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古賀及子の本、日記エッセイ『おくれ毛で風を切れ』、エッセイ『気づいたこと気づかないままのこと』2冊同時刊行のおしらせ

2024年2月上旬、日記エッセイ『おくれ毛で風を切れ』と、エッセイ『気づいたこと気づかないままのこと』がなんと同時に出ます!


日記エッセイ『おくれ毛で風を切れ』(素粒社)

母・息子・娘、3人暮らしの、愉快で多感な日々。
生活は、もっと観察できる。

2023年2月刊行の『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』に収録しきれなかった過去の日記と刊行以降の日記を、書き下ろしもふくめて収録しています。

ブックデザインは前作『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』に続き、鈴木千佳子さんにお願いすることができました。うれしい……。
帯文は真正クリエイターである無駄づくりの藤原麻里菜さんと、私はもちろんみんなの尊敬まと、校正者の牟田都子さん!
版元は前作同様、いま絶好調の素粒社です! 今回も編集北野さんの辣腕がうなってます。

【目次】

2019年2月~2020年12月

2019年

宇宙がすごい広いんだが
車窓を見る人は黒目がカクカク動く
「はい、論破」みたいに幸せを
猫をさがしていそうな人たちだった
燃えるごみよりも資源ごみのほうが多いでしゅよ
情報は目でとまって頭にまで到達していなかった
目の前で大福が売り切れて誇らしい
悔しがるころは過ぎた
「ねえ見て!」があるから人は連れ立ってどこかへ出かける
全力で走りそしてふたりは出会った
人間社会で成長することそのもの
まあまあ家
気づかないまま傷つく
これからほっぺたをバンバンにふくらませる宣言
こういうものなんだからとだまっていた
伝えたい豆知識があるんだ
別れのメールをローマ字で書いた
同じ家に同じ気持ちの人がいる
腐りゆくのを見るのがいやで腐る前に捨てた
それは個人の感想だろう
氷を揉み溶かしとがらせる
こっそり水道水を飲む
背負ったネギが夕日を受けて輝く

2020年

私いまかなりドラえもんっぽいことになってないか
もしかして楽しかったの?
くれぐれも家を燃やさないように
カーっとした量のハンドクリーム
ここに真の卒業がある
よくない予感を共有する
同じ家でも今度ははじまる
スポークが折れて感心感心
ポップコーンをはぜさせる人を離れたところから見る
鳩サブレーを食べる自分の様子をふと思う
感激して「優しい!」と冷やかす
新しいカードに無を移行する
気安い友人や家族だけが目撃する
ふんわりではなくふっくらしている顎
もしフィクションで描かれてなかったらどう思ったろう
消費はむずかしい
血管が動くのを見あう
事情を誰かに話すときはいつも自信がない
冷えた生卵を持ち続けて手がつめたい
意識の私を無意識が急に起こす
赤や緑や青が次々に色を変え光っている
テトリスでこんなに遊んでしまう

2022年3月~2023年8月

2022年

これだ漫才の起源
有象無象のドーナツ
お菓子が配られているのではないか
新入りバイトの態度で生きる
13で割る!
中2の景色
これはさては呪術だな
「まあいいか」が「まあよくない」をチョイスする
水漏れを飼う
ミロがなくなる
ふすまに海を
きっとうまい肉だ
大人に連れていかれる
このまま無印良品に飲み込まれる
悪口は味
黒か紺か
そんな個性的な営業時間
夜のとばりのようですね
このままはやく朝にしてしまいたい
わたしではないあなたたち
おれはひとりしかいないのに
思考のあさましさに感じるハングリー精神
無機物ばかりが登場する人生の走馬灯
わたしたちのアイコンタクト
ふりかけが大好きな人たち

2023年

おくれ毛で風を切れ
突然一生会わない人になる
夢のもたつき
布団をならべて夜ねむるよう
楽しみにしている人がいると心強い
家は家であり、家っぽいものでもある
人間が自由だとよく知っている
孤独な意地汚いお祭り
抜けも飛びも刺さりもしない
きみの名前を知ることそのもの
ひとつの世界の終わり
まんじゅうにどこまでも盛り上がってしまう
小枠も小枠な生き方の多く
手のひらで光ってはじける塊の時間
いちばん大きな音のカッター
本気の餓鬼でもなかったようで
尊び信じて優しく
弁当の責任と関心
今日は一緒に行けてよかった
現実だったらあんまりだ
畏れることない不公平感
バレエと敬礼

エッセイ『気づいたこと気づかないままのこと』(シカク出版)

幼少期のニュータウンでの暮らし、おばあちゃんや恋人との思い出、産まれて育つ子どもたちとの日々ーー。
人生のあらゆる場面を縦横無尽に切り取った、日記とは違う魅力や人間性が詰まった渾身の1冊。

大阪の宝、セレクト書店のシカクのウェブマガジン『シカクのひみつマガジン』に連載してきたエッセイに書きおろしを加えてまとめた、エッセイだけの本です。こんな本を出したかった……!

