見出し画像

気になる論文:家庭内感染はいつどうやってするの?

新型コロナウイルス感染症に関する情報の海

連日、新型コロナウイルス感染症関係のことばかりで恐縮です。あまりの情報の多さに自分の中でも色々とまとめていかないと、その情報の海に溺れてしまいそうです。

家庭内感染のリスク因子

さて、感染爆発が怒っている日本ですが、COVID-19の家庭内感染のリスク因子についてのメタ解析が出てきました。

Madewell, Z. J., Yang, Y., Longini, I. M., Halloran, M. E., & Dean, N. E. (2020). Household Transmission of SARS-CoV-2: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Network Open, 3(12), e2031756. https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2020.31756

COVID-19の家庭内の感染リスクは、他のコロナウイルスより2~4倍高く、「症状ある初発患者」「接触者が18歳以上」「初発患者の配偶者」「家庭内の接触人数が1人」がリスク因子であることが示されました。

この論文はPubMedにおいて2020年10月19日までの論文を検索し、系統的レビューおよびメタ解析を行っています。主要評価項目は、COVID-19および他のコロナウイルスにおける接触者が家庭もしくは別居家族を含めた家族、初発患者の症状の有無、初発患者が18歳以上もしくは18歳未満、接触者の性別、初発患者との関係、初発患者が成人もしくは子供、初発患者の性別、家庭内の接触人数、で分類し、その発症率となっています。

感染が疑われる、または確認された人が自宅隔離されていることを考えると、家庭がCOVID-19感染の重要な場となり続けることが示唆されると書かれています。

家庭内感染が問題だとしたら・・・

もし、そうだとしたら、無症状で感染した場合の自閉症のお子さんたちはどうすればいいのでしょうか? 18歳以上ということがリスクであれば、親へ感染させてしまうかもしれません。しかしながら、ホテルで一人で過ごすことも難しいでしょう。

発達障害を含む精神疾患を持ったお子さんたちが、新型コロナウイルス感染症に罹患したとしたら・・・どこでその静養を取るべきか、親たちはどのように対応していくべきか、いくつか課題があるように思われます。今後感染がもっと拡大すれば、この問題がさらに大きくなっていく可能性があるでしょう。

私たち現場の人間たちもその対応を知恵を絞って、親も子も安全に過ごせる方法を見つけていきたいと思います。