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指導助言は響いているか?

指導主事の指導助言について考えてみる。

指導主事は学校を訪問し、授業や学校運営等について指導助言することが多い。授業研究会等では、適宜、指導助言等を求められる。その際、先生方にとって有益な発言をしようと、頭をフル回転させて話をすることになるのだが、自分自身の指導助言を振り返る際、「何」を話したかより大切なのは、先生方がどのように自分の話を受け止めたかの方である。

本来であれば、授業と同様、指導助言をよりよいものしていくためには、他者からのフィードバックが不可欠である。

しかし、同じ職場の上司からのフィードバックはあるとしても、指導助言を受けた当事者の先生方からフィードバックを受ける機会はあまりない。

指導主事が帰った後の職員室で「私たちの課題により沿った話ではなかったよね。」「具体的な提案がなくて残念だった。」などの不満が先生方から出るのもよくある話だ。

このような先生方は、ただ批判したい人だけではなく、強烈な課題意識をもって授業研究会に臨んだ意識高い人も多いことを理解しておきたい。

指導助言をよりよいものするために先生方にアンケートをとる方法がある。内容は学校のニーズ等を踏まえて変えていくのが望ましいが、以下の内容が考えられる。

学校の課題を解決するための指導助言でしたか。指導助言は具体的で分かりやすかったですか。 指導助言は明日からの授業に役立つものでしたか。

「とても思う」「思う」「あまり思わない」「思わない」で4段階評価してもらうのである。

自由記述欄もつくる。これだけでよい。
昔はアンケート用紙を配付して回収していたが、今であればGoogleフォームで作成・実施ができるので、指導主事、先生方双方の負担も少ないと考える。自由記述欄に、研修等の学びを書くようにすれば、授業研究会内でアンケート回答の時間を確保することができるだろう。

このように、先生方にとって有益な指導助言にしていくためには、聞き手である先生方の評価を活用することも一つの方法である。      

行政内で「あの人は立派な指導助言をする」と言われている人が、聞き手である当事者の先生方のニーズを踏まえた指導助言をしているとは限らない。「話がうまい」「いい話をする」「その分野に精通している」ことが立派な指導助言ととらえている指導主事もいるが、私は「聞き手の課題を解決できる」「明日の授業が変わる」指導助言を目指したい。

そのためには、授業と同様、相手のフィードバックを得ることがとても重要であると考える。



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