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今こそ雇用の責任を果たすことの意義を考える

私の尊敬する女性経営者の一人。現パーソルグルーブ。以前のテンプスタッフ創業者の篠原さんは、40代で独立されるときに「自分の会社に2年仕事がこなくても社員に毎月給料を払える分の貯金をもって独立した」と言っていました。激しく同感しました。独立して人を雇用するにはその位の覚悟が必要だなと思います。

会社経営というのはいつも「現金」が必要です。都内のオフィスの引越しは、社員の数×200万程度は必要と言われています。20人のスタッフだと4000万も「現金」が必要。この場合「現金」でなくてはなりません。個人の時と法人では〇の単位が一つ以上多いのです。飲食店さんの場合は内装や厨房の設備などでもっと高いかもしれませんね。

法人の賃貸物件は保証金というのが10カ月程度かかります。家賃100万のところに移転すると、手数料などを入れて不動産関連でも軽く1300万くらい。内装なんてすぐに1000万。電気工事もすぐにそのくらいかかることもあります。名刺や封筒の印刷など細かいことを含めたからとんでもないお金がかかるのです。

そして現金で絶対遅れてはいけないのが給料の他に保険料や税金。前の月の社員の給与から割り出して翌月の10日までに何があっても振り込まなければいけないのです。このように会社経営というのは「現金」がとても必要です。いつもそれを把握していないといけませんよね。

今日から全国的に緊急事態宣言は解除になりました。働き方を変えて「独立」するというのは賛成ですが、一方で「雇用」に関しては責任があるので仕事の量と手持ちの現金との相談してよく考えたほうがいいと思います。借りたお金は返済が必要。投資された資金もいずれ還元しなければなりません。人生をかけて集まってくれた一緒に仕事をする仲間の雇用が守ることができるのかを考えることが大切です・

独立のタイミングは「自己資金」と「ニーズ」があるのかを判断して、それが確信になってからでも遅くないと思います。ニーズというのは自分ができることや好きなことではなくて「世の中が必要としている」という冷静な視点。そして今のニーズは「一過性でないか?」という判断も必要です。特に新しいデバイスがすぐに開発されてしまう業界では変化に対応できないと永続的なニーズにつながらないのです。新しいものはもっと新しいものに淘汰されます。少なくても3年~5年の中期計画が明快である必要があると思います。

独立では、「仲間社長とお友達経営」も危険だと思います。社長同士が仲間でも本業同士はつながれないこともあります。何かあったときに頼れるのは自分の会社のスタッフです。守るべきはスタッフとの信頼です。提携は悪くないですが、外の会社とのなあなあ経営は雇用されているスタッフからみるととても不安だろうと思います

今こそ、未来の若い経営者を応援したいと思っています。会社というは設立しても3年以内にかなり数が消えてしまうというデータもあります。まずは長く続けることを目標に独立して、少しづ無理せず仲間を増やしてください。

経営は短距離走ではなくて、長距離走。息切れしないで走り続けて距離を伸ばしてください。そして一緒に走る仲間を増やして技術を磨いてくださいね。

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