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祝!大関昇進! 大の里の強さと、これからの不安要素?

秋場所の幕内最高優勝は、二所ノ関部屋の関脇大の里!
入門から僅か1年半で、まだ大銀杏も結えない若手力士が13勝2敗で2度目の賜杯を手にした。

巷では久々の日本人の大型有望力士の登場に歓喜の声が上がり、入門からの所要場所数で史上最速の大関昇進を飾る大器に、ものすごい期待が寄せられている。

いとも簡単に相手に勝ち、トントン拍子に番付を駆け上がってゆくように見せるその姿に、古くからの相撲ファンならずとも大きな夢と希望を見ている事はひしひしと伝わって来る。

今回は先ず、その大の里の強さの秘密と将来性に加え、今ある弱点を分析して彼に勝つにはどうすれば良いのか?も検証してみたい。


・懐の深さと類まれなる○○○○

相撲界で良く使う言葉に『懐が深い』というものがある。
これは所謂、背の高さ+リーチの長さ+柔軟性から来る、力士としてはとても恵まれた資質である。
古くは人間起重機と呼ばれた明武谷(古過ぎたか?)、最近では若くしてこの世を去った惜しむべき人材、元大関貴ノ浪がいた。
筆者の後輩力士で、幕内まで出世して後にプロレスラーになった千葉県出身の太刀光電右衛門も、柔軟性はなかったが195センチの長身と長い腕からなる『波離間投げ』を得意技としていた、懐の深さを持つ個性的な力士であった。

前置きは長くなったが、大の里はその懐の深さを持ちながらもそれに甘んじる事なく前に前にと攻めて行く、今までの【懐深力士】(勝手に命名w)には見られなかった非常に素晴らしい特性を併せ持っている!
相撲の資本中の基本は『押せば押せ!引かば押せ!』である。
つまりは前に出ろ!という教えであり、これを新弟子の頃から嫌と言うほど叩き込まれて育つ。

それに対して『懐が深い』は、その力士の持つ特別な素養であり、稽古で作って行く物とは明らかに違うものであるからして、この『懐が深いくせに前に出る攻撃的な相撲を取る』というのは本当に手に負えない!特に体の小さな力士(身長の低い力士)にとっては本当に嫌なものであると言える。

そして更に!
この大の里はスピードがある!
あるというよりあり過ぎる(笑)
受け身で構えたとしても、体幹の強さと懐の深さで相手を圧倒出来るフィジカルを持つ190センチ超えの大男が、立ち会いから相手の陣地に「だいだらぼっち」の如く踏み込んで、あっという間に相手を追い詰めていくのだから始末に負えないのである!!

それでも先場所までは、右脇を固めて右差し or かち上げに行く立ち会いが主であったのに対し、今場所では両手突きで相手を突き放して押して行く立ち会いも加えて来たので、相手からしたら更に手強い存在となっていた。

少しまとめてみると、彼の持つストロングポイントは…

① 恵まれた体躯!
② 類まれなるスピード!
③ 前に出る力!

これらに加え、あの長身で両手突きからの突っ張りも繰り出せるという器用さも持ち合わせている。

と、
ここまで書いてきて、ふと思う。
今ある弱点?今後の問題点? 

あるんか!?(笑)⇐笑ってる場合ではない。。。


・唯一の欠点? 腰高

大の里は、さすがの現代っ子だからなのか足が長い!
私らの頃は、足が太くて短いのが相撲界で言う所の「サラブレッドの脚」と呼ばれていた(笑)⇐実話
その足の長さが『腰高』と呼ばれる大きな理由なのである。

考えてみて欲しいのは相撲の四股にしても仕切りにしても、ふくらはぎから太ももにかけての内角はほぼ90度で、その空間は正方形に近い長方形になる。
その角度で動くのだから、私に言わせれば『世界で一番重心の低い格闘技』だと自負している!

そこで足の長い力士を見てみると、まず膝から下が既に長い!
踵から膝までが長いと、その『長さ』イコール『高さ』になるのである!だから、生まれ持った体の構造からしても腰高になるのは致し方ない部分だと思う。
つまり直せないのであるからして、この弱点はこれからも彼に付きまとうものでもある。

しかし、
彼にはこの弱点を補うだけのスピードと前に出る圧力がある。
そして、それに加えて私が注目している最大の武器があるのだ!

それが、、、

身体の寄せ方の上手さ。

である!

軽く顎を引き前傾姿勢を保った状態、つまり差したり巻き変えたりが出来るだけの空間を残した姿勢で、猛然と前に出ながら差したり上手を探ったり、ある時はおっつけたり、突いたり、押したりと色んな技を繰り出していくのだ。
その際も、相手から離れすぎない距離感を保ちつつ攻めていくので、相手はいなしたり引いたりする空間がないためにどんどん追い詰められて土俵を割る事になる。

これに抗うためには、まず立ち会いで当たり勝ちして彼を下がらせる事が一番大事なのだが、彼の立ち会いからのスピードと圧力は他の力士を圧倒しているので、それすら容易ではないのである。
そうなると、もう彼による詰め将棋ならぬ『詰み相撲』となって、今場所のように大の里の圧勝劇を連日見る事になるという訳だ!

弱点や問題点をピックアップしようと試みたが、今のところではこれといったアキレス腱はない!
(結局、ないんかい!w)

少なくとも、相撲に関しては。

しかし、私が危惧するこれからの課題と不安要素は存在するので、次回に書いてみたいと思う。

本当は今回書くつもりであったが、ついつい熱が入り過ぎてなんと2000字を軽く超える長編となったので、今回はこのくらいで勘弁しといたるわ!(勘弁してくださいw)   はぁ疲れた。。。


     To Be Continued







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