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うれし おもしろ お楽しみ会参観

今週は、知的障害のある長女ほかろんが通う生活介護の、参観週間でした。
先月の参観では、「自治会」を見ました。
今日は、土曜日の「お楽しみ会」を参観しました。
隔週土曜日は、午前中だけの活動で、「お楽しみ会」をすることが多いです。

「きょうは、ほっとけーきです。」と言って出かけて行ったほかろん。
私は午前十時に、園に向かって出発です。
ほかろんは、バスと電車を乗り継いで通っていますが、私は、サングラスとヘルメットをつけて自転車で向かいます。

道路から熱気が伝わってきますが、桜並木を渡る風は、涼しく気持ちがいいです。
今日の参観者は私一人です。
玄関を上がると、調理室から何やら、楽しそうな、声が聞こえてきます。
そうか、今日はホットケーキを作ってみんなで食べるのだな。

今日の参加者は十数人。
土曜日の出席者は少ないのです。
担当スタッフは3人。
若手スタッフのひめちゃんが、ホットプレートに、ホットケーキの種を上手に真ん丸に落とし、メンバーが一人ずつ、フライ返しでひっくり返していきます。

おおっ。
ほかろんの番です。
「まっちゃも、たべていいの?」と聞きながら上手にひっくり返しています。
「ほかろん、抹茶もあるってことに気が付いたね。普通のと抹茶と一人二枚ずつ食べていいよ。」
とベテランスタッフのカラさんが言います。
カラさんは、背が高くオートバイ通勤でかっこいいお父さんですが、話し方や、メンバーへの接し方がとてもやさしく、私はいつも見習おうと思っているのですが、なかなかできません。

栄養士の資格のある、ハヤさんが、フライパンを出して、バターを引きはじました。
ホットプレートだけでは、人数分作るのが間に合わないと察して、火力の強いガスで、ホットケーキを焼くようです。
そこへ駆り出されてきたのが、阿部譲二そっくりさんのけーちゃんです。
ものすごーく慣れた手つきで、フライパンをぐるぐる回して、バターをなじませています。
けーちゃんは、無呼吸症候群があって、立っていても眠ってしまうこともあるのですが、調理の時は、プロです。
見た目は、ベイマックスです。

さてほかろんは、自分の分が焼きあがったので、トッピング番長をしています。
焼きあがったホットケーキをお皿にのせたメンバーに、
「トッピングです。しろっぷ。きなこ。あっぷる。」と声掛けをしています。
おせっかいな性格が、年齢とともに穏やかになってきて、面倒見の良さになってきました。
自分の子どもくらいの年齢のメンバーの面倒をよく見ています。

重度の自閉症のアイ君も調理室で、跳ねたり手をたたいたりしています。
その都度、スタッフさんが声かけをしたりして、ホットケーキを一緒にひっくり返すことができました。

スタッフさんの目配りや、動きは見事です。
いちばんすごいのは、常に、落ち着いて、穏やかに、メンバーに接しているところです。
入所したばかりのころは、みんなと行動できなくて、個別指導だったアイ君も一緒に調理しているだなんて。
もう泣きそうです。

ドアのところに座り込んでいる、カユさんには、少し距離を取っておいて、本人から、みんなのところにやって来るのを待っていました。
別の部屋に籠っていた、ああちゃんには、適当なところで声掛けをして、決して無理強いをしないで、なんとなく、過ごしていました。

この穏やかな雰囲気、ゆっくりした時間の流れ、心地よいですが、一朝一夕にできるものではないのです。

帰ってきたほかろん。
「わたし、じょうずだったでしょう。」と得意げでした。
たくさんほめてもらって、成功体験をかさねたほかろん。
幸せ者です。

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