憧れのヒーロー
先月末ショーン・コネリーが亡くなった。言わずと知れた元祖007、ジェームズ・ボンドを演じた英国男優。
また子供の頃のヒーローが亡くなった。しかし初めて映画館で観た007は「黄金銃を持つ男」。007役はロジャー・ムーアだったけど。それでも007と言えばショーン・コネリーとすり込まれていた。稀代のアタリ役だ。
ショーン・コネリーは007役を降板した後、暫くパッとしなかった。しかしアンタッチャブルで復活。アカデミー賞助演男優賞獲得。以後ヒット作では、重厚で時には軽快な役を演じ、出演作をひき締めた。彼が出演するだけで、映画の格式が上がった。
そんなショーン・コネリーの出演作で一番面白かったのは「薔薇の名前」だ。ベストセラーの映画化。14世紀北イタリアの修道院が舞台。そこで奇怪な変死事件が起こる。コネリー扮する修道士が謎に挑む話だ。
先ず題名が良い。薔薇の名前。可憐な薔薇の名前とは謎めいてる。修道院が舞台というのも、それだけで奥深い物語が潜んでいると思わせる。実際物語は深い謎へ謎へと進む。
そこでた!公然の秘密だったカツラのショーン・コネリーが、堂々と禿頭で修道士を演じた。この後から世の禿頭のイメージが、随分と好転したと思う。ハゲ男崇拝の的となった?
とにかくカッコよかったのだ。
元々ショーン・コネリー自身はカツラが嫌いだったらしい。日本で撮影された007でも、オフでは堂々のハゲ頭で過ごしていた。映画関係者がオフもカツラを被って欲しいと、懇願した逸話がある。
かつての憧れのヒーローが寄る年並みに勝てず、次々に他界するのは本当に寂しい。渡哲也さんの悲報もショックだったな。
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