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仮面ライダーギーツ第19話『乖離Ⅲ:投票!デザスターは誰だ!」』感想

◆アバンの雑記パート

・資料性博覧会16に申し込みさせていただきました。

キツネを語りつつ中田裕士をすこれ

というわけでアバンの雑記パートからお知らせです。

5月3日に東京・中野サンプラザにて開催される資料性博覧会16に屋上わーくす+αとして参加させていただきます。このイベントについては資料系即売会のため二次創作系作品の取り扱いはありませんのでご了承ください。

ゴールデンウイークは中野サンプラザに来ませんか!?
特撮サークルさんも多数参加されるこのイベント、非常に楽しみにしております!当日は『キツネガタリシリーズ』の新刊を頒布する予定ですのでよろしくお願いします!語ろう中田ヒーローズ2の告知もあるよ!

語ろう中田ヒーローズ2は現在参加者募集中です!一次応募締切は3月末!TwiPla窓口もあるよ!


◆仮面ライダーギーツ第19話『乖離Ⅲ:投票!デザスターは誰だ!」』感想

脚本:高橋悠也/監督:杉原輝昭

・デザスターの疑いは景和に集中していく

大智によって陥れられるタイクーン

チラミの手によりスパイダーフォンにデザスター投票機能が実装され、疑惑が蠢く共同生活となったデザイアグランプリ。第2回戦『ジャマーボール』が開幕したジャマーボールにてジャマトチームに居たルークジャマトがかつてデザイアグランプリに参加していた豪徳寺武の姿だったため激しく動揺してしまった景和はその現場を見ていた大智の手により参加者の疑心を煽るためにつるし上げられてしまい、景和は疑いを払拭できなければデザスターと見做され脱落してしまう状況になってしまった。そしてジャマ―ガーデンで目覚めた道長は脱出を謀ろうとする中でジャマトバックルを手にしてしまい、人ではない『別の道』へ堕ちようとしていた……というのが前回までのあらすじ。
デザスター予想についての話だが、あからさまに景和を陥れる気満々の五十鈴大智についてはデザスターではない気がしている。恐らく単純に景和が考えが浅く、議論が出来ず、ジャマトの正体が過去の参加者かもしれないだけでミスを乱発するから邪魔に思ったのだろうと考えている……が、そう考えると大智のやり方は些か性急すぎるがゆえに疑心の疑心を招きそうな気がするのだ。

戦況は負け越したまま後半戦をタイムアップをすればゲームオーバー、前回取っ組み合いの末にナッジスパロウを攻撃してしまったタイクーンはその現場をロポたちに見られ更に立場を危うくする状況になっていた。
疑心を集中させ真っ先にタイクーンに詰め寄ったロポにニンジャバックルを託す大智はきっと彼女の信用を獲得する事に成功しただろう。
タイクーンを除外した状態で連携し、ナーゴとロポの師弟タッグのパスから最後はロポとギーツでゴールして勝ち越し……とはいかず油断をみせたところにルークがシュートをきめ、ふたたび逆転される羽目に。半ばいじめのような構図でナッジスパロウがタイクーンのセキュリティホールを排除し連携できるようにはなったものの、単純に頭数が少ないライダーチームはどんどん劣勢になっていく。お互いにアシストし合いジャマトチームに肉薄していくもののイマイチ決め手に欠けていたライダーチームだが最後はギーツがボールを蹴り上げギガントシューターで撃ち、連射でジャマト達間を縦横無尽に軌道を変え続け両方のボールを遠距離シュートをさせることに成功。
これにより結果は【ライダーチーム33:ジャマトチーム33】となり引き分けに。半ばいじめのような形でタイクーンを孤立させ、なおかつチーム敗北を回避させる事に成功したナッジスパロウはほくそ笑むのだが、そんな仮面ライダーたちを見ていたのは吾妻道長だった。前回人ならざる道に堕ち、如何にしてジャマーガーデンから脱出したのか。もちろんその姿がギーツに観測されており、分断されたであろう二人の物語が再び交差していくのである。

