解体屋ゲンで巡る「ストリートファイター6ワールドツアー」…ネタバレ少々?
・はじめに
格闘ゲーム、いわゆる格ゲーをシューティングとRPGに負けず劣らずの位置に押し上げたCAPCOMの不朽の名作「ストリートファイター」シリーズ。2作目の「ストリートファイター2」で確固なポジションを築き、以降メインタイトルだけで30作を超えた超えたシリーズの最新作が「ストリートファイター6」である。
2D対戦格闘から3Dキャラによる疑似2D対戦格闘となって久しい「ストリートファイター」だが、今回の6は美麗な3Dモデルを各種エフェクトによりアートに見せ、時にはイラストなども多用し、表現の枠にとらわれず、アートかつ「ストリートファイター」を崩さないものである。
そんな「ストリートファイター6」に新しく追加されたモードが「ワールドツアー」。自由度の高いアバター製作が出来て、そのアバターでCAPCOMの横スクロール格闘アクションゲーム「ファイナルファイト」のメトロシティを中心に世界を旅して、数々の相手と戦ってアバターを格闘家として成長させるのが「ワールドツアー」である。
3Dで綺麗に作られたメトロシティともうひとつの街は結構な広さのマップであり、建物内部に入れる場所もある。歩く人々の大半は格闘の心得があり、声をかけると気軽に対戦してくれ、また、昔荒れていた名残で危ない奴もこらしめられる。弱ったらその国のご機嫌な料理を食べて復活し、そのためにバイトをして歩く。お使い要素も多々あるけど、そのお使いは必ず糧となり、そのお使いから「ストリートファイター」の有名キャラと出会い、技を継承してもらう。それと並行してメインストーリーが進んで行く。
「ワールドツアー」は格ゲーが苦手な人間のためのモードである。だが、それ単体でソフト価格相応の価値があると思えるボリュームだし、やっているウチに「ストリートファイター」の対戦をそれなりにこなせる技量をつけさせて貰えるものだった。
個人的にはガードが駄目で「ストリートファイター2」をクリアするために奥歯を代償とした(割れて歯科医院に行くまで地獄を見た)程度には格闘がヘタクソで、「ストリートファイター」はたまにやる程度となり、手癖ガチャで10連コンボが出せた「鉄拳」シリーズばかりやるようになっていた。複雑なコマンド入力を簡易にしたモダン操作の導入とともに「ワールドツアー」の目的であろう新規客への導入と過去に逃した客の回帰のうち、後者のターゲットなのであろう。
そんな「ワールドツアー」アバターの自由度のおかげで大好きなマンガ、「解体屋ゲン」の主人公である朝倉巌(通称ゲン)なアバターが作れそうとの話がtwitterのタイムラインに流れて来た。そんなこんなでゲン似の顔と体形と筋肉を持ったアバターを作り、「ワールドツアー」内での買い物(現実世界では無料)と格闘(街の人でも戦うとアイテムをくれる)で衣装や小物や染料(衣装や小物の色変更が出来るドロップアイテム)をかき集めて、ゲンな姿のアバタを作った。
プレイしていると「ワールドツアー」のメインストーリーやお使い(サブミッション)に解体屋ゲンと重なるストーリーが多かった。最後まで。そんな解体屋ゲンと「ワールドツアー」について纏めてみた。
・メトロシティ
ハガー前市長(ファイナルファイトの主役)が悪を一度は一掃したメトロシティ。そんなメトロシティは大きな格闘大会が開かれる予定だったが、建設中のマイク・ハガー記念スタジアムに爆破予告があり、不穏な空気が流れていた……
解体屋ゲンでは連載前に掲載されたプロローグ4話「日本一」の回として「SAIKYO DOME」開幕イベントの爆破予告回がある。ゲンの爆弾解除方法が素晴らしい。
★CHAPTER1-1
最初は「ストリートファイター6」の主役のルークから海辺に立つ倉庫を改造したようなややオンポロなジム「MCトレーニングセンター」でチュートリアル。もちろんジムの生徒との格闘も出来る。
解体屋ゲンで倉庫といえば「第四倉庫」。ゲンの調達担当でもあるゴンが暮らす物品倉庫だが、いつの間にか足場用パイプで組まれたリングがほぼ常設されている。29巻258話「もう一人の解体屋」他、多々あるゲンvsトシ、65巻655~657話「トシのバラード」のトシvsチンピラ、98巻964話「舐めプ」のゲンvs格闘系〇Tuberなどの戦いが。
★CHAPTER7-4・5・CHAPTER8-1
格闘大会ノービスリーグの参加と共に、中華街の飲茶屋のイメージキャラ饅頭男にまつわるミッションをこなす。
解体屋ゲンでは中国での爆破解体が多く、飲茶等の出番も多い。中華料理に異様な執着を持つ野島が暴れる97巻953話「超スピード解体(6)」、そして居候に来た中国の解体屋と大喰らいの産業スパイがゲンたちを飲茶、饅頭で懐柔しようとする100巻976・977話「二人の居候」など。
★CHAPTER8-3・5・6・7
黄色いヘルメットを手に入れて、ある男がいるというSiRN社の新築ビル工事現場に侵入。その後にまた新築ビル工事現場に侵入。クレーンに乗ったりなどして工事現場を登っていくと、サーバーが並ぶ部屋などがあり、そして……冷蔵庫が強すぎる!!
