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ジャパンレッド満喫 Sun!

よっぴの窯の火入れ、翌日。
昨日それなりに回ったが、まだ観たいところは残っている。
昼過ぎにのそのそと起き出して、慌ただしく観光に向かう。ありがたいことに、打って変わっての快晴。


まず向かったのは、1800年頃の豪商が建てたというお屋敷・広兼邸
歩いて4,5kmで行けなくもないが、忘れてはいけないのはここが山中ということである。アップダウンが激しく、気候の良い今でもあまりオススメはされない。


町中はグリーンスローモビリティ(グリスロ)と呼ばれる小型の車が時速20km未満でのんびり走っており、主要なスポットまで無料で行くことが出来る。分類としてはゴルフカートになるらしい。
本当は毎週日曜日に走っているというレトロなボンネットバスに乗ってみたかったのだがこの日は運休。残念。

乗り場へ向かう途中でなんかいい感じのお店を見かけるのでのぞいてみる。

「黄色いハンカチが出ていれば焼きいもができています」

山田洋次ですか?


ホクホク、ねっちり濃厚な焼きいもで虫押えには十分。
それから観光バス、グリスロに乗ること20分弱。


 / ジャン! \

山中にいきなり山城が現れてビビる。
これ、マジで一介の庄屋の家なのか?
それにしても集落から離れている。当時も不便であったに違いないと言うと、運転していた人が教えてくれたことには「そんな遠いところにこれだけの凄いお屋敷を、というのが財力の象徴だったそうです」
なるほどな〜〜〜。

入口まで登る


不寝番部屋
水琴窟もある庭

当時のまま残された情景は非常に貴重なもので、映画『八つ墓村』(1977年)や『燃えよ剣』(2021年)などのロケ地にもなったらしい。
吹屋中心地もドラマ『火垂るの墓』(2005年)になったというから、町全体が太秦映画村みたいな感じである。

そやったんかい!?


広兼邸を出てから再び吹屋集落に戻る途中で笹畝坑道に立ち寄る。


入口
安全対策にヘルメットを被る

中は一年を通して15℃前後に保たれているらしい。
思った以上にに奥まで続いており驚く。坑道はいくつもあるらしいが、中には山を貫通しているものもあるのだとか。執念を感じる。

所によっては155センチでも屈む必要がある。狭い。

そこを抜けると……

/ ぱっ☆ \


どこでもこの手のマネキンは設置されてるんだな……
最深部はお酒の貯蔵庫になっていた


集落に戻り、お土産屋さんを冷やかしたりお茶をしばいたり……

窯の火入れでお世話になった田辺先生の作品とのこと
野性味があってとてもカッコいい

良い時間になったので昨日の疲れから復活したRさんと合流し、ありがたいことに近所の人からお裾分けされた栗があるので栗ご飯他、色々作って夕食にしようということになった。

当然、自分もお手伝い、しようとはしたんですヨォ……。

料理するRさんと、お手伝い第一歩で負傷して戦力外になる自分


渋皮が硬くってェ、指が滑ってェ……(泣


Rさん特製栗ご飯と具沢山焼きうどん
地酒(濁)とお漬物

ごちそうさまでした! ゴメンナサイ!!


夜の吹屋 本当はもっと暗い
暗くて寒くて淋しくて、それが良い

その夜はもうヤモリくんは姿を見せてくれなかった。
騒がしくしてごめんやで。



翌朝ーー!!

どっかで鶏が鳴いていた。さすがである。
この日も良い天気!
またえっちらおっちらバスと鈍行で帰るので、比較的早い時間からバス停へ向かう。
観光客はいないが、町の人はもうちゃんと活動時間で、すれ違う時に交わす挨拶が清々しい。

花と猫背


バスが来るまでまだ少し時間があったので、すぐ隣にあった神社に最後のご挨拶に向かう。

高草八幡神社


お世話になりました、帰り道もよろしくお願いいたします。
そんな軽い気持ちでのぞいてみたのだが。

二ノ鳥居(になるのかな?)


結構、登る……ね?

本殿
手水舎


朝っぱらからいい汗かいたぜ……。

二礼二拍手一礼でご挨拶のあと、折よく到着したバスに乗り込む。のんびり出発を待っていると、わざわざお見送りに来てくれたRさんと感動の(笑)別れを惜しみ、二泊三日突発吹屋旅行は幕を閉じるのであった。

Rさんのお人柄のおかげで、普通の観光ではなかなかできない体験をさせてもらった。どこから来たのかという観光客と現地民のお決まりの会話でも、Rさんの名前を出せば皆たちまち表情が柔らかく親しみのあるものになる。ひとえに彼女の人徳であることは間違いない。
自分にとっては多くある旅先の一つに過ぎない吹屋も、特別になる。

感謝、感謝。


帰路、備中川面駅
見事な無人駅


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