後半戦を終え『33対33の同点』ということでジャマーボールは延長戦へ突入していくこととなったのだった。そしてデザイアサロンでの改めてのデザスター投票は【景和3票:未投票2票】から変動せずの状況だ。景和は愕然とするのだが、そんな景和にチラミが貴方に会いたがっている人が居ると声をかける。向かった先はデザイア神殿の和室エリア。見慣れない場所に『ここは?』困惑する景和に『お前の説教部屋だよ』と答えたのは前回より登場したオーディエンスのケケラだった。
俺がどれだけお前に目をかけてきたと思っているんだ、ブーストバックルに恵まれてきたのは俺のおかげだぞとまくし立てあげる姿に困惑する景和に『俺がプレゼントしてやってたんだよ』と激怒するケケラ。なるほど、バックルの送付はオーディエンスの高額投げ銭といったところだろうか。
オーディエンスが多数居る中で仮面ライダーたちに接触できているのはジーンとケケラのみなのは何故かと考えると『太客オーディエンスだから』……という理由なのかもしれない。となるとデザイアグランプリがやっている事は『小規模Vtuber箱の高額メンバー通話特典』な風に思える。物凄く俗っぽさが増してきたなデザイアグランプリ。
そしてケケラの異様な高額投げ銭説教おじさんムーヴは続き、ジャマーボールでの戦い方のみっともなさに焦点が当てられていく。景和の弁明としては『退場した人がジャマトとして現れたから守らないと思った』……との事だがケケラは納得しておらずナッジスパロウの行動に対してあいつがデザスターかもしれないんだぞと警告を出した。信じるヤツほど馬鹿を見る、これはデザスターに食うか食われるかの戦いなのだと。
ケケラのムーヴは推しに高額投げ銭していう事をきかせようとする厄介リスナーそのものではあるがこのままではナッジスパロウの手の平の上で転がされるのみ、景和も次の一手を打たなくてはいけないのである。

一方の英寿はというと昼間のジャマーボール後半戦で見かけた吾妻道長に会いに行っていた。コンビニの牛めしおにぎりを渡すというのはかつて謀略編で追い込まれ孤独感を抱いていた時にツムリから渡された事に対する恩義を忘れていないゆえの話だろうか。ジャマトにやられたのに何故生きているのかという疑問に対し道長は『傍から見てると滑稽だよな、理想の世界とかいうニンジンぶら下げられてロクでもないゲームやらされて』と語りだした。そんな道長に英寿は『負け惜しみか?』といつものような軽い煽りをするのだが、ジャマ―ガーデンで衝撃的な真理を見た道長はそれどころではなかった。今まで戦ってきたジャマトがどこからきたのか、退場した参加者たちのIDコアはどうなっていくのか道長は既に知ってしまってるのである。
ルークジャマトの正体は豪徳寺であり、そしてジャマトの産まれ方を知った道長がこうして生きている。英寿が『お前もとうとうジャマトの仲間入りか』と言うと道長はすぐに反抗した。しかし生存者は道長だけなのである。他は全てジャマトの肥料となってしまった状況に俺は他の奴らとは違う、ジャマトに利用されてたまるかと言う道長。

「何しろ無事でよかったな。お前のIDコア、ご飯粒でもつけて直せばいいじゃないか。」

『理想の世界、叶えたくないのか?』と言う英寿に対し『俺は俺のやり方で手に入れて見せる、仮面ライダーをぶっつぶす力を』と言いジャマトバックルを見せつけ立ち去った。道長はこれまでのデザイアグランプリで親友を陥れた連中と同族の悪意に翻弄されてきたのだが、更にまた別の運命に巻き込まれつつあるのだ。ジャマトバックルの力も利用してみせようという心意気も立派なのだが、そもそも吾妻道長の根本的なメンタリティーは一般人寄りなのである。ただの人間なのにデザイアグランプリの裏に堕ち、人の道からも脱落していく。その運命の果ては果たしてどうなっていくのか。

