ラブスト解体2-32
(こんのド悪人……ッッ)
下着越しにナメクジが這う、のが分かる。意思があって目的がある。最悪最低のナメクジ!
涙目になってるし顔面は血がのぼって耳鳴りがひどい。キンキンしてる。
たまに、灰色の瞳が瞼を上げて、私の様子を覗いてくる。
いつもより濡れた、潤沢に艶を含んだ眼差しの意味なんて考えたくもない。最悪だ。最悪!! なんでそんなに興奮できるわけ、こいつは!!
「……これでも、沙耶ちゃんがキモチ悦くはならない……もちろん痛みもないように……だけどさ、懇切丁寧にやってるんだけど……? キモチ悦くなるのってこんな状況じゃ嫌だろ? ちゃんと急所は外したまんまほぐしてってるから安心して欲しいッてか、むしろ俺を褒め称えて欲しいよ? 俺が躾されまくったド外道でよかったよ」
「…………っっっ」
「……ん、……こんなさぁ、……ご馳走を前にしてさ、仕事だけ……やれる……の、俺ぐらいじゃないの」
「…………最悪なこと強要するやつがなに、ぅぉ、を、ん、ンンン……!?」
じゅぶ、深く潜ってくるの、感じる。
こんなの初めてに決まってる。決まってる!
「…………」しーさんが、くちをがぱりと開けて、パンツに食いついてるのが見える。長めの前髪が左右によけて脚の付け根の両側をくすぐる、生々しい感覚がした。
じゅぶぶ、する、しゅる、未知の感覚がすぎて……、頭が爆発する。
もう耳は爆破されてて、しーさんが言っていてる、こと、よくわかんない。
もご、もが、って。
そこで喋るのは本当にやめて。それだけ。
「反応からしてふぁ……初めてふぁ、うん、れも睡眠薬にドラッグに、いくられも非合法に本人に自覚ないままヤるの、いとも簡単なんらよさやちゃん。……うん、ほんろ、俺はひとまずじぶんを褒めるけど。唾液ながしこんでふらけで済ませてるおれすげーって。……ほんろ、すきらよさやちゃん、股間食われながらウソつけって眼ェされれれもね」
もう頭になにもうかばない。やめて。やめろ。ばか。バカ!!
しーさんの両手に押さえつけられて、ひらかされている両足がぷるぷるする。震えてる。こんなに体が痙攣するなんて知らない。
足の指も丸めて圧迫されるだけでなく私は全身を丸くして、りょうじょくされる、みたいな、点検? なにこれ? なにかに耐えてる。
なにこれ。なにこれ。
ほんとに。
なに。
「!」
しーさんと眼があってギクリとなる。
見てしまった。見えるから。見せてくるから、自分の眼を。
「…………ン、じゃあちょっと失礼……、医療行為だとでも思って今回だけは。捲(めく)るからね、ひやっとするよ」
「……ひぐっ……!」
ビッショリに舐められた場所に硬い指が触れる、それだけだったのに、お尻が突き上がってはねた。
しーさんが、汗ばんだ額を、眉間を歪めるかたちで少し揺らした。
こぼれた汗が太ももに滴り落ちてきた。
汗に思えて、なぜか唾液に思えなくて、でも知らない、知らない、他人の汗の当たり方。
本当にこれってなに。
END.
読んでいただきありがとうございます。練習の励みにしてます。