50代から考える老後資金(10)生活費(2)

私が読んだ全ての本や記事で共通している専門家の意見は「早いタイミングで生活費を最小化させる」というものだ。これには激しく合意である。とある記事によると65歳以降の生活費は現役時代の70%位らしいが根拠がいまひとつ不明だし、その現役時代の支出額は人それぞれなのであまり参考にはならない。比率で語るのではなく実コストで見積もるのが良いだろう。私は「自分が苦痛に思わない最低限の生活」をコンセプトに考えてみた。

実は生活費はそうそう切り詰められるものではない。テレワークが増えると言っても実際にはそれが出来る業種、職種、企業は限られている。現実的には住む場所は仕事がある場所となり、圧倒的に仕事が集中している東京に住む事が前提となってしまう。ただ、自分が苦痛に思うのは「汚い」「うるさい」部屋に住む事位で、独り身で殆ど断捨離済みの身軽な私にとって広さはワンルーム(20m2程度)で十分だ。このシリーズの(5)でも述べたが、仮に東京でアパートを借りて生活した場合、生活費(家賃+光熱費+食費)は月20万円程度(今日現在の物価)に抑えられると思っている。20万円x12ヶ月=年収240万円がBreak Evenポイントとなるが、これ以下の収入しか得る事が出来ない場合は何等かの形で生活費を切り詰めなければならない。

専門家が提案する生活費削減案には次の様なものがある。(⑦、⑧は注意喚起付き)
① 首都圏に住んでいる場合は車は持たない
② 保険の見直し
③ 住宅ローンの繰り上げ返済
④ その他借金がある場合は借金の完済
⑤ 断捨離
⑥ 使用頻度の低い娯楽費(主にサブスクリプション)の解約
⑦ 物価(特に家賃)が安く、奨励金などが出る地方への移住
⑧ 物価が安い海外への移住(タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアなど)

また、老後破綻に致る危険な生活パターンとして次の様なものが挙げられている。
⑨ 浪費破綻:「ちょっとタクシー」「たまには贅沢」の積み重ね
⑩ ライフイベント破綻:子供の結婚資金に300万、孫に小遣い3万円、等
⑪ 病気・介護破綻:予期せぬ医療費や親の介護費での高額出費
⑫ パラサイト破綻:子供や孫への過剰な資金援助。子供がニート、等
⑬ トラブル破綻:オレオレ詐欺、悪徳金融商品などの罠
⑭ 熟年離婚破綻:別居によるコスト増。離婚費用、財産分与など
⑮ 低所得破綻:そもそも収入が少ない→生活保護のみでの生活

私の場合はほぼ解決・回避出来ているものが多く、検討・改善・注意の余地があるものは下記4つ位だろう。
⑦ 物価(特に家賃)が安く、奨励金などが出る地方への移住
⑪ 病気・介護破綻:予期せぬ医療費や親の介護費での高額出費
⑬ トラブル破綻:オレオレ詐欺、悪徳金融商品などの罠
⑮ 低所得破綻:そもそも収入が少ない→生活保護のみでの生活

特に⑦は目下悩み中だ。コスト削減対策というよりはwithコロナの社会を見据えた時に果たして東京で生活する事にどの程度費用対効果のメリットがあるのか少し疑問だし、そもそも田舎暮らしには昔から興味があったので人生のどこかで一度経験してみたいと思っている。また、歳をとると賃貸住宅が借りにくくなるので(高齢化社会にそぐわないこの習慣が改善される事を祈る)いずれは家を買わなければならなくなる。そうなると東京に買うというオプションより地方に買うというオプションの方が当然敷居は低くなる。

⑬は今はあり得ないが70歳を超えて仮にボケが入ってきたりした場合は要注意だ。身内のいない私はその前に対策を考える必要がある。

⑮も同様に今のところこの状況に陥る事はないと思っているが、この後仕事が一切見つからないという状態が続く可能性はゼロではない。又、歳をとっているだけで正社員枠が無くなり、派遣枠がなくなり、バイト枠さえなくなっていくのが今の日本社会。現在仕込み中の独立・フリーランス型の仕事にうまく移行出来なかった場合のリスクとして注意は必要だ。

⑪については情報収集済みである程度の対策は考えているのでいずれ別途まとめるとしよう。

以上、いずれにしてもコスト削減という後ろ向きな対策より収入UPという前向きな対策に集中すべきだ。だた、生きる為に必要な最低コストを理解しておく事と不必要な出費を防ぐ対策を常に意識している事が大事だと思う。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?