・英寿と景和と心の距離

あの英寿が部屋に招き入れた事実

「ほんとに景和がデザスターなのかな?」
「どうしてそう思うの?」

延長戦を控え、冴と共にトレーニングをしていた祢音はそうつぶやいた。景和は根っからのいいひとだからジャマトが退場した人だから守ろうとしたんじゃないか、守りたい人に対して不器用なくらいまっすぐだからと言う祢音には冴には知りえない今までの信頼があったのだ。
五十鈴大智の盤上で動くのみではないデザイアグランプリをモニター越しに満足げに眺めているのはチラミだった。オーディエンスの全員が世界平和を望んでいるわけではない、オーディエンスが求めているのはスリルと刺激だというのがチラミの思想であり今回の予測をつかせない展開に非常に満足気である。ツムリはそんなチラミに少し疑問を抱いていたのだが今後の展開次第ではツムリがゲームマスターになる展開もありうるのではと思うのだ。

そして夜。デザイアサロンの休憩所で外から帰還した英寿に気づいた景和は身を起こす。起こしてしまったかと言う言葉に眠れなくてと言った景和に対し夜食を作ると言う英寿。そして自分の生活スペースに招き入れ手料理をもてなすという展開は英寿の景和に対する気の許し方を示してくれるのだ。この男、手料理もできたのか……と思いつつ英寿が出してきたのは牛ステーキだった。
添え物の黄パプリカがバッファの目を模しているのが彼の『バッファが生きててよかった』という心境を察せられるのでとても良い。ステーキは牛がいい、だが夜食の域は超えている。圧倒的胃もたれ不可避のメニューを優雅に食べながら英寿は『牛といえばバッファに会った』と話を切り出した。これにはさすがの景和も動揺するのだが英寿は淡々と道長から聞き出した情報を語る。退場者で生きているのは道長だけだという事、その言葉を信じるなら他の退場者はもうこの世界に居ないという事なのだ。
英寿は『ま、どんな悲劇も救えるのがデザグラだ。理想の世界を叶えさえすればな』と言う。そのためにはデザスターだと思うヤツに投票しないといけない。つまり英寿はまだ投票していないという事で、未投票のうちの一人という事になるのだ。自分の事を信じてくれるのかという景和の言葉に対してしらばっくれる英寿。投票したかしていないかその事実は最後まで伏せられたままであったが英寿は最後に自分がデザスターじゃないと証明してみせろと言ったのだった。
その話をこっそり聞いていた大智は『余計な事をいってくれちゃって』と呟く。大智の意図は景和がデザスターかどうかという所には最初から無く、例えデザスターじゃなくとも全員から疑われたプレイヤーは脱落する。その事に目を付けた大智は最初からチョロそうに見えた景和をターゲットにしていたのだ。桜井景和は議論が出来ない上に人を疑う事を知らない。ゆえに狙われてしまった。しかしながら桜井景和にはこれまでの信頼があるのだ。少しずつ計略が崩れつつあった。

そして英寿に『俺は俺のやり方で手に入れて見せる』と言い放った吾妻道長は路地裏で倒れていた所をニラムたちに発見されてしまった。気を失った道長を搬送するようサマスへ言ったニラムは『死とはリアルでなくてはならない』と言った。死してなお生きる男もまたデザイアグランプリにとっては消さなくてはならない存在なのである。

・疑いを払拭するためには~タイクーンの面割れがかっけぇ過ぎる件について~

壁面駆け!オフィスアクション!面割れ!

翌日の延長戦、ボールが一つに戻り先に得点を入れた方が勝ちという方式になり再び並んだライダーたち。大智は僕たちが協力すれば例え邪魔されても大丈夫だと自分の支配下に皆を置こうとしていた。
開幕し、最初にロポがプレイの主導権を握ろうとしていたもののジャマトは更に強くなっておりボールが奪われる羽目に。タイクーンも丸腰状態で相手を止めようとしたもののエントリーフォームではそのレベルには至らない。そこに颯爽とボールをよこせと攻撃したのはナッジスパロウだった。だがタイクーンはナッジスパロウより先にボールを拾いそれを掴んだ。

