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塀の中。塀の外。心の中の塀。

私の大好きな映画の一つに「ショーシャンクの空に」があります。
スティーヴン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」が原作になっています。
映画が公開されたときに、スティーヴン・キングがインタヴューに答えて、
「塀の中」について話していたことが印象的でした。
彼の小説の舞台はキャッスルロックという町です。
キャッスルロックには、大きな刑務所があります。
そしてこの話は刑務所の中の話なのですが、彼が言うことには、
「塀の外の人にいる人でも、自分の心の中に高い塀がある人がいる。」
ということでした。
この映画は「塀の外」の人が、自分の「心の中の高い塀に気がついてみる」というテーマが隠されているのだということなのでしょう。

塀の外の人は自分は自由だと思っています。
でも、心の中に高い塀があって、「そこに閉じ込められいる人」はたくさんいるのです。
ある人は自分の思いこみに、ある人は世間体に、ある人は根拠のないうわさ話に、ある人は家柄に、ある人は学歴に、ある人は常識に、ある人はお金に、そのほかいろいろ。
取り込まれたら最後。
閉じ込められてしまいます。
そして恐いことに、何年たっても誰も出してくれません。

そこで、壁に穴を掘って、リタ・ヘイワースのポスターで隠して、塀の外へ逃げ出す機会を狙います。
それは、たとえば、離婚だったり、脱会だったり、家族との縁を切ることだったり、パワハラから逃げることだったり、ブラック企業からの退職だったりします。
そうして、やっと自由を手に入れて、万歳するのです。

「もう逃げられない」と思っていても、自分自身が逃げようと思えば、自由は手に入れることができます。
ただし、貧乏で、生活はカツカツになりますが。
でも、囚われていない自分の心地よさは格別です。

そんな私が、刑務所の中へ足を運ぶのは、介護認定調査のためです。
今は、刑務所の中は高齢者と、知的障害者、外国人がたくさんいるのです。
もうすぐ出所するのにあたって、認定調査を受け、受け入れ先の施設を探すという受刑者の方が大勢いるのです。

刑務所の中はかなりのダイバーシティなのだなと思います。

ショーシャンクの空に
フランク・ダラボン監督
1995

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