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「連携・協働型生徒指導」の鍵は同僚性 ~しかし、同僚性よりも大切なこと?~

 生徒指導提要では、学級担任中心の「抱え込み型生徒指導」から多職種による「連携・協働型生徒指導」へと転換していくことの重要性が指摘されています。

 学校において「連携・協働型生徒指導」を行うためには、まず、教職員同士が支え合い、学び合う「同僚性」が必要になってきます。

 しかし、今の学校現場は、同僚性が発揮しにくい環境です。

 同僚性が発揮しにくい要因としては、業務の多忙化・複雑化により、他の教職員が行っていることや、他の学級のことが分からないという「情報共有の不足」だけではありません。

 昨今の学校は、1つの組織体であるという認識が希薄になっていることが多かったり、学校の小規模化を背景に、学年主任等が他の教員を指導する機能が低下したりするなど、学びの共同体としての学校の機能(同僚性)が、十分に発揮されにくい環境であるとも言われています。

 このような背景の中、同僚性を高めるために、様々な取組が実践されてきていますが、いまいち成果を実感できない場合、次のことを見直してみる必要があると考えます。

 それは、「教職員の指導の方向性がそろっているか」ということです。

 同僚性を高めるシステムをつくっていくことや、一人一人の意識の向上等、様々な手だてをとることも重要です。

 しかし、それ以上に、いや、まず「どのような指導を目指しているのか」「具体的にはどのようなイメージであるか」についての共通理解が重要になってきます。
 
 「連携・協働型生徒指導」を目指すのであれば、「抱え込み型生徒指導」と比較しながら、「連携・協働型生徒指導とは、具体的にどのようなものなのか」についてのイメージを共有することが大切です。

 また、生徒指導提要に書かれてあるように、一人で抱え込まない、小さな問題でも全体に投げかける、教員の相談力を高める等の「連携・協働型生徒指導」のポイントも、教職員等で共通理解しておく必要があります。

 指導の方向性や、前提となる考え方、知識を、全職員で共有することは、今回の例で言えば、自他の生徒指導を指導を見直すことにつながるだけでなく、教職員同士の共通の話題にもなりやすくなります。

 学び合う、支え合う同僚性が生まれるきっかけになると考えます。

 

 



 
  


 

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