Je fais du 40.
洋服屋や靴屋などの会話でよく、
Je fais du 40.「私のサイズは40です」
Je fais du S.「私のサイズは S です」
のような表現を聞いたことがありませんか?
この du の正体はなんでしょうか?
これは部分冠詞ではなく、de + le の縮約(合体)がおこった形です。
身長や体重、広さなどを言う場合には
・Je fais 75 kg.「私(の体重)は75kgです」
・Mon frère fait 1 mètre 90.「兄(の身長)は 1m90です」
・Notre salon fait 25 mètre carrés.「私たちのリビングは25平米です」
のように、faire のうしろには du はつかないのに
なぜ洋服や靴のサイズの場合は du をつけるかというと、
身長や体重は「ズバリその物の重さや高さといった数値」ですが、
洋服や靴のサイズは「カテゴリーや標準化された単位」 だからです。
ヨーロッパの洋服や靴のサイズだったら 36, 38, 40...
日本の靴のサイズだったら、23.5, 24, 24.5...
または S, M, L
などといった、きまった単位がありますよね。
その他にも標準化された単位には、
指輪のサイズや、下着のサイズ、タイヤのサイズ(あるのかな?)
などがあるでしょう。
その場合にも同じように、faire de + 定冠詞の le をつけて:
Je fais de + le 38. ⇒ Je fais du 38.
Je fais de + le 80A. ⇒ Je fais du 80A.
とします。
それでは「faire de の de は何?」と思うかもしれません。
この de は前置詞ですが、これはもう
"faire de" でひとつの慣用表現だと覚えてしまってください!(笑)
de 自体に意味はないけれど
「動詞 "faire "を測定や標準化されたサイズに結びつけるという機能を持っている」
とでも理解すると覚えやすいかもしれませんね。
********************************************************************
【追記】
以上のようなメルマガ記事を書いて、いつものように朝送った後、受講生さんからラインが届きました。
「先生、ダイヤモンドは大きさではなく重さのキャラットですね!」
とあったので「はて?なんでダイヤモンドの話をするのかな?」
と思ったのですが、
「Ça fait 0.3ct. などと言うのかも、とメールマガジンを読んで思いました」
と続いていたので「あっ!」と気がつきました。
私はメルマガの中で、
*****************
その他にも標準化された単位には、
指輪のサイズや、下着のサイズ、タイヤのサイズ(あるのかな?)
などがあるでしょう。
*****************
と書いたのですが、このタイヤはダイヤ(モンド)ではなく、
本当に車のタイヤのつもりで書いたのです...笑
でも考えてみると、フランスに行って誰が「車のタイヤのサイズ」なんて
尋ねるでしょうか?!
せっかくフランスに行くんだったら、パリのヴァンドーム広場あたりに行って Cartier とか Chaumet とかで「ダイヤのサイズ」を聞く方が、
あり得そうですよねぇ...。
(私ったら色気がない!)
という訳で「ダイヤ(モンド)」のサイズの言い方ですが、
よく聞く「カラット (carat)」というのは、宝石の重さを示す
単位なのだそうです。
ですから、carat は、洋服の「S /M / L」 や 「36 / 38 / 40」 というような
実際の寸法とは関係のない標準化された単位の記号ではなく、
1カラット = 0.2 グラム
という宝石の重さなので、
ーCombien de carats fait le diamant ?
ーIl fait 0,2 carats.
「このダイヤはなんカラットですか?」
「0.2 カラットです」
のように言えるでしょう。
皆さんはフランスに行ったら、ぜひ「タイヤ」ではなく「ダイヤ」の
サイズを聞いてみてくださいネ...
フランス語文法のオンラインマンツーマンレッスンなら:
フランス語を勉強している方のお役に少しでも立てるように、皆さんの質問や疑問にお答えしています。よろしければサポートをお願いします。