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演奏に一番大切なもの。ありきたりだが忘れがち。

こんにちは! ファゴット奏者の蛯澤亮です。楽器を吹いたり、youtubeやnoteで情報を共有したり、コンサートの企画運営をしています。一緒に人生を楽しんでいきましょう♫

さて、今回はすごくありきたりな話。でも、そんな当たり前のことって忘れがちなんですよ。そして、当たり前のことがすっぽり抜け落ちている人がいる。そんなことを書いてみます。

気持ちが入っていない人たちのステージの恐さ

ステージに上がって演奏が始まったら急に恐くなることありませんか?

それは自分も周りも気持ちが入ってないときが多いです。

非常に非科学的な話なのかもしれませんが、みんなが守りに入っているステージほど恐いことはありません。音を出すこと自体恐ろしくなってきます。そんな経験、アンサンブルをやったことがある人は感じたことがあるんではないでしょうか?

後ろ向きな気持ちの人や守りに入っている人がステージの半分以上だった場合、非常に演奏しづらい環境になります。また、そうなってくるとその不安は伝染します。不安な人たちに囲まれたら自分も不安になるというのは言葉を交わしていないステージ上でも起こることです。

音楽は精神的なものです。聴衆も演奏者もかなり精神的なところでつながっています。気持ちという曖昧なものを馬鹿にしてはいけません。その時の精神状態はもろに雰囲気として演奏に現れます。

前向きか後ろ向きか

緊張は誰でもするもの。でも緊張を受け入れた上で前向きに演奏するか後ろ向きな姿勢になってしまうかは雲泥の差です。

もちろん、誰しも失敗が恐いし、緊張します。それまで順調だったのに難しいパッセージに来たら急に恐怖が襲ってくることもあります。でも前向きにそれを乗り越えなければ音は死んでしまうのです。

この生きている音と死んでいる音、流れている音楽と流れが止まっている音楽は雲泥の差です。まさしく、聴衆は自覚しなくてもなんとなく感じてしまうのがこの差です。

先日も守りに入ってしまっている演奏を私自身経験しました。演奏会の一曲目というのはやはり難しいもの。そこでだれかが中心になって前向きにしなければいけないのですが、多勢に無勢の場合もあるし、自分が引っ張っていけるポジションかどうかもあります。「あー、これは恐いな」と思って演奏していたら、やはりお客様に「一曲目は止まるかと思った」と言われました。やはりその雰囲気を言葉にできるお客様はいるし、言葉にせずともなんとなく感じておられる方がほとんどでしょう。それだけ演奏というのは「気持ち」に左右されます。


開き直る強さが大事

良い自分を見せようと思っても見せられるわけではありません。

私の好きな漫画「バーテンダー」にジャズプレイヤーが出てきてこんな言葉を行っているシーンがあります。

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結局、自分がやってきたことしか演奏には出ない。自分をさらけ出すとはよく言いますが、結局は自分の積み重ねてきたことしか出ないのです。何かを取り繕おうと思ってもうまくいきません。「これが私です」と開き直って演奏することが大事。でもそのときに全てを投げ打ってはいけません。今までやってきたことを肯定しなければ意味がないのです。自分を肯定し、人前に立つ。そして最善の演奏をする。これが難しくも追求しなければいけないことなのだと思います。

どんなに技術を身につけても中身(心)が無ければ意味がない

先ほどのジャズプレイヤーが修行中の若いバーテンダーにかけた言葉。それがこれです↓

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演奏するにはどう音を出したら良いのか、どう楽譜を読んだら良いのか、クラシックでも同じように「どう音を出すか」というテクニックを学びます。

でも本当に学ぶのはやはり内面なのです。どんなに技術があっても心がない演奏に人は感動しません。では本当のテクニックとは何か。それは心とテクニックを繋げることです。

気持ちが先立つ人がテクニックを学ぶと気持ちが抜け落ちてしまうことがあります。これもまた落とし穴。この二つを繋げることが本当の演奏技術なのだろうと思います。


非常に曖昧な話ですが、だからこそ音楽は楽しいと思います。

今日はこんなところで。楽しい日々を過ごしていきましょう。

蛯澤亮でした。

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