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カンファレンス(看取り後)

この記事は793文字です。


訪問看護ステーションで

併設の診療所と合同でカンファレンスを行っています。

ポジティブフィードバックでいい雰囲気です。


状態が変わったり、看取りの時期が近づいていたり

シビアな説明をする時期が来たり、

看取り後のケースだったり。



介入後まもなく看取りとなった利用者さんのケースで、

受け入れ時から担当していた看護師は言いました。
(事例は一部加工・ぼかしています)

訪問看護の契約から間もないから関係性が築けておらず
好きなこととかの話もできなかった。
部屋を見渡したら趣味と思われる道具がいくつもあって。
元気な時はこの道具を使って
趣味を楽しんでいたのかなと勝手に想像した。
訪問を終えてステーションに戻る帰路で
趣味の道具を利用者さんのそばに置いてくればよかったって思ったけど、
介入してからまだ日が浅いから、
引き返してまたカギを開けてお邪魔することもできなかった。
それができなかったことが心残り。

と後悔する言葉がきかれました。


人生の最終段階で、

利用者さんは趣味を楽しむことはできない状態でしたが

看護師はわずかな訪問の時間に、

その人の生活史や大切にしていただろうと思われることに

目を向けていました。

引き返せばできたけど、配慮から行動しなかったこともあり、

看護師の葛藤や迷いに共感しました。

そして、利用者の尊厳をしっかりと守る関わりをしていたと思います。


他の利用者さんの議題もあるので

「デスカンファレンス」としては十分な時間ではないかもしれませんが

このエピソードを聞いて、私は温かい気持ちになりました。



どんなに懸命に看護しても

後悔は残るものだと思います。

主たる介護者でも、仕事として関わる看護師でも。

後悔が表出ができる時間や場所があり、

その後悔さえも肯定的に受け止められるカンファレンス。

正直、気が重くなるようなケースもあるのですが、

必要な場だと思っています。


お読みくださりありがとうございました。


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