見出し画像

「笑う男」日本未公開映画

WOWOWに加入して、30年ほどたつ。
WOWOWの放送で何が一番の楽しみか、といえば、日本未公開の映画の放送があることだ。
世界は広くてたくさんの国があって、沢山の映画がつくられている。
日本で公開されるのは、そのうちのごくわずかな作品なのだ。

日本未公開映画で、一番、心に残ってるのは
「笑う男」である。
ビクトル・ユゴー原作で、2012年制作のフランス映画である。

独特の色調は、パステル画のようなシーンもあるかと思えば、暗く深みのあるあるシーンや、華やかな光あふれるシーンなど、飽きることがなく、続いていく。
音楽もどこか悲しく、懐かしい。

幼いころさらわれた少年、グウィンプレンは、見世物にするために、口の両側を切られ、いつも笑っているような顔にされてしまった。
一味に捨てられ、雪の中を歩いていると、死んだ母親に抱かれた女の子がいた。
女の子を拾い雪道を歩いてると、そこに来かかった馬車に乗った行商人ウルシュスに、二人は拾われた。
女の子はディアと名付けられきょうだいのように育ち、グウィンプレンを中心にした旅芸人となり三人で旅をつづけた。

ところが、グウィンプレンの親戚だと名乗る裕福な人間が現れ、グウィンプレンは女侯爵のもとへ連れていかれる。
実は彼は高貴な生まれだったが、狡猾なたくらみによって、幼いころすてられたのだった。
貴族として議会へ出るも、議員たちは自分たちのことしか考えておらず、貧しいもののことは、ほおっておかれると気づき、ディアの元へ戻るが、時すでに遅し、、、

という悲劇なのだが、馬車や旅芸人の暮らしがとてもよく、詩のように描かれており、行商人を演じるジェラール・ドパリューは人情味あふれ、ディアはかわいらしく、何より、グウィンプレン役のマルク=アンドレ・グロンダンが美しい。
もちろん、顔が裂かれているのだけど、とても美しい。

何度でも見たい世界だったのだが、WOWOWももう再放送しないし、DVDですら、日本では出ていない。
いったいどうやったら、また見ることができるのか。

なぜか帝国劇場ではミュージカルとして演じられている。
だけど私はフランス映画が見たのだ。


#映画にまつわる思い出


よろしければ、サポートお願いします。老障介護の活動費、障害学の研究費に使わせていただきます。