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不適切な行動をとる子どもに対して、どのような指導をすればよいですか?

初任者からの質問第4弾。

時と場合、その子どもの実態等により、指導の在り方等は変わってくるが、ABC分析は知っておくと、様々な場面で汎用できると考える。

子どもの行動(Behavior)には、先行因子(Antecedent)と結果事象(Consequence)が伴っている。これらのABC(頭文字)は、独立しているのではなく「先行因子⇔子どもの行動⇔結果事象」とお互いに関連しているのである。

だから、子どもの不適切な行動を変えるためには、行動そのものについて指導するだけではなく、先行因子や結果事象にアプローチする必要がある。

例えば、授業中に「大きな声で授業に関係のないことを言う子ども」がいたとする。その様子をみた教師が「授業中、関係のないことを話すんじゃない。みんなに迷惑でしょう。」とその行動を叱るだけでは、その子どもの行動変容は促しにくい。このような場合、その行動を引き起こす先行因子や、結果事象に着目するのである。

不適切な行動になる先行因子を考えてみる。どのようなとき、その行動がでるのか観察してみるのだ。もしかしたら「授業の内容についていけないから」「授業で必要な教科書や文具の準備ができていないから」「先生に叱られた後だから」「周りの友達からちよっかいを出されているから」などのトリガーがあるかもしれない。そのような場合は、その先行因子を取り除くことで不適切な行動を抑制することができる。

次に結果事象を考えてみる。結果事象を分析する視点として「注目」「要求」「逃避」「回避」「自己刺激」をもっておくとよい。「大きなで声で授業に関係のないことを言う」という不適切な行動後、周りの子どもに話しかけたり、離席したりする様子がみられたとする。

例えば「勉強が分からないから、いらいらする。だれでもいいから教えてほしい。」という「要求」が見て取れるとすならば、分からないことを教え合う場を意図的に設定したり、スモールステップのある授業を意識したりすることも1つの手であろう。

また、少しでも分からなくなったら、離席したくなったら、手を挙げて知らせるなどの代替行動を教えることも必要である。望ましい行動が見られた場合は、称賛し、認めることでその行動を強化する。場合によっては、計画的無視を行い「要求」や「注目」の機能を持たせないようにすることで、不適切な行動を消去していくのである。

このような考え方をもっていると、指導の幅が広がるだけでなく、児童理解を深めることにもつながるのである。



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