表紙のイラストはしまむらひかりさん、そして解説と帯文は……長嶋有さんです! なんだこれは私の最終回ですか。

編集はシカクの店長でもあり『シカクのひみつマガジン』でも私のエッセイ力を伸ばしに伸ばしてくれたたけしげみゆきさん、ブックデザインは敏腕シカク出版陣営によるもの。頼もしさ!


【目次】
朝霧装飾
めがねの道
ものが水に溶けるとはどのようになることか
風船のまち
生協のカタログだけがおもしろい
新宿郵便局留
リステリンの泉
抱っこして行かれますか
わたしたちのパンプキン
変だと思った俺やお母さんの目が未熟だったのかもしれない
ねこからとても遠い
せかいの恋人たち
劇薬としての音楽
和菓子を売っていまして
のどのたこ取り
まさか世界がひとつとは
8人、いまこの瞬間
これほど恋らしい2000円
シングルレバー混合栓
この世のすべては集めなかった
渡り廊下と札幌
卵を割るのが下手になった
窓のそとはあかるい
よなかの親子
感動に宿った確かなうるささ
私たちは何でしょう
iPhoneを無駄に買う真実の人生
いちじく
次のおとなへ押し上がる
解説 長嶋有

「2冊刊行おめでとう! 古賀及子が愛読しすぎているエッセイ・日記本たち」フェアがあちこちで開催されます

新刊の刊行に合わせ、各地の書店さんで、私が愛読しすぎている13の日記とエッセイの本を並べる選書フェアが開催されます。
選んだ本それぞれに熱すぎるコメントを書きました。お近くの方はぜひぜひ!

開催書店さんはこちら!

●関東

渋谷 SPBS本店
下北沢 B&B
町田 紀伊國屋書店小田急町田店
高円寺 蟹ブックス
武蔵小金井 くまざわ書店武蔵小金井北口店
千駄木 往来堂書店

●関西

京都 恵文社一乗寺店
京都 丸善京都本店
神戸 1003
大阪 シカク

●その他の地域

青森 八戸ブックセンター
名古屋 TOUTEN BOOKSTORE
熊本 蔦屋書店 熊本三年坂
福岡 本のあるところ ajiro

●オンライン・出張店舗

がたんごとん
本のすみか

トークイベントとサイン会があります

4月いっぱいイベント続きます!

4/21(日)15:00~17:00 柴崎友香さん×古賀及子『続きと始まり』『おくれ毛で風を切れ』特別対談

4/28(日) 19:00- 山階基さん×古賀及子 「暮らしをまなざす言葉」 『夜を着こなせたなら』(短歌研究社)刊行記念

3/3(日) 東京 下北沢 B&B「日記とエッセイ、その周辺」(校正者の牟田都子さんと)アーカイブ販売中

3/19(火) 東京 新宿 ロフトプラスワン「帰ってきた古ザ会乙」(ライターの小堺丸子さん、妄想工作家の乙幡啓子さんと)アーカイブ販売中


終了しました 2/11(日) 大阪 シカク・トークイベント「人よ、もっと恋のはなしをしよう」(ライターのスズキナオさん、シカク出版 編集でシカク店長のたけしげみゆきさんと)配信あり

終了しました  2/12(月) 大阪 梅田ラテラル トークイベント「人を書く、仕事を書く、暮らしを書く」(編集者の藤本和剛さんと)配信あり

終了しました  2/15(木) 東京 渋谷 SPBS本店 トークイベント「だれも知らないわたしたちの可能性ではたらく」(ライターのひらいめぐみさんと)配信あり

終了しました   2/24(土) 東京 渋谷ヒカリエ8F 広場 COURT サイン会「エッセイスト古賀及子の、本にサインします会」(イベント MOV市 内での実施です)

終了しました 3/21(木) 福岡市 とらきつね 日記ワークショップ、刊行記念トーク(鳥羽和久さんと)


日記エッセイ『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)も重版しました

でもって、この機に乗じて昨年2023年2月刊行のはじめての日記本、『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』の重版もかかりました。
本当に本当に、みなさまに読んで応援していただいたおかげです。ありがとうございます……! さらに多くの方に届きますように。


こちらからは以上です!なにしろありがとう、 みんな、からだにきをつけてね! わたしもしっかり養生します。

いつもサポートありがとうございます。いただいたお金は新しい本を作るのに使わせていただいております!