間違わないこと、正しく生きることが目的になると、自分を幸せにすることが後回しになる

私達は子どもの頃から、他人から与えられた正解を記憶するように教育されます。たとえば、学校にはテストというものがあります。テストの問題には、ひとつひとつ正解が用意されています。テストでは、他人が決めた答えを多く記憶した人の点数が良くなります。「私はこう思うんです」「私はこう考えます」と、他人が決めた答えと違うことを答える人の点数は悪くなります。

テストの点数が低いと、成績が悪くなります。成績が悪くなると、周りから頭が悪いと思われるようになります。成績が悪いと、「将来、大変なことになるよ」と、大人から脅されるようになります。私達は「みんなから頭が悪いと思われたらどうしよう」「将来、大変なことになったらどうしよう」という恐怖心から逃れるために、「良い成績をとらなければいけない」と思うようになります。「バカにされたくない」「不幸になりたくない」という思いから、テストでいい点数をとろうとします。

「テストでいい点数をとらないと、大変なことになる」という怖れから、他人が決めた正解を頭の中に詰め込むようになります。「間違ってはいけない」という思いから、他人が決めた答えと自分の答えを合わせるようになります。「間違ってはいけない」という怖れから、自分で考えて自分になりの答えを見つける、 ということを放棄するようになります。

人生の正解は自分でつくる

私達は長い学校教育の中で、問題には正解があることを学びます。長い間他人が用意した正解を受け入れ続けることで、「自分で考えて自分になりの正解をつくる」という力を伸ばすことができなくなります。学校にいる間は、他人が用意した答えを暗記するだけで、問題を解決することができます。他人が決めた正解を多く覚えれば覚えるほど、「よくできましたね」と褒められることが多くなります。学校では、他人が用意した正解を受け入れることが、良い評価につながります。

しかし、私達はいずれは学校から抜け出して、「自分の人生を生きる」という道を歩むようになります。自分の人生の中には、他人が用意してくれた正解はありません。自分の人生では、自分を幸せにすることが正解になります。自分を幸せにするためには、「自分はどういうことに幸せを感じるのか」と考える必要があります。自分の心の声に耳を傾けて、「私はこういうことが好きなんだ」と感じ取ったら、その好きなことを自分にやらせてあげるというのが、自分の人生での正解になります。「あなたはこうすれば幸せになれますよ」と他人から言われても、「いや、私はそれをするのが嫌いなんです」「だから、私はそれをしません」と決めるのが、自分の人生での正解になります。

間違うから、自分を幸せにする能力を高めることができる

学校では、「はい、あなたは間違ったからダメですよ」「私達が決めた答えと違うことを答えだと思っているあなたはダメですよ」という評価をされます。しかし、自分の人生では、間違うことで自分を幸せにするための知識を得ることができます。「あぁ、私はこれを好きではなかったんだ」「私は間違ったことをしていました」と気づくことで、自分なりの正解に近づいていくことができるようになります。「私は間違って嫌いなことをやり続けていました」と分かることで、「じゃあ、どうすればいいんだ」と正解を出すための思考をすることができるようになります。自分の人生では間違えば間違うほど、自分を幸せにする能力を高めることができるようになります。

「間違うのが怖い」と思うのは、学校で良い評価を得るために身につけた感覚です。「間違いたくない」と思うのは、学校のテストでいい点数をとるためには有効的な怖れです。しかし、学校から抜け出して、「幸せな人生をつくっていく」という道を歩むようになったら、「間違うのが怖い」という思いは役に立たなくなります。「間違ってはいけない」という思いにとらわれることで、「行動を起こさなければ、間違うことはないだろう」と考えるようになります。間違わないことを重要視しすぎることで、「これをすれば幸せになれるかもしれない」「ちょっとやってみようかな」という実験をすることができなくなります。間違わないために実験をやめてしまったら、「自分はどういうことが好きなのか、どういうことが嫌いなのか」という、自分を幸せにするための知識を得ることができなくなります。

ということで、自分の人生の正解は、他人が用意してくれるものではありません。「自分を幸せにする」という正解を得るためには、自分の感覚に頼るしかありません。どんどん行動を起こすことで、「私はこうすれば幸せを感じられるんだ」という、自分だけの正解に気づいていってほしいと思います。あなたは、「これをしても幸せになれなかった」と間違うことで、「じゃあ、それをしないほうがいいな」と自分を幸せにするための知識を得ることができる、ということを忘れないようにしていきましょう。


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