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代々木公園は静かにするのが思いやり

代々木公園の自然観察と散歩と写真撮影をして約25年。戦後復興と平和の象徴であり、非常に貴重な自然の宝庫。代々木公園ウォッチャーとして今こそ代々木公園の素晴らしさを伝えたいです。

今見ている桜は先達が食べるのにも困っていた戦後に植えてくれたものが多くありがたいんです。私が住む渋谷区は3分の1が公園です。この自然は先達たちの思いと善意できた植物や虫や鳥が棲め奇跡みたいな場所なんです。

1代々木公園はワシントンハイツだった

代々木公園に来たことある方は分かると思いますが真っ直ぐな道はほとんどありません。代々木公園は以前、戦後すぐに米軍幹部が日本に駐在するためにできた、高級幹部たちの巨大な社宅、ワシントンハイツだったからです。緩やかな丘陵の土地を活かし一軒家の平屋のアメリカンコテージがたくさん建っていたそう。その名残が一棟だけ原宿側に残っています。

舗装されてない道を歩いていくとワシントンハイツの名残を感じます。そのワシントンハイツは、昭和のオリンピック開催が決まり福生に移転しました。ワシントンハイツのことは作家の山本一力さんが「ワシントンハイツの思い出」という本に書いています。彼は四国から上京して富ヶ谷の産経新聞に住み込み、新聞配達としてワシントンハイツに出入りしていたようです。

さらにこの辺りにパン屋が多いのも家具付きマンションが多いのも、海外の方が多いのもワシントンハイツ跡地だからです。先のオリンピックの準備のため返還後、代々木公園、選手村、代々木体育館にと、オリンピック開催に向けて整備されていきました。代々木公園は戦後復興の象徴です。

2代々木公園と明治神宮の自然は奇跡的

代々木公園と地続きの明治神宮の杜は、百年の杜と言われていて人工的に植えた植物が百年をかけて、自生したような永遠の杜になるのかという壮大なテーマに取り組んでいます。植えたあとは一切農薬や剪定など手を加えないで自然に任せています。

明治神宮も代々木公園も広葉樹、常緑樹、針葉樹、高木、低木のバランスが最高なんです。観察しながら歩くとわかりますが、下の樹木まで光が届くように設計されています。

さらに鳥や虫、魚までも暮らしやすい環境になっています。葉が紅葉して落葉すると土地が肥沃になり、銀杏に柿にどんぐりにさくらんぼ。実がなれば鳥が食べ、かつ花が咲けばわたし達が楽しむことができます。冬に葉が落ちて地面は暖かく夏は日陰を作ってくれます。湧水の池には魚が棲んで水鳥がそれを食べにやってきます。

なかでも鳥は自然の象徴。カワセミやオオタカの存在は豊かな自然の証。なかなか見られない貴重な鳥です。都心にいるのは奇跡。オオタカはうちの玄関にも遊びに来ます。散歩中にオオタカの鳩のハンティングを目の前で見たこともあります。

世界一の観察スポットと言われた渡り鳥のオシドリは、池の周りの木の伐採により近年激減。毎年、飛来数を数えていたから残念でなりません。池が凍るとスケートしてオシドリがつがいで遊んでいました。木を切ると鳥や虫が敏感に反応します。

「桜切るバカ梅切らぬバカ」。このことわざにもあるように、広葉樹は、枝を切ると枯れてしまうものも多く、枝を切られるとそこに集まる鳥や虫にとったら死活問題なんです。鳥や虫、魚。植物。彼らの住む代々木公園に私はお邪魔をしているだけなんです。

3子どもが遊ぶサイクリングロード

子どもには代々木公園のサイクリングをお勧めます。行ったことないけれどカナダや軽井沢にいる気分になるほど。高原の爽やかな風を感じられます。大人も200円1時間のレンタルサイクリングをやってみてください。

お互いに節度を持ち、かつこの素晴らしさを後世に繋ぐのが私たちの役割なんだと思います。先のオリンピックで作られた公園です。但し今は家族だけで楽しむ場所であってほしいと思います。

あまり騒がずにひっそりと散歩してください。木の名前、花の名前、虫の名前、鳥の名前、魚の名前、星の名前、雲の名前は一度知ると一生忘れませんから。いつの時代でもみんなの公園だから、集まって騒がないことは自然への思いやりですよね。

代々木公園から明治神宮、新宿御苑までは1日で散歩できます。鳥や木を見ながら落ち着いたらお出かけください。お弁当を作り朝ご飯を食べたり、絵を描いたり、写真を撮ったり、俳句を作るのも楽しいです。さらに代々木八幡をお詣りするとパワースポット感も満載です。

代々木公園は静かに楽しむ場所でありますように。読んで頂きありがとうございました。よかったらシェアしてくださいね。

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