ビルの建築現場。解体屋ゲンは爆破解体のマンガだが、経営者としては少し残念なゲンのために新築工事の現場でも働く。そしてゲンはクレーンオペレーターとしても一流。なお、部下のヒデは日本トップのクレーンオペレーター。その一番の活躍は記念すべき40巻400話「高度500m」とその後日談41巻401話「XXXX!」で。
さらにサーバー室。解体屋ゲンは建設業なのにサーバーというかスパコンがよく出て来る。特に全編がサイバーテロとの戦いである88巻871~880話「時間との戦い」。
★サブクエスト「安全第一」
路上にいた若者から、建設業は人手不足なのでビル工事現場で働かないかと言われる。それはともかく、若者から「ヘルメットを隠されたから取り返してくれ」と頼まれ、盗ったらしい中年の男を探し出したのだが、その男が語る黄色いヘルメットの秘密とは……
解体屋ゲンでヘルメット……って、黄色いヘルメットはゲンの標準装備か(笑)。若者とベテランの話だが、解体屋ゲンにはいくつも若者を更生する話がある。お勧めは10巻96話のケンタかなぁ。
・ナイシャール
CHAPTER9以降のメインの舞台になるのは新興国のナイシャール。中東の貧しい国からある企業の開発によりビルの立ち並ぶ新興国となったが、その脇では貧しい人々が変わらない貧しい暮らしをしていた。もしかしたらこの国の、いや世界の未来を賭けた格闘が今始まる……
解体屋ゲンでは41巻408~410話「世界を救う寄せ集め」42巻411・412話「生死の狭間で」にて中東で油田火災対策に従事する(拉致されて・日本政府の案件なのだが)。そこで出会う仲間の中には……
★CHAPTER14-1
消えた相棒からの頼みでなんらかの部品を集める。部品はナイシャールだけではなくメトロシティの溶鉱炉のある廃工場にも。そしてこれ以降はその部品で作られたもので「どうにかする」ための戦いが始まるのだ。
解体屋ゲンでゲンが部品を集めて作ったといえば45巻449話「スイッチマニア」の鉄太のプレゼントな変身ベルトが一番か。
溶鉱炉は製鉄関係の工場だろうか?あの師匠がいるバルマレイ製鉄所も出て来るが、解体屋ゲンでも溶鉱炉は出て来る5巻46~48話「社長失格」と52巻518~520話の高炉爆破解体だ。いずれも見事な爆破解体の話である。
・その他
「ワールドツアー」では食料やアイテムの購入のために時にアルバイトが必要になる。その代表がメトロシティでSCRAP HEAP、ナイシャールではSCRAP HEAPIIというそれぞれトラック解体とトゥクトゥク解体が出て来る。
解体屋ゲンではさすがに自動車だけの解体は出てこないが廃棄物関係の話は当然ある。95巻935・936話「違法処分の代償」、ナイシャールじゃないんだから……
・おわりに
そんなこんなで「ストリートファイター6」の「ワールドツアー」は解体屋ゲンが良く馴染むゲームだった。工事現場も建設業の人間も沢山出て来るし、なにせずっとストーリーの背骨は爆破だからだ。
もちろんアバターは解体屋ゲンでなくてもいい。この「ワールドツアー」は格闘ゲームのチュートリアルやオマケに留まらないオープンワールド系RPGとして十分楽しめるゲームなのだ(昔懐かしの傑作格闘ゲー、トバルNo.1・トバル2のクエストモードみたいだな)。
たが、解体屋ゲンを知るものならばゲンでやると2倍楽しめる気がする。個人的には戦闘用アンドロイドのトシやゲンのライバルなジョージ……いや、野島だな、次は野島のアバターを作ってやろうと思う(笑)
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