チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日 (電撃文庫) 著 新八角
【異形に侵略された海域で、自らも怪物となり喪失を救え】
異形に海域を支配された世界で気仙沼の少年達が命運を司る物語。
突如として、海域から現れた強固な鎧と俊敏さを併せ持つ異形、レヴィヤタン。
海域を為す術もなく奪われた人類が下した選択は、少年達を怪物にして戦わせる事。
戦う理由さえも分からぬまま年端のいかぬ少年達が戦禍に散っていく。
アシトとエリン、ユアは大人の汚い戦略に憤りながらも人類を守る為に、大きな使命を抱いて戦う。
大切な仲間を次々失う喪失を味わう中にも。
大人と子供である自分達の対比。抗う事が叶わぬ世界の脅威。青春の煌めきの境界線にある戦場。
東日本大震災をモチーフにした作品だけあって、超自然の驚異はまざまざと描写され、強敵に畏敬の念さえ覚える。
だが、どれだけ越えるべき障壁が高かろうと、迫り来る絶望が深かろうと、やり遂げると誓った。
それは先に散っていた大切な戦友達との約束。
幾つもの墓標を背負いながらも、アシト達は世界を救う為に足掻く。
汚い大人達の為では無い。
これは未来ある自分達の為に。
交わした約束を守る為、覚醒したアシトは世界を救うのだ。
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