マーケティングと定点観測

私はあるドラッグストアの商材を26年継続して担当しているので、ドラッグストアの店頭、しかも同じ店を定点観測しています。定点観測でないと変化がわからないからです。恵比寿にきて17年。仲良しのケーポート様とココカラファイン様で買物をしながら店頭をチェックしたりしています。

顔見知りの方ばかりなので、調剤の薬剤師さんから「寒くなってきたから●●が売れはじめたよ」と教えてくれることがあります。マーケティングの捉え方は人それぞれ。ですがマーケティングの基本はまずは売場に行き消費者の買い方を見ることからはじまると思います。

同じスーパーに行き、レジに並ぶ方のカゴをいつもわくわく見つめています。寒い週末の夕方なら明らかに鍋用の食材を買っている方が多いです。お弁当を作っている方は冷凍食品を大量買い。男性の一人暮らしの方で、自炊をされる方とそうでない方は明らかに買い方が違います。週末のまとめ買いか、毎日会社帰りに買うのかによっても違ってくると思います。このように定点観測ってすごく勉強になります。最近増えたのはコンビニの珈琲。一方で缶コーヒーを買う男性は減ったかもしれません。

パン屋さんも今日のランチで食べる調理パンとストックするバゲットや食パンは買い方が違います。このように同じ店で同じ時間帯で見ることが大切です。今日は無くなっているな、棚が増えたな、他社の価格が変わったなどは気がついたら報告させて頂きます。地方のクライアントだと都心のスーパーの動向が細かい状況がわからないこともあるからです。

コロナ禍で増えたのがアウトドアのピクニックパーティ。長年代々木公園で定点観測しているお弁当事情最近増えたのは圧倒的にパンランチ。卵焼き・ウイナー・唐揚げ・おにぎりという定番家族弁当から、テイクアウトの高級ハンバーガー、人気パン屋さんのパンとか、ピザに変わりました。カレーのお供がご飯からナンになったように日本人は小麦が好きになったようです。

そしてもう一つ絶対的にマーケティング先としているのが街のクリニックです。今週はインフルエンザの予防接種の方が圧倒的に多いです。一部の小児科ではワクチンが切れたそうで大人のクリニックに子どもの患者様が流れています。待合室にいるだけで、寒いから風邪をひいている人が増えたとか、子どもの学校でりんご病が流行っているとか・・。座っているだけ、看護師さんとの会話でいろんなことがわかります。

乾燥してくると耳鼻科の喉の患者が増えます。自粛中は、リモートワークでイヤフォンのゴムが合わずが外耳炎も増えました。整形外科では運動不足で膝が痛いを訴える人もお多くなります。マスクのゴムのかぶれから耳の後ろが切れている人が続出。私もそうです。通院というのは面白いほどにマーケティングになります。

そしてもう一つは天気予報です。寒くなって10℃を切るとコートを買いたくなります。またブーツも履きだします。ブーツを履くと足の制汗剤が売れたりします。このように気象とマーケティングは密接に関わっています。

例えば急に雨が降ってきたからビニール傘を買う。喉が渇いたから水を買う。それが買いやすい場所で買いやすい価格でわかりやすく当たり前に置いてあって買おうという気持ちになって行動が自然と起きるようにするためにコンテンツと流通を整えることが大切です。

どんな部署の人もどんな立場の人もマーケティング目線で、街を歩けば日々の仕事が大きく変わると思います。価格と温度と消費行動を少しだけ注意して生活してみてください。読んで頂きありがとうございました。皆さんがいいマーケッターになって日々の仕事が楽しくなるように祈っています。


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