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It's a beautiful day なんていい日なの

朝6時に目覚まし時計が鳴って、2時間かけて支度して、生活介護に行く長女。
こだわりがたくさんあるから、支度に時間がかかります。
袖なしのTシャツの上に、半そでのTシャツを重ねて着るものだから、半そでシャツの襟から、下の袖なしシャツの襟が出ていたら、もう先に進めなくなってしまいます。
「Tシャツは一枚でいいです。暑いんだから。」と私が言っても、
「きたいの。きたいの。」と言うものだから、襟首が開いた袖なしシャツを下に着ようね、ということで、何とかクリア。

このようなことを繰り返すものだから、着替えが終わるまでにも、かばんに荷物を詰めるまでにも、関門はたくさんまちうけています。
そして最後の関門。
ハンカチです。
長女は、小学生がよく着けている移動ポケットを、ひもを長くして(小学生より体が大きいから)肩から斜め掛けにして、ハンカチを入れています。
ハンカチなんて、ズボンのポケットに入れればいいじゃないの。
作業着はポケットにハンカチとティッシュを入れてるんだから。

でも、電車とバスに乗って出かけるための「長女の装備」はそれなりに、本人が納得の仕様になっており、私が口を挟める余地はありません。
「はんかちをかえたいです。」と言うので、タンスからガーゼのハンカチを出して渡しました。
すると、長女の口から、

「ありがとう。」という声が。

えっ。今なんて言った。
すんなり、自然に、やさしい声で。
「ありがとう。」だって。
ハンカチを手渡した、私に「ありがとう」って言った。

その時、頭の中に、天使が飛んできました。
そして、昔懐かしいバンドを思い出しました。
バイオリンがキラキラしているロックバンドです。

「It's a beautiful day」

しかし、頭の中を流れてきたのは、クイーンのI’ts a beautiful dayでした。

It’s a beautiful day

もうなんでも、いいわ。
混線してるわ。私の頭の中。
それくらい舞い上がっているわ。私。

毎日、毎日、私からから先に「ありがとう」「ごめんね。」「大丈夫。」と言い続けてきましたが、私の頭の中に「ありがとう」の言葉が、蓄積していただけでなく、長女の頭の中にも、蓄えられていたのですね。
だから、自然に「ありがとう」が出てきたのでしょう。

なんていい日なんだ。
明日何が起ころうと、今日がいい日だから、大丈夫。


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