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授業の見方には原則がある

 「授業を参観する時、授業をどのようにみたらいいですか。」
 学生や初任者の先生から質問を受けることがある。

 この質問をする時点で意識の高さを感じる。
 多くの初任者等は、授業の見方について、あまり高い関心を持っていないことが多いと感じているからだ。

 教育実習等で授業参観の様子を見てみると、ほとんどの人は、教室の後方から「授業者」中心に参観していることが多い。教師の発問等を必死にメモしている、話合い活動や書く活動があると、子どもの傍に近寄っていき、発言や内容を確認するといった感じである。多くの学生等において、授業参観するというのはこのようなことなのである。

 しかし、考えてみれば、授業参観の仕方等について、大学や大学院の講義や、初任者研修等で取り上げることはあまりないのではないか。ややもすると、授業の見方がわからないまま、意識しないまま経験年数を重ねていくことになる。

 授業はどのようにみればよいのか。
 様々な考えがあるが、原則は押さえておきたい。
 それは、「授業者の指導ではなく、『子どもの姿』を中心にみる」ことである。参観者は、「子どもが、何を学んだのか」「どのように学んでいるのか」について、子どもの事実をもとに授業をみるのである。

 そうなると、授業参観するときは、子どもの顔を見なければならない。わかったという表情、困惑した表情、つぶやき等をみたり、聞いたりするには、教室の後ろからではなく、前や横の子供の顔が見える位置に移動することも必要になってくる。

 子どもたちの発言がどのようにつながり学習内容の理解が深まったのか、子どもたちが本時の目標達成したのか、ということを中心にみながら、授業者の指導を振り返るのである。子どもたちの様子をみて、授業者の手立ての有効性を考えることになる。

 「どこ」を「どのように」みていくかの具体については、授業の「テーマ」等によって変わるので、ケースバスケースである。
 
 学生や初任者は、まず、指導力のある先生の参観の仕方をまねるとよい。
 指導力のある先生は、課題意識をもって授業を参観している。
 その先生と同じように動くだけでも、授業の見方が少しずつ分かってくると考える。


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