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何もしたくない!

 私はグウタラ大学何もしたくない学部ずっと寝たい学科の4回生である。何もせず一日中ベッドに寝そべってYouTube Shortsを脳死で上にスワイプし続ける大学院への進学が決まっており、現在は卒業課題のコタツでぬくぬくみかん記録に取り組んでいる。

 というのは嘘で、京都内のどこかの大学理系学部の4回生なので、普通に卒論を書いている。怠惰な自身を律するため毎日7時に起きて9:00には卒論に取り組むようにしている。

 しかし怠惰と冬は非常に相性が良い。このタッグは最強だ。朝は布団を人食いモンスターに変え、昼間はパソコンをうとうと催眠術師に変え、夜はスマホを眠気覚ましライトに変える。おかげで昨日はブルーピリオドのアニメを一気見してしまい、感情が昂って眠れなくなってしまった。恐るべし、冬と我が怠惰。

 なんなら今朝も起きたのは8:30で、研究に取り掛かったのは10:30である。「その2時間何やってたの?」といった質問には毅然とした態度で答えよう。「ローストビーフを作っていた」と。

 今日は本当にやる気がなかった。いや、やる気がないなどという言葉で片付けるべきではない。なぜならやる気などはなから持ち合わせていないのだ。いつもはスーパー努力によって、身体と頭を動かしていたに過ぎない(世界一偉い)。「なぜ理系に進学したのか?」「なぜ院進にしてしまったのか?」「しかもなぜよりにもよってこの『眠らない研究室』に進学を決めてしまったのか?」過去の決定に後悔が駆け巡るが、もうどうしようもない。全ては決まってしまったのだ。入学金も払ってある。

 私もブルーピリオドの登場人物のように、何かに人生をかけて取り組めたら楽しいだろう。しかし、研究に人生をかけて取り組もうとは思えない。蕁麻疹が出たらもう研究なんてしたくない。たらふく食べてたらふく寝てたらふくグウタラしたい。文章を書くのは好きだが、それでも蕁麻疹が出るなどの不調が出れば私は迷わず筆を置いてベッドに潜り込む自信がある。

 結局私のような努力嫌いで怠惰な凡人は、流されるままにふよふよ生きて、なんとか社会のレールから外れないようにしがみついて生きるのがいいんだろう。「社会が俺に適合しろ」などとほざき、大きな態度で合わせてもらうのを待っていれば、簡単にレールから落ちてしまう。というかそれで5年前まで地底にいたわけだ。

 まあ夕飯はローストビーフだし、今日も多少は研究を進めたし、そこそこな日だった。60点、合格最低点の1日。合格には変わりない日。

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