とある記事を読んでいて驚きました。
『CES-D検査結果用紙』は16点以上で抑うつ状態にあると考えられるという数字で、60点満点で48点。「重度の抑うつ状態にあると判断されます。
と芸能人のブログに書かれていたそうです(ブログを読んで記事にしていることもどうかと思いますが・・)。もちろん、ブログを書いた当事者の人は苦しい日々を送っているのだと思いますが、この中には精神科医療における問題が潜んでいそうです(ブログの内容とかに意見を言いたいのではありません。これを読んで、現代の精神科医療の問題を感じるということです)。
一つは、質問紙だけで病態を判断してしまっている可能性です。前にも別の記事で書きましたが、どこのクリニックも混雑しており、初診すら予約待ち。初診も診察時間が短いと指摘されることも度々ですが、クリニックはそうでもしないと採算が取れない状況なのだと思います。質問紙は治療的な介入前後で比較するにはとても良いのですが、これだけで病態を決定してしまうことは危険ではないかと思います。
発達障害も質問紙だけで診断をつけようとしてる先生も見かけますし、DSMなどを利用するのは良いのですが、A項目と言われる項目だけで症状を評価し、B項目以降を評価していないこともあります。それはとても危険です。
もう一つは、主治医は決して質問紙だけで病態把握をしたわけではないのだけど、患者さんにはその判断プロセスが伝わっていない可能性です。
なかなかうまく伝わらないと以前にも書きましたが、こちらの伝えたいこと、患者さんが知りたいこと、この二つがうまく組み合わさらないと良い臨床にはならないのだろうと思います。どうやって伝えていくか、それが課題ですね。
がんばります。