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認知症を知ることができる「本」

今週土曜日、5月25日に開催される西東京市民映画祭。
私事ですが、この自主制作映画コンペティションに脚本・監督をした短編映画「おぼえてる 」が久しぶりに上映されます。

短編映画「おぼえてる 」は認知症を取り扱った内容です。制作するにあたり様々な媒体を通して情報を取集し、覚悟を持って取り組みました。

「2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症当事者になる」とも言われています。私自身や家族にも起こりうることです。

今回は映画を制作するにあたり、私が認知症や介護について知ることができた「本」(主に2年前に収集)を紹介したいと思います。少しでも理解することで、より優しい社会になると信じています。


● 認知症世界の歩き方
著者:筧裕介、他

一番最初に読んだ本です。認知症当事者の方の実際に見えている世界が、イラストなどで表現されていて理解しやすいです。
「こんな感覚で見えているのか…」と驚くことばかりでした。当事者目線の映像にしようと思うきっかけにもなった本です。


● 認知症の私から見える社会
著者:丹野智文

当事者の声が知りたい、そう考えて手に取った本です。認知症に対する偏見が私にもあったと考えさせられました。偏見によって当事者の行動を奪ってしまっているんだと。
一緒に考えて、笑って過ごせる社会へ…そう強く想うようになりました。


● 母が若年性アルツハイマーになりました。〜まんがで読む家族のこころと介護の記録〜
著者:Nicco

著者の母親が若年性アルツハイマーを発症してから、生涯を終えるまでの約18年に及ぶ物語。今回、一番参考にした本です。
母親の変化していく姿、家族としての心理状態の変化、介護についてが漫画を交えてとても詳しくわかります。
「小規模多機能型居宅介護事業所」の存在を知れたことは、とても有用な情報でした。


● 認知症の人の心の中はどうなっているのか?
著者:佐藤眞一

「認知症になって記憶が失われても、心が失われるわけではない」今回の短編のテーマを、この本でより深く考えることができました。
「心」とはどのようなものなのか…様々なエピソードや研究結果が具体的に示されています。


● 笑える革命 〜笑えない「社会課題」の見え方が、ぐるりと変わるプロジェクト全解説〜
著者:小国士郎

社会課題に対する魅力的な取り組みを紹介する中で、認知症当事者がホールスタッフを担当する「注文をまちがえる料理店」を知りました。
まちがえちゃってもいい…という考え方、参加した方々の笑顔がとても素敵です。この本で介護福祉士の和田行男さんを知りました。


● プロフェッショナル仕事の流儀 介護福祉士 和田行男の仕事

上記の本で知った「和田行男」さんをより知りたくて、映像になりますが観ました。
自分のことは自分ですることをルールにするグループホームで「夜の時間帯以外は鍵をかけない」ということを覚悟を持って実行する、和田さんとスタッフの姿。
当事者が意思を行動に移すこと…このことを表現する覚悟ができました。


● 私の記憶が確かなうちに
著者:クリスティーン・ブライデン

短編「おぼえてる 」の脚本を書き進める中で、主役の母親に近い当事者の気持ちを知りたいと手に取りました。
著者が46歳でアルツハイマー病と診断され、この本を書いている時は65歳。当事者としての想い、社会への提言など明確に示しています。
世界中、想いは同じだとわかりました。


この他にも様々な方々のエピソードをWEBの記事で拝見しました。
渡辺えりさん、松島トモ子さん、つちやかおりさんの認知症当事者である母親とのエピソードを通じて、とても大切な事実を見出しました。

「どんな状況になっても、大切な思い出は心の中でおぼえている」

今回、改めてまとめてみて、短編映画で表現しなければならないと強く決意したことを再確認することができました。

少しでも興味を持ち、
認知症について知るきっかけになりましたら幸いです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。




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