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表参道の老舗イタリアンレストランで10年間料理長勤めたシェフが教える料理の極意


目次

1. ・自己紹介
2. ・何はともあれ塩分濃度0.9%
3. ・「風味」こそ全て
4. ・「うま味」を掛け合わせろ
5. ・食材ごとに下味を
6. ・サイズは揃える
7. ・食感によるアクセントを



初めましてえびまよです。

1.まずは簡単なプロフィールから、

茨城県で偏差値の1番高い私立高校から、
有名大学進学を辞めて音楽大学へ進学し、
バンドマンからストリートミュージシャンを経て、
気付いたら表参道の老舗イタリアンレストランの料理長兼店長を任されていたのが自分です。


そんな奇想天外な人生ですが、
小さい頃から僕は「普通」が嫌いで、
直感に従って生きてきた結果、良くも悪くも学ぶ事は多く経験値は増えました。
そんな経験から少しでも人の為になる知識や情報を発信していけたらと思っております。


話は逸れましたが、

『料理』

これは小さい頃から身近なものでありました。

父親がたまにする料理姿を見ては、男が料理出来るのってカッコいいなと憧れたものです。


そしてモノづくりの精神、
これは「作曲」であろうが、「料理」であろうが、
通ずる事は多く、それらは似通っています。


高校生の時に初めて田舎のショッピングモールのイタリアンレストランでアルバイトを始め、

休憩時に賄いが出るシステムだったのですが、「忙しいから自分で作れ!」と怖い料理長に言われ、「じゃあ教えてください!」と懇願し、自分でパスタを作るようになりました。

作ってみるとこれが意外と簡単で、そして早く出来て美味しい。

一瞬でパスタの虜になりました。


大学生になり上京、
一人暮らしをする様になってからも、節約の為に自炊をし、パスタって凄いんです。
無駄という名のロスが出ないし、作り始めてから15分くらいで出来るし、米よりも太らないらしいし最高じゃん!と、パスタばかり食べる日々。

そんな経験から気付けば表参道の老舗レストランの料理長にまでなってしまうのですが…その話は長くなるので割愛します。笑



ここではその中で学んだ料理の極意、その理論まで分解してお話して行きたいと思います。
後日にはパスタだけにフォーカスを絞って、パスタ作りの極意なども発信していきますので宜しくお願い致します。


10年間の修行の極意を、出し惜しみなくお伝え致します。


まずは料理の基本から、


2.何はともあれ「塩分濃度」

これを1番最初に覚えてください。
これが基本で、これが全て。
これさえ覚えればどこまでも行けます。

まずは塩の量をマスターする。
でも実は皆さんって、もう塩マスターなんですよ。

みなさんはまだ
「作るプロ」ではなくても、
「食べるプロ」です。

今まで生きてきた中で、美味しいとか不味いとか、様々に感じて来ましたよね?
その中でもう既に実はちょうどいい塩加減って分かってるんです。

それが作る側になると、どれくらい入れたらいいのか分からなくなっちゃってるだけで、
あくまで作りながら「食べるプロ」として1人2役として見極めればいいんです。
自分の味覚を信じてください。
あなたの舌は間違ってません。

ただここでよく言われるセリフ、

『料理って味覚が十人十色。人それぞれ違うから難しいよね。』

いえいえそんなことはありません。
実は食の好みは関係なく、丁度いいと感じる塩分濃度ってほとんど同じなんです。


つまり料理には、誰が食べてもちょうどいいと感じる塩分濃度がある
それが『0.9%』

この0.9%を狙っていく。

なぜなら人間は自身の体の塩分濃度0.85%だから

例えば汁物は0.8%に仕上げれば、自身の塩分濃度より薄いので、飲み干せる薄さだと感じて飲み干せるいうことです。

人間というのは面白い生き物です。

『うま味』、『甘み』、『風味』

これらは適正な塩分濃度になってやっと初めて感じられるようになるのです。

食材からどんなに美味しい出汁が取れたとしても、どんなに旨みを引き出したとしても、
塩分濃度が適正にならないと、その料理の本来の味は感じ取れないという不思議です。


この仕組みを覚えるだけで、料理の上達スピードは雲泥の差が生まれてくるでしょう。
料理は死ぬほどしているのにこれを知らない人も多いと思います。

料理をするうちに感覚で分かってくる方も多いとは思いますが、理論的に分かっているだけでもかなり強いです。

細かい話になりますが、


・おかずなら1.2%

・ご飯がすすむ濃いめのおかずにしたいなら1.5%

・3〜4日保存が効く殺菌のための濃いめの塩分濃度、浅漬けの2%

・2週間は保存が効く、強い殺菌のための塩分濃度、漬物の3%

・下味としての塩加減は、炒めてるうちに落ちてしまう分も考慮して基本は1%と覚える。


こんな感じで、基本の0.9%を知っていると、塩分濃度の差をあえて付けることも出来るようになってきます。


また、塩分量は超えてしまうともう戻れない事も多いので、

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