なかぬざわ

フィクションですlove https://twitter.com/ryunguad

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最近の記事

春夜

2週間程の宮城のレジデンスから帰ってきて1週間ほど経った。東京は温かい日が気がする。住んでるところは東京だが、ほぼ埼玉といっても問題ない、武蔵野なのだから。宮城の帰りに大宮で友達と日高屋で中華を食べた。その時はすごく暑く感じた。久し振りに立ち寄った大宮も、なんだか少し変わっていた。友達が近くで働いているらしいから、たまには会ってみたいなと思った。  帰ってきてから、バイトとバイクの教習で空いた時間は彼女とだらだら過ごしている。お腹が空いたら外に食べに行ったり、彼女が何か作った

    • 状況は

      毎日がうっすら体調が悪い。頭がすっきりしない。そんな毎日がこれからも続くと陰鬱な気持ちになる。友達と出かける、女の子とデートする。元カノに会う。絵を描く、映画を見る、本を読む、バイトに行く。毎日は何かしら予定が入っていて、合間にメールを返したり面倒な書類を作ったりする。友達が煙草はアッパー系だよねっと言っていたが自分にとっては吸えば吸うほど嫌な気持ちになる。どこにも行きたくないしその場でしゃがみ込んでカタツムリにでもなってしまいたくなる。自分でもこの悪循環には気づいていて年末

      • Moonlight stroll

        彼の家を後にする。度重なる不安の中、転げるように疎らな街頭の道をつんのめるように歩いている。昼に溶けた雪は凍っていて私は何度も足を滑らせ、腰を打つ。何度も立ち上がるうちに手袋に雪が沁み、感覚が鈍くなっていく。冷え切った手足とは反対に腰は鈍い痛みを放っている。彼に対する憤りはとうに冷めていた。彼は、いつでも私に家に来て良いと言ってくれていた。僕にはその責務もあるからとよく口にしていた。今日の彼は、私が今までに見たことがない不遜な態度で私を酷く、冷たく扱っていた。私がどうするべき

        • たまには

           暇ができたので、本を読んでいる。元から本は読む方だったが、去年はあまり時間が取れずゆっくり本を読む時間が少なかった気がする。1人でアパートで布団に包まって、ページを捲る。ページを捲る音がこんなにも響く事に驚いたりする。眠くなったら、本を閉じて電気を消す、起きたらまた続きからページを進める。起きたら昼になっていたりする。夜に友達が来て、一緒に映画を観る。昼は部屋が明るすぎて、観たことはない。友達とは独りだったら観ないだろうなっていうものを観る。良い映画である必要もなくて、割と

          塵がまきあがり、叫びが届くように。

          馬鹿でかい車を飛ばすことでしか得られない栄養素がある。オーディオでSwervedriverが爆音を鳴らし、車体がビリビリと響いている。点々と続く道路照明灯が流れる星のように後退していく。昔行ったディズニーランドのアトラクションで似たようなものがあった。車のテールランプが道なりに続いている。空に続いているようにも見えるだけでどこの街にも、どこに行っても人は住んでいて、誰かの生活があり、街は続いている。知らないICで降りる。知らない街のコンビニで車を降りる。指先まで一瞬で冷える様

          塵がまきあがり、叫びが届くように。

          持ち越す。

           いつも馬鹿みたいに渋滞してるバイト先から家までの道が今日は、がらんとしていた。快適に原付を転がして、朝雨の中家に向かう。朝雨ってあん使わんよな。夕立とかより全然市民権はない。朝雨に傘はいらずなんて言うように、帰ってきて洗濯物を畳んでいたら止んでいた。どうせまた夜勤なので溜まっていた洗濯物も放置して二度寝する。最近、ボロ原付が異様にガソリン臭く、多分どっかから漏れている。治しても買い替えてもたいして値段変わらんだろうなと思う。2st特有のオイルを焼いた独特の煙を後方車にぶち撒

          雑記(長編)

          個展に際して、書き溜めていた雑記をまとめて公開することにした。息継ぎとの交換ノートにも思っていることなんかは書いてはいるが、それよりももっと独り言みたいなものである。偏見や視野の狭さ、など見苦しいものがあると思われるので注意して欲しい。これを読んだあなたが嫌な気持ちになったとしても、それは私とあなたの考えの違いであり、私の考えを押し付ける意図や傷付ける意図がないことは理解して欲しい。ただ私は自分の考えを述べているだけで、その考えも案外容易く変わっていく。その変わっていく前の段

          雑記(長編)

