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コロナ禍の飲食店。再開で差がついたものはファン力

レストランやカフェは、単にコーヒーを飲んだり、お腹いっぱいにしに行くだけでなく「店のスタッフと会話をしたい」「その味を食べると安心する」という自分たちもそこに助けて頂いていたことが今回のコロナ禍で実感できました。今月本格再開後の外食を見ていると、強いファンのいる店はより強くなっていると感じています。

一方でグルメタレントが良く来るある店は地元の人にとても評判が良くありませんでした。タレントやマスコミが来ると店主が出てきて愛想がいいし、料理もすぐに出てきます。一方一般の常連さんにはニコリともしません。その店はマスコミにはかなり登場するし、スマホ片手の観光客はかなり来ますが、地元の客はそこに近寄りません。コロナ明けでも店はガラガラです。

この店のオーナーは外食の寵児としてよく雑誌でお見掛けしますが、私が知る限りではかなりのクセ者です。例えば、「1200円と800円の揚げ物の違いはなんですか?」と聞いたら「値段」と答える雑っぷり。しかも「うーーん儲かるから高いほうを頼んでくれると嬉しいけど」とてんでもないことを言い出す始末。

商店街の人も、アルバイトや従業員に対するとんでもない高圧的な態度を見ているので近づきません。奇抜な料理と不快なサービス。マスコミがどんなに持ち上げても、地元の人はピクリとも動きません。リピートもしませんしがそれをネットにも書きません。

マーケティング視点で考えると、口コミには2種類あり、ネット上で力のある人と長年愛用している人。重視されるべき口コミは長年愛用しているユーザーの方だと思います。有名人だとpvも多いので一見効率がいいと思えますが、大概は一時的なものになりがちです。愛用者の潜在化しているインサイトを顕在化させるさせるのが私たちの仕事だなあと思います。

マスコミによく登場するが地元にファンのいないガラガラのレストランと、自粛中もテイクアウトのランチが売り切れてしまうお店を目の前で見ながらシミジミししてしまいました。企業が長く愛されるためには目の前のユーザーに一人一人向き合うことだと今回のコロナ禍で教えてもらった気がしています。


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