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時は来た!今、フェチ系の主役を狙う巨大美少女ヒロインを堪能せよ。

・はじめに


1958年の映画「妖怪巨大女(Attack of the 50 Foot Woman)」が始まりかどうかは知らないが、巨大女映画というジャンルがあった。

日本ではウルトラマン33話の「禁じられた言葉」でメフィラス星人に巨大化された桜井浩子さん演ずる巨大フジ隊員が有名だが、シン・ウルトラマンで彼女をモチーフに長澤まさみさん演ずる浅見弘子が巨大化した。

そんなこんなで気にしてみると現在、巨大なヒロインが登場するマンガが増えている。今回はそんな巨大美少女ヒロインマンガを紹介したい。


・ちえりの恋は8m(ミトガワワタル・集英社・ジャンプ+連載中)

「高校二年生、小滝夢二のとなりの席にいるのは身長8mの幼馴染、大峰ちえり。夢二は突然巨大化したちえりの補助係「お手伝いさん」である。

ちえりは巨大少女支援局の支給物資や用意した部屋で生活しているが、大きなちえりには補助が必要なのだ。でも、補助されているのはどちらかいというと……5倍の身長差を超えた恋愛はどうなるのか?」

連載と同時に某掲示板でスレが立ったちなみの恋は8m。ストレートに巨大美少女との恋愛を描いているが、見方を変えるとTVアニメ化され、派生作品も生まれた「亜人ちゃんは語りたい」(ペトス・講談社)のように社会的弱者としての巨大美少女を描く話にもとれるのだ。

まあ、現状は巨大少女支援局の支援は物資と部屋の支給しかないのだが。支給された全てが巨大な部屋での夢二の存在は逆にシュールである。


・ジャイアントお嬢様(肉村Q・小学館・サンデーうえぶり連載中)

「世界中の飲料品と自動販売機を支配する富士動財閥。そのお嬢様の富士動機子(おりこ)が4歳の誕生日に強請ったものは街。それから十年ちょっとで機子は身長180cmくらいの素晴らしい美少女になり、機子の街も素晴らしく発展していた。

だがしかし、そんな街に突如侵略者が降り立つ。研究開発部門の怪しいウサギ、Drセバスチャンから渡された栄養ドリンクを飲んだ機子は巨大化し、なぞの侵略者と戦って自分の街と応援してくれる住民を守るのだ!」

正統派巨大美少女ヒロインマンガである。だがしかし機子は最初からハンデを背負って戦うハメになる。そのハンデとは……自分の街の住民からパンツを見せないように動かないとならないのだ。

破壊された町は立体印刷建築によってすぐに直るが、新たな侵略者はどんどんやってくる。機子はまた長ったらしい名前の栄養ドリンクを飲むコトになる。

ウサギに翻弄される美少女といえば、くまのプーさんと児童文学の双璧を成す不思議の国のアリスであり、よく考えるとアリスも薬で巨大化する巨大美少女ヒロインである。この作品はそのオマージュとも言えるが、ポップで綺麗な線の絵はアリスの話を忘れる程度にオリジナリティを伝えて来る。

うえぶりの2話と3話の間には作者の巨大娘(giantess)の魅力を語るオマケがあり巨大美少女ヒロイン入門としてオススメの作品である。

現在単行本4巻まで発売中!

・クロシオカレント(こかむも・KADOKAWA・青騎士連載中)


「高知県。高知県は魑魅魍魎や怪異のいる県だった。水葱朱砂(なぎあかさ)と東堂院マナを始めとする仲間たちの廻りにも色々と不思議な現象が起きている。小説家の朱砂の父などはとても家庭的な魔人デゴマゴスに体を乗っ取られている状況だ。

そんな中、四国の水資源の中核であるサメウラダムには怪獣がいた。人語を話す巨大美少女怪獣サメミに記憶喪失の少年、藤美郷(ふじみさと)は恋をする。

美郷は世話になっている魔女キルルカの指示で朱砂の学校に転校する。学校で出会う怪異を報告するために。でもクラスの仲間も朱砂も…高知ってコワイ」

高知の学校を舞台にした怪異オムニバス……のようでストーリーはちゃんと繋がっている。登場人物は色々と突飛なのだが、ヘンとヘンを混ぜてもっとヘンにするマンガのようなので、とても普通?な日常に混ざり、だんだんと読み手が馴染んでいく感じがある。

そんな中でのサメミ。角や手先に竜的な意匠が残り、やや怪獣な部分もあるが、美郷に餌づけされつつイチャイチャしている姿はちゃんとヒロインしている。でも最初に食ってたのがアレなのでちゃんと怪獣か。

主役かは不明だが、主役級で唯一の男と付き合っている……飼育されているメインヒロインなのである。巨大美少女分だけではなく、いろんな怪異を吸収していくマンガであり、どこに辿り着くか楽しみなマンガである。

現在単行本1巻発売中!


