正解主義から修正主義へ

学校組織マネジメントを実践的に学ぶことができる本がある。
藤原和博氏の「『創造的』学校マネジメント講座」である。
まずは、目次を拾ってみる。
1 今、公立学校に求められる「マネジメント」とは?
2 学校における「マネジメント」の原則
3 学校の「経営資源」と活用の仕方
4 学校組織が信頼されるための条件
5 校長に求められる「マネジャー」としての資質
ドラッガーの教えを学校現場に柔軟に取り入れ、実践をしてきた藤原氏の言葉には、説得力がある。どの章も読み応えがある。

1 公立学校に「マネジメント」が求められている背景
藤原氏はずばり2つのキーワードを挙げている。
「成熟社会と多様性」「変化のスピードの速さ」である。
モデルが明確で正解が常にある「成長社会」から、一人ひとりが違った方向に走り出す価値観や多様化・複雑化が進んだ「成熟社会」に向かっていること。
子どもたちが置かれている状況が刻々と変化していることから、スピード感が求められていること。
マネジメントが求められている背景はこの2つという。

2 正解主義から修正主義へ
校長の意識改革として「正解主義」から「修正主義」を挙げている。
どこかにある正解のみ追い求める「正解主義」ではなく、とりあえず小さく始めてみて修正を重ねていく「修正主義」をめざしてほしいとのことである。

この多様化・複雑化した社会では、万人に共通する「正解」はない。    その代わり、なるべく多くの関係者が納得できる「納得解」を生み出していく必要があるとのことである。                        確かに「正解主義」はスピード感に欠ける。少しずつでも修正をしていく「DA→DA→DA」のサイクルが求められている。

「成熟社会と多様性」「変化のスピードの速さ」

 この2つを抑えているだけでも、学校組織マネジメントの在り方が変わってきそうである。

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