          菓子パン

           私が小さい頃、土曜の朝は大体パンだった。父が自転車で近くのパン屋から買ってくる。大体、いつも同じ種類のパンだった。私が起きるとパンを買いに行く前だったり、既にパンが食卓に置かれていたりした。土曜日の朝はパンとカートゥーンネットワークで構成されていた。観たいアニメがあれば早起きしてテレビに齧りつく。だがそんなに真剣に見ているわけでもないので、次の週には寝坊したりしている。まともにシリーズものを追っていた記憶はない。中学、高校とあまりテレビは見なくなる。土曜日のパンもなくなって

          Hi-Fiする

           際限なく続く道程で、過去の再現を行う。繰り返される過程の中で少し違うものが現れては、本当に違うのかと疑問を抱く。生活を雑に、食を粗末に自分を大切にしないのはいつものことで誰かの為にでしか生活ができない。喫煙所で正しく呼吸ができている。吸える環境にいるとなんとなく吸ってしまうが、まだ20代だから、辞めなくてもいいかなと思う。だらだら生きれば、後70年くらいはあるだろう?着々と人の寿命が伸びて、そんなにすることあるんだろうか。アパートの近くの薬局は菓子パンとカップラーメンしか売

          foe

           あまり絵を描かなくなった訳ではないが、過去の自分と比較すると描くペースは落ちている。最近はずっと映画を観たり読んでいなかった本を読んだり、大学があれば重い腰を上げて授業を受けに行っている。イアン・リードが新刊を出してたので読んでいる。  また展示があるので結局は描かなければならないから今は別にいいかと言う感じで日々を過ごしている。展示があるから描くというのが割と自分のスタイルで、描きたいから絵を描く訳じゃないというのが前から気付いてはいたが、そういえばそうだったなと自覚する

          雑記

           高校の友達と久しぶり飲んた。普段、酒なんて飲むとろくなことにならないがその日はたまには飲んでもいいかなと羽目を外して飲んでいた。他の高校時代の友達が今はどうしてるか、彼女と上手くいってるのか、高校の友達ならではの近況報告というか溜まっていた話題をひたすら話した。殆どの友達とは付き合いが消えていて、今頃何してるか分からない奴が殆だった。でもお互いそう思っているだろうなと思う。友達は最近、婚約したらしくお祝いも兼ねていた。良いところに就職したらしく、気前よく奢られたので僕も気前

          Break it down

          起きたことを分解する。携帯でレンタカーのロックを解除する。自動音声が注意を促す。エンジンは静かで本当にガソリンで動いているのか疑ってしまう。アクセルを踏むと車体が滑り出す。勝手に車が動いているように錯覚する。もちろん、クラッチもない。省かれたシステムの代わりに私達への安全に関わる機能が備わっている。過保護過ぎると私は思う。 C1を廻す。東京タワーが見える。昔、小さいときに家族に連れて行かれた様な気がする。小さい水族館があったが、記憶は定かではい。人から聞いた話を自分のこ

          息継ぎ、芹澤美咲、中澤龍二での座談会テキストデータ

          中澤 「じゃあはじめます。」 息継ぎ 「うーんじゃあ展示のことを喋るかまず。」 芹澤 「うん。」 息継ぎ 「まあ今回はどうやって……。経緯。」 芹澤 「soilでの中澤展に私がきて、もともと友達だった二人に出会った、という感じ。」 中澤 「中澤展きっかけ……。みたいな感じ。」 息継ぎ 「でまあ、やることになり……。なんで俯瞰っていう言葉が出てきたんだっけ。あんま記憶ないな。」 芹澤 「わかる。」 息継ぎ 「なんだっけ。」 中澤 「誰が言い出したの?」 芹澤 「中澤さんじゃない

          息継ぎ、芹澤美咲、中澤龍二での座談会テキストデータ

          温い絵とこれから

           ぬるい絵を描くようになってしまった。二回生が終わり、大学生活の半分が過ぎてしまった。有り体に言って、あっという間であった。去年は展示や個展、イベントなどに積極的に参加し、精力的に活動できた様に思える。絵も少しずつだが売れ、他の作家さんとの交流などもあり、自分の絵について話したり考えたりすることも今まで以上に増えた。その機会を与えてくれた方達に感謝したい。  自分はそもそも三浪で大学に入ったこともあり、一回生で入ったときには知り合いがギャラリーで展示したり、SNSで活動してい

          温い絵とこれから

          気持ちを整理する。

           今まで付き合ってきた女の子は、別れた後に連絡をするなんて今に充足できていない無様な人間であるという共通認識を僕と持っていた為に別れた後に互いに連絡を取るなんてことはなかった。だが久し振りに帰った地元で偶然会ってしまったらどうだろう。そこそこの人口がある街で適当に乗って帰ってきた電車であるにも関わらず、駅前でばったりと。  よくある下北沢だか高円寺で撮られている男女の付き合って別れてを垂れ流す映画にありがにな展開でもちょっとした運命のようなものを感じてしまう。運命なんて臭い言

          気持ちを整理する。