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いいお母さんじゃないけど、最期まで生きていく

「生きる」ってことが、一番大事な仕事なのです。と他人には言ってきました。条件付きでなく、ただ、生きているということ。それが人間の仕事です。私は、介護の仕事や、障害者相談員をしてきましたから。

経済力がある。生産性がある。高学歴である。IQが高い。身体能力が高い。健康である。見た目が良い。性格がいい。常識がある。社会性がある。協調性がある。コミュニケーション能力が高い。努力家である。家族思い。優しい。いいひと。

やりがいのある仕事について、能力を発揮し、充実した毎日を送り、十分な収入を得ている。円満な家庭。成績の良い子どもがいる。

夢のような生活をしている人は本当にいるだろうし、幸せだろうし、そういう人は、それなりの努力や苦労はしてきたでしょう。

でも世の中には、そのような、理想的といえるような生活や、能力や、見た目など、持ち合わせていない人もいます。

たとえば、障害があり、自分で収入を得ることが困難な人。重い病気があり、どんなにリハビリをしても、医師に宣告されて、それ以上の回復を望むことができない人。余命宣告された人。事故にあい、あるいは生まれつき、身体に重い障害があり、見た目が人と違う人。どんなに努力しても、置かれている環境の格差が障壁となり、努力が実らない人。

私が仕事で出会ってきた人たちは、そのような苦労を抱えた方たちが多かったのです。そして私自身も、障害のある子を育てるシングルマザーで、どんなに努力しても、報われないことばかりの毎日を送ってきました。

うつ病を病んだ私はシックマザー。子どもには苦労をかけっぱなし。いいところなしの人生でした。それなのに、73歳まで生きてしまいました。私が小さい頃は、73歳などという年の人はめったにいなくて、いたとしても、もう本当におばあさんで、歯もなくて、腰が曲がって、お線香のにおいをさせながら、愚痴を一日中たらたらと垂れ流し。ああ嫌だなあ、と思ってみてました。

でも、今の73歳は、元気です。オシャレして、スポーツして、映画見て、音楽聞いて、スマホもパソコンも使いこなし、白い歯で、さっそうとしてます。多分、昔の54歳くらい。(サザエさんのお父さんが54歳らしい)いや、あんなに老け込んでない。

栄養もよく、戦争もなく、教育を受け、医療を受け、文化的な生活をして、年を取ってきた人たちは、本当に若い。こんなにみんな、元気に長生きになるなんて。

これでは介護保険が破たんするわ。年をとっても、介護者が少ないから、自分で自分の面倒を見ていかなくては。と思うから、ますます、自分の健康状態に気を付けて、長生きしていきます。

そんなこんなで、いい人でもなく、いいお母さんでもなく、どうしようもない私は、まだまだ生きていくのでしょう。

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