妊娠中の抗うつ薬使用と子供の自閉スペクトラム症およびADHD
ASDとADHDにはさまざまなリスクが知られている。今回は妊娠中の抗うつ薬との関係性を探ったシステマティックレビューおよびメタ解析論文です。内容は、18件の研究をメタ解析に利用し、妊娠中のSSRI、SNRI使用と子どものASD、ADHDリスクとの間に関連性が認められた。
出生前のSSRI、SNRI使用
●ASD(OR:1.42、95%CI:1.23~1.65、I2=58%)
●ADHD(OR:1.26、95%CI:1.07~1.49、I2=48%)
妊娠前のSSRI、SNRI使用
●ASD(OR:1.39、95%CI:1.24~1.56、I2=33%)
●ADHD(OR:1.63、95%CI:1.50~1.78、I2=0%)
この結果は出生前・妊娠前のSSRI、SNRI使用がASDとADHDに関連していることを示していることがわかりますが、他の要因については検討しておらず、なかなか難しいですね。SSRI、SNRI使用の要因が問題であって、SSRI、SNRI使用ではないかもしれないし、この解釈は慎重であるべきでしょう。
論文はセンセーショナルに扱われやすいので、こちら側も注意が必要ですね。