僕は中2まで「Be動詞」を知らなかった
こんにちは。中2まで「be動詞」がなにか知らなかったEBIです。
略歴
出生~小6 小学校の英語の授業(週1)以外で英語に触れることなく育つ
中1 文法用語を使わない不思議な先生に出会い、英語が得意になる
中2~高3 普通の英語教師の授業を受ける、文法用語を無視し我流で英検2級取得
現在 英検準1級取得
教える立場にいるので、文法用語を必要なだけ学ぶ
指導するときは文法用語をできるだけ省く
学生の間、以下の条件は一つも満たしていません。
留学に行く
留学生と関わる
日本語が不自由な人と英語で喋る
英語を実践で使う機会がある
今日は、この中1の不思議な先生の話をします。
中1で出会った変な先生
私は一般的な公立中学校に通っていたのですが、先生が特殊でした。
その先生は文法用語を全く使うことなく英語を教えるという、変人と言ってもいい先生でした。
「文法用語を使わないでどうやって英語を教えるんだ」とお思いかもしれません。今から、その先生がとっていた手法を紹介します。
工夫されたスライド
例えば、その先生はPowerPointでスライドを作って持ってくるのですが、現在進行系の説明をする時は「I walkとI am walkingはアニメーションかそうじゃないかの違いだよ」という話をしました。
この説明は、まだ厳密な説明をしない中学生向けには適切な説明だと思います。
このように、ある事象を例えやイメージで表す技法は、学習者の理解を大幅に促進します。
他の例で言えば、電気の話をするときに水流で例える方法があります。
それと同じ効果的な教育法で、先生は指導をしたのです。
グループワーク
先生は、スライドで説明をするだけではなく考えさせようとしてきます。
こういったクイズで最終的に習った表現との使い分けをしていく、というようにして授業は進んでいきました。
ちなみに、このクイズにも理解を深めるためのポイントがあります。
翻訳一辺倒ではない
見落としがちですが、英語は英語で、日本語は日本語です。
翻訳ばかりしていると、「英語は日本語に全部キレイに置き換えできるんだ!」というとんでもない勘違いが生まれ、結果として外国語の学習を阻害します。
この状況は最悪です。私たちは言語を通して異言語社会の考え方を体験することができるのに、「これはどうやって日本語に直すんだろう」ということばかりを考えるのはとても悲しいことだと思います。
こうした状況を避けるために、「英文をただす」「英文を比べる」ような状況を作り出し、自分の頭で考える時間をくれます。
ディスカッションで理解を深める
この頃、「あくてぃぶらーにんぐ」なるものが重要視されていたので、わが校も例に漏れず「あくてぃぶらーにんぐ」を重要視し、授業にディスカッションを取り入れるようにお達しがありました。
というわけで、このクイズは個人ではなくグループで取り組みます。これがまた議論を呼び、脳が活性化し、習ったことがしっかり頭に入ります。
あ、ちなみに先生は一問ぐらい癖の強い問題を入れるので、満点を取るグループは滅多にありませんでした(笑)。
やっぱり、文法用語は使わない
重要な文法事項はこのように、図解と用例や比較を用いてしっかり解説しました。ディスカッションで脳も使いました。
そして何よりも、この先生の特殊なところは、重要な文法事項は押さえながらも、文法用語を使わないで教えることに尽きます。
普通の先生であれば、「I doは単純現在形で~する、I am doingは現在進行系って言って、『~している』って訳すんだよ~」「形はBe動詞プラス動詞のing形で表すんだよ~」という説明をすると思います。
この先生は、そのどちらもやらないのです。
「翻訳は一辺倒ではない」という話をしましたが、このように「訳をぱっぱと教えて翻訳演習に持ち込む」という方法をとっていると、I am doingとI doの違いが(翻訳以外で)わからなくなっていきます。
翻訳にばかり目を向けて、「am doing」の真髄を知らないのはもったいないことだと思います。
(もちろん、「している」と「する」の違いについてちゃんと説明する先生もいらっしゃいます)
am, is, areを置いてその右にingの形が来ることは、適切な例文を列挙すればわかることです。
なんなら、「I'm doing」の形しか存在しない、ということなどあるはずがないので、列挙する必要すらないかもしれません。
というわけで、この先生は不思議なことに単純現在形、現在進行形、Be動詞という文法用語を一切登場させることなく、このイメージスライドとこの後にあるクイズで生徒の理解を促したのです。
「Be動詞」を知らない私
「中2までBe動詞を知らなかった」、この話は実話です。
ただ、厳密に言うと「am, is, areの意味と使い分けは知っていたが、『Be動詞』という用語を知らなかった」というのが正しいところです。自分でBe動詞を使った作文は普通に作ることができました。
中2になった時、新しい別の先生は「Be動詞」という言葉を口にしました。
私は「えっ・・・・・・・・・・・なにそれ?」となり、教科書に目をやり…「ああ、amとisとareのことか」となりました。
同時にくだらないな、とも思いました。
be動詞の正体というのは非常に簡単です。なんて言ったってイコールですから。=ですよ、=。
もちろん、細かく分析すれば「イコールではない」状況もあります。しかし、9割9分の表現は「イコールである」で問題なく理解することができます。
「am, is, areは同じ意味でありその左にある単語によって形を変える」と説明すれば事足ります。
それにいちいち「ビードウシ」という奇妙な名前を付け、そしてそれを大前提として他の文法事項も説明することに重大な違和感を覚えたのを、今でも忘れていません。
前提条件が多ければ、説明がわからない
当然のことながら、前提条件が多ければ説明を理解することはどんどん困難になります。
例えば、以下の文章を読んでみてください。
プログラミングに詳しくない方であれば「何語ですか?」と思わず言ってしまいたくなるテキストを持ってきました(この本はたまたま開いていました)。
このテキストには複数の固有名詞と専門用語が含まれていますが、「なんのこっちゃ」という感想を抱くのが普通だと思います。
この記事は英語の話ですので深入りしませんが、このように専門用語・固有名詞を列挙すればするほど、そのテキストの読解難易度は飛躍的に上昇します。
こんな当たり前のことに気づいていない人があまりに多いと思っています。
「文法用語がわからないから英語リタイアします」となる人が多いのもうなずけますね。
「英語をリタイア」する人は、ほとんどの場合文法用語に躓いています。そして、「フィーリング英語」に走り、「なんとなく読解」して英語人生を終えるのです。
「フィーリング英語」はどう?
とはいえ、「フィーリング英語」は避けたいものです。
フィーリング英語で学習を進めていると、「単語の拾い読み(文構造の軽視)」「日本語英語の発音」「1対1表現暗記」というだめな英語勉強のフルコースみたいな学習法を取ってしまうからです。
そのためにできる工夫については、後日記事にしたいと思います。お楽しみに。
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