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生命保険営業に対するマイナスイメージの解決策を探求する

みなさんが歴史ある生命保険会社に持つイメージはなんだろうか。

生保レディの人たちによる強引な販売。加入者の生活実態に合わない高額または多件数の保険契約。雑な商品説明による認識違いと苦情・・・こんなところだろうか。

ただ悪い点を列挙するだけでは改善には繋がらない。そこで、もう少しこの問題の解像度を上げてみよう。

生命保険は突き詰めると「あなたが亡くなったり病気になった時に〇〇万円もらえることに賭けましょう。賭け金は月々××円です。ちなみに、受け取れる確率は100人中△人です。会社運営のための費用も差し引きますので悪しからず」ということだ。

恩恵を受けられる人は限られていて、マイナスからの立ち直りを助ける性質のお金なのでワクワクはしない。

99%は「忙しいのになに俺の時間を奪ってんだようるせえなぁ」からスタートして、マイナスの第一印象をひっくり返してゆく必要がある。

長く続いているセールスの人は例外なくこの「関係性がない人を(時にはマイナス印象から)ひっくり返してファンにさせる自分流の技術」を体得している。

「その気になれば顧客基盤をいくらでも広げられる」という地力があるからこそ、顧客が望んでいないなと察知したらすぐに引くことができる。

冒頭に挙げたマイナスイメージをもたらす行動の原因は、「顧客基盤を広げられないという前提のもと、無理やりノルマを達成しようと行動した結果」のものばかりだ。

巷に溢れる営業の本は、この白地開拓の泥臭い部分にスポットライトを当てない。

営業の本を出す人は当然セールスで成功した人たちであって、その人たちの「今」に焦点を当てれば当然「顧客基盤を広げる地力のある人たち」の話になる。

そこで出てくる美しい手法をどれだけ標準化して落とし込んでも、最も脱落者が多い「白地開拓」の突破には役に立たないのだ。

白地開拓の地力をつけるには膨大な試行錯誤が必要なのだが、「心を無にして低確率なものに挑み続ける」ことができる人はほとんどいない。

歴史ある生命保険会社が本当に研究すべきなのは、「セールスが白地開拓への挑戦心を保つための支援方法」だと思う。

「それは現場が考えることですよね」と他人事にした瞬間、本社と現場が分断され、情報が流れなくなる。

地盤がユルユルなのに、その上に建つ先進的な建築物の設計書を書いても意味がない。私たちが真に集中すべきは地盤の整備方法なのだ。

最後に、私が現場で体験した「セールスを白地開拓に向かわせるノウハウの実例」を書いて締めとしたい。

小出しの営業ノウハウ

「よーし試してみよう」と思わせる細かいノウハウを、その人の置かれた状況に合わせて一つずつ伝えてゆく。

一気に大量に提供してしまうと消化不良になったり、自分の頭で考えなくなるので、あくまで少しずつ提供するのが重要。

個人的には、ここに新しいメニューを追加して分厚くしていくのが解決策に一番近い気がしている。

仕事と関係ない雑談

ノウハウは身についたけど、それでも上手くいかない時だってある。そういう時には一周回って全然関係ない雑談が効果的だったりする。

同じ語り口でも気持ちが乗っているかどうかで伝わり方が全然違って突破口になったりするのだ。

美男美女の同僚

下世話だが、人間なんだから仕方がない。後光が指すような美男美女の存在でモチベが爆上がりすることもある。

ノウハウというより、人事異動の妙という類の話だ。

先輩が手本を見せる

先輩も時間が限られているので、期間限定の支援策である。

学ぶ側は見せてもらったお手本から「自分にも応用できる共通要素を抽出する力」が必要だ。

祭りによる非日常感

イベント期間を設定して豪華な料理を用意したり、目標達成の景品を特別なものにする方法だ。

強壮剤と一緒で、繰り返すうちに効き目は弱くなり、さらに強烈な刺激がないと動かなくなる。

使用法を間違えると「プロとしてやって当たり前」の水準が下がって逆効果になりかねない。

目標数値に対する言い訳を許さない詰め

生保営業といえばこのイメージだろう。営業は監視の目が届かないので、これがないと際限なく堕落する。

必要悪のようなものだが、正直ここを掘り下げても新しい局面は開けてこない気がしている。

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