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七つの魔剣が支配するV (電撃文庫) 著 宇野朴人

【数多の命を火にくべて、罪で汚れた身で復讐した果てに】


運命の魔剣を巡る魔法バトルファンタジー、待望の第5弾!



勉強と鍛錬を重ねて己を高めつつ、時には後輩たちを相手に頼れる先達としての一面も見せ始めるナナオたち。魔法生物学でグリフォンと格闘するカティに、魔道工学にのめり込むピート。ガイは迷宮で『生還者(サバイバー)』から教えを受けていた。

一方で、次の仇討ちの標的をエンリコに定めたオリバーは同志たちと共に戦いの段取りを詰めていく。しかし、迷宮に消えたピートとエンリコを追いかけ、エンリコの研究所にたどり着いたオリバーとナナオは、そこでエンリコの魔道工学の脅威と、『魔法使い』と『異端(グノーシス)』の対立の一端を垣間見ることになり──。

宿敵の一人に必殺を期すオリバーたち。彼らが戦場に選んだ場所とは――。

新たな魔法生物学と異端に対する知識を吸収するオリバー達は、次なる仇討ちのエンリコとの死闘に身を投じる物語。



異界とは何か、異端が産まれるプロセスを学び、この世界の成り立ちを知るオリバー達。
異端との闘いで、数々の魔法使いは命を散らした。その無数の命を糧にしてエンリコが産み出した生体ゴーレム。
そんなエンリコの哀しき過去を知ろうが、この復讐の炎は途切れる事は無い。
母の魂を使いようやく仇敵を打ち取った少年は、全てを欺き宿願を果たす中で。

最期まで教師としての自分の立ち位置を変える事の無かったエンリコ。
幼少期に数多の命をゴーレムの動力源とした事で、悲劇は形成された。
しかし、いくら事情があれど、それが情状酌量の余地と足り得る事は無い。
大切な母の命を奪った宿敵である事は変わりは無い。
オリバーは、自らの限界を超えて、母を憑依させる事でからくも勝利した。
その勝利で得た黒い喜びを上回るような圧倒的虚しさを抱えて。
自分がこれから歩む復讐の道は途方もない道のりだと知る。
根本にはこの魔法世界の、業の深さややりきれなさが存在して、魔道を極めるという事は如何に罪深いのかと、その身に心胆を寒からしむるような怖気が走る。
それでも、一度走りだしたなら、もう止まる事は叶わない。


オリバーは、次なる暗闘に身を捧ぐのだ。



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