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PICSに対するわたしの想い

PICSについて、現時点での最大の問題点とは何でしょうか。
私は「そもそも知られていないこと」だと思います。

PICSは集中治療の専門家以外、まだまだ広く知られていません。

その理由のひとつに、PICSという概念は2012年に発表されたもので、まだ10年程度の歴史しかない、という要因もあると思います。医療関係者であっても、集中治療に携わっていない方々は、このような新しい概念を知らない現状に不思議はないと思います。

実際に、私も医療関係者とPICSについてお話したことは何度もありますが、知っていると答えた方はひとりもいませんでした。

だからこそ私は、まず「PICSを知ること」が一番大切だと思うのです。


PICを知ることで、例えば……

医師は、「なにか不調があれば病院に相談してね」と患者さんに促しやすくなります。

患者さんは、「あれ?PICSかも?」と気付き、通院して治療を開始するきっかけになります。

患者さんご本人が気付いていなくても、ご家族が知っていれば、「それ、PICSっぽくない?病院行く?」と声をかけることができます。

日本の優秀な研究機関も、PICSの研究をこれまで以上に推し進めていくかもしれません。

でもPICSの存在を知る機会がなければ、このように誰かが何らかの行動を起こすことはないでしょう。
だから私は、このPICSの最大の問題を解決するために、これから執筆していく記事を通して、少しでもその認知度を高めていきたいのです。

そうして、医師の方々や患者さまのPICSの症状に気付き、治療を提供できる世界にいちはやく変わってほしいと願っています。

 

……では、知られるまで、患者さまとそのご家族は、ただ待つだけなのか、と言われると私は違うと思います。医療関係者さんも人間です。どんなにPICSが知られようとも、100%完璧にPICSを検知するのは不可能です。

私は、患者さまやご家族一人ひとりが、PICSを見過ごさずに気付けるようになってほしいのです。違和感や不調があれば、自ら進んで医療関係者へ相談していただきたいのです。そうすることで、いち早くPICSに関する治療をしてほしいのです。

だからこそ、私がPICSの情報を届けたいのは、実際にICUに入室したご経験のある、患者さんとそのご家族の方々なのです。

この記事を通して、少しでもPICS症状に気付きやすくなってほしい。あわよくばPICSをケア・予防してほしい、そう強く願っています。

実際に私自身もそのひとりです。私の祖母もPICSを患い、祖母も、家族も、そして私も、とてもつらい経験をしました。だから私は、私のように辛い思いをする方がもう出てきてほしくない、そんな想いで記事を書くことに決めました。

当時の経緯は、書籍「踏んだり蹴ったりな幸せ者」に書いているので、ここでは割愛しますね。PICS以外の余談も多い、自伝的エッセイですが、気になる方は是非読んでみてください。

本のリンク↓
踏んだり蹴ったりな幸せ者 | Ayako, Hiroi |本 | 通販 | Amazon

最後に……

患者さんやそのご家族が医療に詳しくなくても理解しやすいよう、できるだけかみ砕いた文章表現で、PICSに関する情報をお届けしていきたいと思っています。

もちろんわかりにくい表現も出てくるかもしれません。記事を読んでいただいた方からそうしたお声をいただいたら、少しずつ改善して発信し続けていきたいと思います。

以上が、この活動を進める私の想いです。皆様に応援していただけたら嬉しいです。
次回の記事からは、PICSに関してのお話をしていきますね!



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