エカレエリ

詩、イラストetc。 色々と制作中。

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  • エカレエリの詩、散文

    詩や散文のまとめ ときどきイラスト付き

  • エカレエリの刺繍

    手刺繍の作品

最近の記事

若い戦士のご褒美

シャーペンと消しゴムを 携えて 真夏の前の大戦(おおいくさ) 耳鳴りしそうな 静寂の中 紙にぶつかる音が今 見えぬ打ち合い 急かしたて 残り10分切る頃に ようやく カウントダウンへと 戦の後のご褒美が アイツとモールで待っている 色も意味も描けない 小さな旗を 抱えながら 矢だらけになって 走り切り 真剣勝負を 終わらせて ハジける褒賞 ソファで頂き 次は何処へ? と言った時 片手に握った スマホには 近くて遠い 労いの言葉 私もアイツも 画面の中に 汗ばむ鎖

    • のんびりした迷子

      特等席を探して 歩き回る 探せど探せど 見つからず 穴の空いたソファに うなだれる くたびれた靴は 生きた証 迷子はのんびり 想像する 終わった後は いくらかマシさ 終わった後に 手放せる いつもらったか わからない 冷たいプレゼント それもまた 生きてる証 それは 受け取るだけで 伝わる手紙 途中で降ろせば 良かったのに 途中で壊せば 良かったのに やはり のんびり迷いながら 特等席を探してる

      • 社交場のハグ

        こぜまい社交場 セピア色が 揺らめく 言葉を濁して タバコで埋め 透き通った氷 多めのグラスを 私に差し向けた 瞳だけが いつかのように 瞳だけが いつかのように 暖かさを携えて 見つめ返すと 上手く隠れる ひとしきり考えた 強く残る ハグの意味 人目を避けて 考えた 強く残る ハグの意味 始発待ちの人が 帰って行く 眠気をこらえて 考えた 後に残した 飲みかけのグラスは あなたの心を抉ったの? 始発電車の振動が 家路へと 引きづり始めた

        • 赤髪とお囃子

          蛇がゆっくり這うように 人の子結ぶ 夏祭り もつれた足で 踏み進み はぐれた友を 見失う きらびやかな 稚児たちと 胸を 揺さぶる低音が 四つきぶりの 偶然を 熱気とともに 囃し立てる 赤髪 遠目でかじりつき 悶える人に めり込んで すすめ すすめと お囃子が 浴衣の私を 押し通す あなたの心を 齧るまで 下駄のリズムを 早めてく 切ない色が 目に浮かび 静かに 胸を締め付けて きっと 私の手を取ると 今は お囃子 盛り立てて 半歩進めば わかるはず 椿の簪 待

        若い戦士のご褒美

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        • エカレエリの詩、散文
          22本
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          1本

        記事

          海辺の境界線

          要領得ずに たたずみ 埋もれるように座った 曲げた足に まとわりつく砂つぶ 組んだ腕に 顔をうずめる 細長い足が並んでいる ここから見ると それは檻のような境界線 立ち上がり損ねて 明るい声が 降りかかる すぐそばに 境界線はあった

          海辺の境界線

          アイコンタクト(詩)

          一秒  目が合った 二秒目で  訴える 三秒目まで  粘ったら 四秒目で  その目に  答えが表れ始めた 五秒目に  足音の鳴る方へ 六秒目は  私の目に涙……………………

          アイコンタクト(詩)

          気まぐれの光

          傘さして 沼と化した 歩道をすすみ 赤信号に たどり着くと 通り過ぎたバスの 中で光る笑顔を 見つけた それは天上の者だけが 頂ける 特別な宝 沼を歩く者には とても あつかえない宝 ガラスを通して 光が返る 沼の水に すべり込む 一時の 一粒のキラメキ 光の気まぐれ 私にはまぐれ ほほ笑み返すと バスは消えた 傘さして 沼と化した 歩道をすすむ

          気まぐれの光

          更新されないマップ

          デパートの屋上 客の少ないオープンカフェ 夜の湾岸沿い 結び付かない名前の旅館 一味違う創作料理店 行っても すぐに出て行った遊園地 疲れて 見れなかった美しい夜景 思わず手を離した 馴染みの交差点 ついていけなかった 上り坂 涙で曇った 路地のあかり ずっと前に置いてきた私たち

          更新されないマップ

          アイコンタクト

          アイコンタクト

          市バスにて

          大会前の練習で バスに乗り込み 会場へ 熱気と狭さに むせながら 控室で 吹いている 私は膝を叩きつつ ものかげに座る アノ子たち 横目に映し 見ないフリ 耳に残した 甘い声 帰りのバスでの 楽団は 期待と緊張 バカ話 後部座席で シンシンと 甘い二人を 思い出す 胸の中で 小太鼓が しつこい長さで 鳴りやまない

          市バスにて

          モールの魔法

          エスカレーターに連れられ ファンタジーに 迷い込んだ 戻れない 鮮やかな世界 魔法のアイテムが 右から左へ 私はただ 見せつけられている いつでも手に取れるのに 持ち上げると チリと消え 予想していた重さが のしかかる 白い魔物が 無邪気に跳ね回った 無責任な衛兵たちが 無言で私を突き刺してくる キャンディのようなコインに 明日を忘れたくなる

          モールの魔法

          昨日見た悪い夢を もう一度見たい 2人で逃げ出して 非常階段の踊り場で 囁き合う 過去をやり直せるのは 夢の中だけ

          昨日見た悪い夢を もう一度見たい 2人で逃げ出して 非常階段の踊り場で 囁き合う 過去をやり直せるのは 夢の中だけ

          観覧車にて

          夜景というより 走馬灯 遠景に 映し出す記憶 いつの間にか コノ人の 粒立ち揃わぬ ぬるい声 アナウンスより 早く過ぎる ため息が 平気な人なんて いったい どこに いるだろう? 気付けば 重いカタマリは 私にばかり ぶつかって 遠くを見るのが 癖になる

          ロングディスタンス

          ここからの距離に 気が遠くなる 手をひいて歩いた事は 一度もなかった 特別好きなものを 伝えることもなかった なのに夜に 手を伸ばす うす明かりを つかむ アクリル絵の具の星空 明かりを消して 一緒に沈んだ 落ちてこない優しさ 気まぐれの相づち 欲しくてたまらない 笑顔 ここからはとても遠い

          ロングディスタンス

          幸せの刷り込み

          特色2色で 刷り込んで 白いブーケを 表現し 高らかとなる カネの音は 笑顔の咲いた 席に染み 桃色 はじけた香りの粒 花飾りが待つ 先のゲート くぐれば 後には戻れない くぐれば 前にも止まれない くぐれば 先にも逃げれない その日に 悪魔が降りるとは 神にもわからぬ 白仮面 助けを求めて 泣き叫び 祈りは 誰にも伝わらず 2色の刷り板 はがれ落ちた

          幸せの刷り込み

          消えない青春

          ねぎらいは ファミレスで だって 最後の笑い合い グラスがたまって 引きぎわを ねばって 延ばして 見つめてた 笑顔に 嬉しくなるなんて 今日より他は 無いかもね たまたま この地でめぐり会い つながり 離れて ケンカもし 新譜試聴に 連れ立って 気持ちい風と 共にいた 同じ記憶は作れない 同じ雨にときめかない 同じ空に休めない 同じドーナツ食べれない こういうのを何て言う? 消えない青春とでも言う?

          消えない青春