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静寂の、十二神将。〜新薬師寺

久しぶりに訪れた古都・奈良の新薬師寺。

再発見がありました。

それは、

仏像を見る空間の素晴らしさ。

そのことは後でご紹介するとして、
訪れてまず感じたのは、

このお寺ってこんなにコンパクトだったっけ?

ってこと。こんな感じで、↓

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主な建物はこの本堂だけ

なんです。
本当にこぢんまりしてます。
しかし創建当時は今の8倍?の広さの

物凄く広い境内

だったそうで。

病弱だった聖武天皇("ナント[710年]大きな平城京"を作ったあのお方)のお妃さまである光明皇后が建てたお寺だというから、さもありなん。(創建は西暦747年。新薬師寺と言いますが全然、"新"じゃなくて、すごい歴史のあるお寺です)

それが今のこぢんまりした姿になったのは、落雷(!)による塔の消失や、平家による焼き討ちなどの災禍を経て、残った建物が、当時の食堂であった今の本堂だけだから。

さて、本堂の十二神将たちです。

光明皇后は聖武天皇のご健康を祈願して建立されましたので、御本尊は

仏の世界のお医者さん

というべき、薬師如来像(国宝)。↓

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(仏像の写真は新薬師寺HPより拝借)

この薬師如来像を中心に、

グルリと十二神将(皆んな、国宝デス)が取り巻きます。こんな感じで。↓

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最も有名なのが、伐折羅(ばさら)大将。↓

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その他にも、頞你羅(あにら)大将とか、↓

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毘羯羅(びぎゃら)大将とか、↓

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皆んな、名前に

"大将"

と付きます。なぜならば、薬師如来を守る

12人の親衛隊長

こそが、十二神将なんですね。

一人ひとりにそれぞれ7,000人の部下がいるんだとか。

そりゃ、"大将"やね。

ネーミングに、納得。

12人それぞれが独特のユニークなポーズをしていて、↓

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それがグルリと輪を描いて立ってますから、本堂内を一周して見て回ると、

一人ひとりに、吹き出しを付けてセリフを言わせたくなってきます。

像の作りを見ると、前回ご紹介した願成就院の毘沙門天のようにカッチリした感じではなく、フォルムには丸みがあるというのか、柔らかい感じ。ユーモラスとか、コミカルとも言えるかもしれない。そんな親しみも湧きます。
これは、十二神将像が、木を削って作ったものじゃなく、「塑像」といって、木の骨組みに粘土と土を盛って形作る手法で作られているからかもしれません。

なんと昔は、極彩色だったそうです。お寺で流れていたDVDで知りましたが、購入できますので是非。↓

さて、長くなりましたがこの新薬師寺で一番良いのは、冒頭に書いた、

仏像を見る空間の良さ。

これです。↓

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(新薬師寺HPより)

これはもうね、天国のような空間。
何周もグルグル回るもよし。
それぞれの像の前に佇んで心静かに見るもよし。
凛とした神聖な空気と、狭すぎず広すぎず程よいスペース感。薄暗いけどちゃんと見えるライティング。

たまに、

ピシッ

とか

バシッ

とか、木造建築ならではの音が、天井から聞こえてくるのも、

静寂であることの証。

博物館や国宝館といった施設もそれなりの良さがありますが、やはり歴史あるお堂の中で、好きな角度から、この空気感の中で見られるのは、

最高です。

時が止まって、心が洗われる瞬間。

最後におきまりのご朱印。

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"薬"の字にこだわりを感じます。

最後に、ここんちの仏像フィギュアはホントに再現性が高いと思う、イSムの仏像を載せて、終わります。↓

イSムのHPで、たまたま見つけたんですが、ナント、10/25に、薬師如来像と十二神将のセットで発売されるそうです。めちゃくちゃ高いと思いますが、即日完売かもしれませんね。

それでほ、またー。



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