・お姉さまと巨人(わたし) お嬢様が異世界転生(Be-con・KADOKAWA・青騎士連載中)

「異世界の冒険者ヒナコ。左腕が無くセーラー服の彼女は普通の身長であるが、この世界では蔑まされている巨人族を名乗る。いもうとに巨大美少女のエイリスがいるから?いやそれだけでは……。

『もっともちいさな巨人』と呼ばれるヒナコはいもうとエイリスとともに旅をしている。宗教家とか異世界から来たチート持ちの勇者などと出会い、悪をつぶしす旅。それはヒナコがおねえさまを探す旅……」

いもうとのエイリスも強いが隻腕のヒナコも強い。チートがないと言うヒナコだが、とてもとても強い。これは異世界巨人美少女アクション百合ホラーなのだ。設定はとても複雑そうだが、豪快なアクションがそれを忘れさせる。

種族:巨人、職種:妹(リトルシスター)、獲物:剣先スコップ(関西ではシャベル)な巨人美少女エイリスの豪快なアクションと『もっともちいさな巨人』美少女であるヒナコ、ふたりの巨大美少女の物語はとてもテンポ良く、次の物語に飢える話である。

現在単行本1巻発売中!


・その他の完結した巨大美少女マンガ


◆GIGANT(奥浩哉・小学館)

あのGANTZの後に奥浩哉先生が描いた巨大美少女作品。謎のオッサンにつけられた装置で巨大化可能になったAV女優のパピコが破壊神たちから街と高校生の零を守る。得意の不条理SFと純愛が炸裂する。

裸で戦うパピコ。奥浩哉先生の作画はもちろん当然美麗でキレッキレ。都市の書き込みも素晴らしく、巨大なパピコが映える。


◆ミカるんX(高遠るい・秋田書店)

11月28日に完結の16巻が出る傑作女子格闘マンガ「はぐれアイドル地獄変」。そこにスターシステムで登場していた女子アナウンサーで伝統空手使いの鯨岡ミカが、主役の巨大美少女高校生として活躍するSF作品。

鯨岡ミカが南るんなと「合大」して巨大化し、裸で宇宙人や怪獣と戦う巨大美少女ヒロイン作品。巨大化時のビジュアルは鯨岡ミカそのままである。

後半はゲッターロボサーガのような壮大な話に。シン・エヴァンゲリオンの演出モチーフのひとつとも言われている凄いマンガなのだ。


◆七つの大罪(鈴木 央・講談社)

アニメ化もされ、3700万部と大ヒットした七つの大罪。嫉妬の罪として主人公のメリオダスとエリザベスのベッタベタなカップルの横で横恋慕する巨人族のディアンヌは近年ではかなりメジャーな巨人美少女ヒロインか。

仲間のマリーンの薬でたまに小さくなった時の萌えの印象が強いが、巨体を生かしたバトルもまた素晴らしい。引きの絵だと完全に主役食っちゃうしね。


◆まりかセヴン(伊藤伸平・双葉社)

突如現れた大怪獣。女子高校生三条まりかが地球人を助けに来たというセヴンに憑依され、身長38mの巨大ヒロインまりかセヴンになって戦うハメに。

ちょっと……かなりヘンタイな憧れのセンパイにも自衛隊にも正体がバレていいように使われるまりか。伊藤伸平節あふれるコメディとSFがうまく絡んだ楽しい快作。


◆世界八番目の不思議(宇島葉・KADOKAWA)

ハルタで連載していた世界の不思議と日常が絡むシュールなギャグの基本2話構成のオムニバス。三途の川のそばで死者の天国行きか地獄行きかの二択を決める巨人美少女の脱衣婆(婆だけど若い)が武道館アーティストになったり、身長10mの閻魔さんがネットアイドル目指したり、身長6mの女子高校生いさなちゃんがクジラを助けて恋愛に励んだり。

単行本全三巻の各巻に巨人美少女ヒロインが出る、巨大美少女分高めのマンガ。ハルタ・青騎士のラインに巨大美少女マンガが多いのは巨大女フェチの編集者がいるのではないかと思ったりして。


◆あばしり一家(永井豪)

レジェンド巨大美少女 法印大子

永井豪先生のエロと猟奇を混ぜ込んだ最強ギャグ。犯罪家族のあばしり一家が大暴れ。永井豪ヒロイン最高の美少女、あばしり菊の助が大活躍のなか、天敵としてあばしり一家と戦うのは極悪人ハンター法印大子。これも永井豪ヒロイン最高の美少女だ。

水着で浜辺を闊歩したり、水着で空飛ぶ海底軍艦を操縦して戦う法印大子は日本マンガ界巨大美少女のレジェンドだろう。セミレギュラーではあるが、連載最終回も法印大子の大かつやく……筋で終わるのだ。さすが豪チャン!


・おわりに


巨大美少女ブームは確実に来ている。自分はメガネ最高な人間ではあるが、この時流には乗りたい気もしたりして。でも、多分これからしばらくは作品が増加するフェチ系ジャンルだと思うのだ。

他にも大攻者ナギ、Mt.レディの出る僕のヒーローアカデミアなどがあるし、シドニアの騎士の白羽衣つむぎも巨大美少女ヒロインである気がする。

歴史のあるニッチなフェチジャンル、巨大美少女ヒロインのさらなる発展に期待したい!

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