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「フォワーダー」って何ですか…?物流初心者の君に告ぐ!

前回の記事で、私の経歴を「大手フォワーダーで貿易実務を4年ほど…」と紹介しましたが、

「そもそもフォワーダーって何…?そんなの聞いたことないよ」
「貿易実務って、なに?!事務仕事なの?一体なんなの?」

って思った人も多いのではないでしょうか?

前回の記事を見て気づきました。私もすでに業界に毒されてますね…。これが通じると無意識に思っていた……。
(この業界は本当に業界用語が多すぎるのです)

ということで!!今回はまずは私が勤めていた「フォワーダー」企業とは何かを、簡単に説明していきたいと思います☆
(細かい定義とかは後日触れていくので、今回はざっくりと)

フォワーダーって、何ですか?

まず、フォワーダーですが、端的に言うと「自らは輸送手段を持たず、船舶・航空機・トラック、鉄道などを利用し輸送を行う、貨物利用運送業者」のことを指します。

……ちょっと、よく分からないな。

もう一回言います。

フォワーダーですが、端的に言うと「自らは輸送手段を持たず、船舶・航空機・トラック、鉄道などを利用し輸送を行う、貨物利用運送業者」のことを指します。

……本当によく分からない。私が……私が、いけないの…っ?

大丈夫!違います!!まじで分かりにくい!
何故分かりにくいか。それは、仕事の流れのイメージが湧かないから!

上の説明では一体、どういったサービスを提供して、何にお金をもらっているのか、本当によく分からないですよね。

というわけで、まずは仕事の流れを図にしてみました!
いらすとや、どー--ん!

輸送する手段を持つ会社を「キャリア」といいます。「フォワーダー」の対義語。

赤い矢印がモノの流れ。青い矢印がお金の流れです。

メーカーや商社などのお客様から荷物を預かって、その荷物を船会社や飛行機を飛ばしている会社、JRなどの鉄道を動かしている「輸送会社(キャリア)」に渡して、モノを輸送する企業のことです。

ふー--ん。へ~~~~~え???

え?中抜きではwwww???


そう思った、あなた!半分正解で、半分間違いです☆

何故、こんなフォワーダーなんて半中抜き企業が存在しているかといえば、大きく2つの理由があります。

①その方がモノを安く、最適手段で輸送できるから
②輸送に関する細かいことは全部投げられるから

さあ、さらに見ていきましょう~

①その方がモノを安く輸送できるから


 中抜きしてるんだから、安くなんてなるわけないじゃん!!!と思った、そこのあなた!……さっきの私の図に騙されてる、かも?

 先ほどの図では、船と飛行機と鉄道1個ずつの画像しか貼ってませんが、実際はこんな感じで、輸送会社というのは世の中にた~~~くさんあります。
 (とりあえず例で、船会社を一覧であげてます)

こんなの上位数社なのさ……

さあ、皆さん。質問タイムです。

あなたが、メーカーや商社の担当者なら、ここから何社見積もりを取って、何社値段を検討できますか?

……え………うーん……五社くらい……?

その船会社が、どこの国向けを一番力を入れてるか、わかりますか?
どこがどんなサービスを出してて、どのくらい荷物を適当に扱ったりしてて、どこに欠点があって、どこがメリットだかわかりますか??

そ、そそそ、そんなの知らんし~~~~~!!

そう。
あなたの輸送の最適手段を見つけてくれるのが「フォワーダー」です !

一般的にフォワーダーは多くの輸送会社に対して、大体3か月~半期に一回程度、一括で見積もりを行い、すでに料金を取得しています。そのため、担当者は基本的に、「すぐに」「たくさんの」輸送会社の、料金の比較・検討ができます。
(基本的にです。またこれもいろいろあるんだ…)

そして、どこの輸送会社がどういった特色を持っているのか、フォワーダーはそれが専門なので、よく分かっています。

また、たくさんのお客様の輸送を取り扱っているので、フォワーダーは大量の「輸送して欲しいモノ」を持っており、交渉力があるので、フォワーダーが持っている見積もりは、対メーカーに出すよりも料金が安くなってるのが一般的です。

そんなわけで、「基本的には」フォワーダーに頼む方が安く輸送できるのです!

(「基本的には」と書いた件については、今度別記事で触れようと思います……あははは……闇深ぁ……)

②輸送に関する細かいことは全部投げられるから

 え?乗り物に乗せて運ぶだけでしょ?細かいことなんてないじゃん?

 そこの君!モノを運ぶのは法律・規制の雁字搦めなんだ!!
 法律法律法律あたたたたたたたッ👊パーンチ!
 ※この記事は深夜に書いてます。

 ――特に、海外への輸送は規制だらけです。

 国内で荷物を運ぶ場合でも、輸送保険などの保険の手配や、重量物の規制についての確認など、めんどくさいことはありますが、海外においては「検疫対応」「通関手配」など、さら~~にめんどくさい手続きがいっぱいあります。そういったことは、輸送会社は基本やってくれませんので、フォワーダーを使わないなら、自分でやる必要があります。

 皆さんも国内旅行は気軽にできるけど、海外旅行はめんどくさいですよね。飛行機の席を取ったり、宿手配もしなくちゃいけないし、ビザとか持って行っちゃいけないものの確認とか……そういう時には、JTBとかの旅行代理店のパッケージツアーとかで予約して、保険とかもまるっと任せちゃえば楽ですよね。
 
 しかも、日本国内だけじゃなくて、海外の法律規制についても詳しくないといけない……となれば、商品の輸送についてもフォワーダーにまるっと任せちゃうのが、めちゃめちゃ楽じゃないですか?

つまり、フォワーダーはお客様にとって「輸送のアウトソーシング先」なのです。

これぞ分業。文明の勝利。アダム・スミス万歳🙌

フォワーダーって結局、旅行代理店なのよね…


というわけで、フォワーダーのメリットを2つ説明してきましたが、ぶっちゃけJTBとかの旅行代理店とほぼ仕事内容は一緒なんですよね。
あんまりこの説明の仕方してる人いないけど、よく似てると思う。

旅行代理店は、ある意味「人を輸送する会社」と言えます。
旅行代理店はJALとかANAとかJRとかの輸送会社と客の間に立って、集中購買で安く席を買い、それに手数料を載せて売るのが仕事です。時には付帯サービスで、保険や、ビザ手配などをやってくれる点も、自社では飛行機とかを持っていないところも似ています。

フォワーダーも一緒。輸送会社と客の間に立って、集中購買とかで安く席を買い、手数料を載せて売るのが仕事。輸送手段は持たないから、選択肢が多い。付帯サービス含めての提案ができたりもする。

旅行代理店との大きな違いがあるとすれば、「人は自ら動けるけど、モノは自ら動けない」というところかな?最初から最後まで、すべて誰かが動かしてやらないといけない。だから、人に任せるメリットが旅行代理店よりも高い。
そういう意味では、旅行代理店業界よりは参入障壁が高い傾向にあるとは言えます。


……というわけで、やっと私の働いていたフォワーダーとは何か、少しはご理解いただけたでしょうか…?

今はざっくりでいいのです。まずは輸送手段会社と客の間で半中抜きしている会社ぐらいの認識でOKです。
細かい定義は、貿易実務検定の試験を受けるときにでも覚えましょう~


次回あたりには自分のやっていた「貿易事務」についてより詳しく触れていこうと思います!エビバディ、センキュー☆

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