【第5話】受付嬢はエレガントに戦う
今までの人生
否定されるようなことをいろんなひとに言われてきたような気がするんだけど「ブス」は言われたことないんだよね
元夫ですら
喧嘩中に感情的になって
「ムキー!どうせわたしのことなんかブスだと思ってるんだから!!わかるんだからねっ」
と、ぎゃーぎゃーやっても
「え、何言ってるの?ブスじゃないよ?もうちょっと自信持っていいと思う」
と、そこは冷静に慰めてくれたw
なのに
顔も名前も知らない電話口の向こうの人間に「ブス」呼ばわりされた
挑発に乗ったり動揺してはいけませんと、前回お伝えしたのですが
ううう、動揺したしーーーーーーー!!!
「イキってるだけのあなたにブス呼ばわりされたくないし!そもそもブスってなに、ブスって!」
という私の心の声(←ヲイ)を口にしたら、それこそダメダメだよね
挑発に乗ってしまうだけでなく同類に成り下がってしまう
だから自分に言い聞かせる
だめよ!三流でも、あなたは受付のプロなんだから!大代表電話に出るあなたは会社の顔
こうなったら魔法の呪文
えれがんとえれがんとえれがんとーー
「…再三申し上げておりますが、E様の仰る『技術的なこと』については具体的に伺いませんと、Fにはお繋ぎできません」
すぐさま遠吠えがはじまる
「うるせえっつってんだろ!黙れよ、この野郎」
はーーー!!!!うるさいのはどっちだよ
楽しんでいたけど、さすがに腹立たしいし煩わしくなってきた
もう相手にするの面倒
ぎゃーぎゃーやるのはさ
昔の私みたいなめんどくさい女性の特権なんでないの?(え、違う?)
小物感がもんのすごい ああいやだいやだ
私、ちょこっとだけ反撃
「E様、お言葉ですが
私は女性ですので野郎ではありません」
テメエとかバカとかブスとか野郎とか
人を不快にさせる言葉を、自分の感情に乗せて平気で言い放つようなひとがだいっきらい 今時、小学生男子でも言わないよ?
超早口でまくしたててみた
「大変恐縮ですが、これ以上E様とお話をしておりますと業務に支障をきたします。お電話をお切りします。ありがとうございました。」
ぎゃーぎゃーやってるけど、知らんぷりを決め込む
ガチャ
私の方からしてやったわ
エレガントなガチャ切りをね!
つづく
「書く」ことで食べていけるひとになるのが目標です♡ここにたどり着いたのも何かのご縁。わちゃわちゃしましょー!!!