の活動に伴って微妙に動くので治療しづらい、治療する立場からすると「動く”がん”」は問題になるわけです。

CTやMRI撮影の時を思い浮かべてください。正確な画像を撮影するためにはじっとしていなければなりません。もちろん、手足をバタバタさせることなく、じっと横たわっているのですが、体を大きく動かさなくとも、何分間も呼吸を止めるわけにはいきません。心臓の拍動も意識的に止めることは不可能です。もちろん腸管も自分の意思でぴたりと動きを止めることはできません。意識とは関係なく、動いています。それが生きている、ということなのです。以前は、脳腫瘍を放射線でやっつけるために、頭蓋骨をボルトで固定して(想像するだけでゾッとする…)微動だにしない状況を作り、治療していたそうです。周囲の大切な脳神経細胞を傷つけず、癌細胞だけをやっつけたいなら、呼吸やくしゃみ等で動くことは危険ですものね。

 時間軸をもっと引き伸ばすことができるとしたらどうでしょう。X軸に時間を取るとして、そのグラフのメモリが0から100分ではなく、0から1/100秒だったとしたら、呼吸変動を起こさないくらいのあっという間の時間だったら、体感的には瞬きする間もないくらいの短い時間だったら、治療ターゲットとしての癌細胞は止まって見えるはずです。そんな時空を作り出すことができれば、周囲の組織にダメージを与えることなく、動かない癌細胞だけをピンポイントに治療できるのかもしれません。

 三次元で不規則に揺れ動く癌細胞の位置を、時間軸を加えた四次元で解析し、ピンポイントに治療することが可能になっています。医学と理工学を融合した医理工学という学問があり刻々と進歩しているなんて、やっぱりすごい。インターネットが世界を変え、AIが台頭してきた時代、これからの医療は劇的に変わっていくのだろうと思います。世の中の変化を感じ、自分にできる努力を重ねていきたいと思います。

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