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公務員、中田忍の悪徳 (2) (ガガガ文庫 ) 著 立川浦々

【たとえ、世界を敵に回しても、この子を精一杯守りたい】



異世界エルフとの衝撃の邂逅からその先へ。



区役所福祉生活課支援第一係長中田忍は、ある一つの悪徳を犯している。

穏和な生態と柔和な笑顔がかわいい、言葉の通じぬ異世界エルフ“アリエル”を秘密裏に保護し、生かし続けていることだ。









「オカエリナサイ、シノブ!」



アリエルと過ごす、慎ましくも穏やかな日々は、むしろ忍の罪悪感を苛み。



「変わらないでください。忍センパイ」



「僕は忍に、変わって欲しいと思う」





支えてくれる理解者たちは、それぞれの思惑から、忍の信義を惑わせる。



折しも季節は冬、十二月。



クリスマスの足音が、アクアリウムの外側へ響き始めている。



そんなある日、区役所福祉生活課支援第一係を訪れた、謎の幼女。



「はじめまして、ぱぱ!!」



元気いっぱいに抱き付いてきた見知らぬ幼女を、忍は迷わず警察へ突き出すが――





衝撃の邂逅からその先へ、コメディ? シリアス? よもや……ラブ? 分類不能の話題作、待望の第二

異世界エルフとの邂逅を経て、謎の幼女が忍の元へ来訪する物語。



世界にとって悪徳である異世界エルフを秘密裏に保護して育てる覚悟した忍。
区役所に務め、国の犬のように働く彼は当然その役職上。
万が一外部に漏れでもしたら、厳しいバッシングを受けるだろう。
しかし、アリエルとの穏やかな日々に罪悪感を覚え、支えてくれる理解者から変化を望まれたとしても。
この子との日常はどうしても守りたい。全てはこの子と共に生きれる世界を模索する為。

周りの人間も様々な考えで忍達を見守る。

安っぽい偽善に走らず正解を目指す忍を信頼する由奈。
真面目で自分に厳しい忍を心配する義光。
変わろうとして失敗した立場から忍にアドバイスする徹平。
そういう意見に振り回されても、最終的に自分の信じた道を貫く忍。

あくまでも理知的に合理的に定められた法の元でこの異世界エルフをどうにか保護できないのか、彼女の人権を守る為に奔走する。


全てを犠牲する忍に展望はあるのだろうか?





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