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巨額なコンパクトシティ開発の悪い事例が麻布台ヒルズ

私のオフィスは麻布台ヒルズから歩いて5-7分程度で、この町は大使館村で観光スポットは外務省外交史料館ぐらいでしょう。
神谷町はそもそも観光地ではないので、森ビルが周辺の森ビルと麻布台ヒルズを囲むような都市開発で進めたのではないでしょうか。
スマートシティを開発するアーキテクトとしては、人の香りがしない、バブリーなものを実装してみたものの高級ブランドショップの路面店では販売において、新宿や銀座のデパートには到底敵わないでしょう。
そもそもデパートのように富裕層の固定客がいないので、マーケティングミスのコンセプト倒れという事になります。
麻布台ヒルズは、完成まで、35年の月日を費やし、国家戦略特別区域法に基づく区域計画の認定を受けて 総事業費6400億円の巨大プロジェクトです。

【現場の声、麻布台ヒルズはコンセプトミス】
~引用~
「そもそも麻布台ヒルズは観光や普段の買い物の目的で行くような場所ではないので、観光客が少ないのは当然。主な利用者はオフィスのワーカーか居住エリアの住人ということになるが、それならばなぜ高級ブランドなどが入っているのか」
食品店が集まる麻布台ヒルズマーケットや飲食店はとにかく高額な店ばかりで、とても庶民が楽しめる状態ではないようだ。
「いったい、『どういう人たち向けの商業施設』なのか疑問を感じるし、多くのリピート客をつかめるとも思えない」
不動産事業のコンサルティングを手掛けるオラガ総研代表取締役の牧野知弘氏はいう。
「オフィスフロアもまだ埋まらず空きがあるようでテナント集めに苦戦している様子ですが、超高層ビルを主体とする商業施設というものが、ここ数年で限界を迎えてオワコン化しつつあるという印象を受けます」

「麻布台ヒルズの将来は、今のままでは非常に厳しいといえるのではないでしょうか」

【ファクト】
~引用~
ここでは、実際に同地を訪れてわかった、「3つの懸念点」について説明したい。
その3つとは、

(1) 当初見込んだほどのインバウンド観光客が見られないこと
(2) 「コンパクトシティ」としての使い心地の悪さ
(3) にぎわいを作る空間設計の欠如

である。

【国家プロジェクトの失敗】
麻布台ヒルズの開発経緯の概要は、以下のとおりです。
●1989年:「街づくり協議会」の設立
●1993年:「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発準備組合」の設立
●2017年:国家戦略特別区域法に基づく区域計画の認定、都市計画の決定
●2018年:「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合」設立が認可
●2019年:着工
●2023年:開業

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