「返せ、また邪魔をする気か?」
「俺が守るんだ……だからこそこのゲームに勝つ!」

ナッジスパロウにいいように転がされ落とされようになっている時にタイクーンがエゴを貫き『自分が』みんなを守るという意思を貫いてくれるのは最高なのだ。
『その意気だ!』そう叫んだのはルークジャマト・ジャマトライダーと交戦していたギーツだった。

「見てろ!種明かしだ!」

そう叫ぶとルークジャマトとジャマトライダーをギガントソードで斬りつけた。そして斬られた二体が変身解除された姿は両方とも豪徳寺武だった。つまり人間の姿をコピーした存在に過ぎないのである。退場した人はもう居ない。ナッジスパロウはでたらめを言ってタイクーンをたぶらかし、ジャマトに味方するデザスターかのように仕立て上げるために話と作り上げていたのだ。人聞きの悪い事いわないでよと反論するナッジスパロウに対し、ギーツは『誰を信じるかは自由』と言うのだがここまで来てしまえば大衆の信用がどこに傾くかは分かり切った話だ。ギーツはタイクーンにボールを託すと食堂のディフェンスは任せろと言った。
汚名返上して皆の信用を勝ち取る。タイクーンはボールを持ち単独にジャマトのディフェンスを突破しようとした。そんな姿に心を動かされ『景和を信じたい』と言うナーゴ、またロポも心動かされタイクーンの援護へ向かった。タイクーンのパスを受け取るとロポは大智に奪われたニンジャバックルを投げ渡す。仮面ライダータイクーンニンジャフォームに変身するとナーゴとロポがパスで受け渡してたボールを再び受け取り駆け抜けていく。
ジャマトのツタ攻撃を避けビルの側面を駆けあがりオフィスへ突入しツタを回避し続ける。やはり特撮といえば外フィールドからのオフィス内アクション。横スクロールアクションめいたアングルでヒーローが戦う姿は本当にカッコいいのだ。そしてタイクーンのゴーグルから見える景和の視界も映しているのも臨場感に一役買っている。そしてオフィスから飛び降りるとギーツのギガントバックルのアシストを受け一気に飛び立つ。
そして進む道を妨害するジャマトもナーゴとロポが足止めし、さらに進むタイクーンは最後の防衛線だったルークジャマトと対峙する事に。
どんなに相手が超次元のパワーを持っていたとしても決して負けずに立ち向かう姿、そんなタイクーンの姿を見ながらギーツはナッジスパロウに問いかける。

「お前に問題だ。誰かを疑わせるか、それとも信じさせるか。最後に勝つのはどっちだと思う?」
「正解は……」

ここまでの過程で壁走りとオフィス内アクションに加え、仲間たちのアシストを得てノンストップで駆け抜けるタイクーンの良さが光ってて良いし、面割れしてまで突破する泥臭さがまた良いのだ。邂逅編のような自己犠牲を選択せず絶対に勝ち抜くというエゴイズムを貫きそして得点へとつなげる。
いやはや本当にスポーツ漫画さながらのアツさでよかった。
そしてタイクーンのゴールによりライダーチームが勝利。子供たちも無事ジャマーエリアから脱出する事に成功し、ジャマーボールはミッションコンプリートとなった。

デザイア神殿に再び帰還した一同は最後の投票をする運びになり、棄権は脱落となる投票で結果は【ナッジスパロウ4票:タイクーン1票】という結果となった。大智は『これだから人の心ってのは面白い、僕を落として後悔しても知らないよ』と言葉を残し脱落。ライダー同士で足を引っ張り合う行為に対して否定的だった景和も最終的に集団を巻き込みライダーを陥れる引き金を引く事になったため、今回の話は景和に新たな変化をもたらしそうである。

一方吾妻道長はニラムたちの手によって再びジャマーガーデンに戻されていた。退場者の生存がバレてしまってはデザイアグランプリのリアリティーは損なわれる。バッファは死すべきかというサマスの問いにニラムは『もちろん彼には期待してるよ、ジャマトとして生まれ変わり番組を盛り上げてくれる事をね』と言うのだった。

道長は別の運命に巻き込まれ翻弄されていき、『デザスター問題』も未だに解決しておらず……という状況で今回のエピソードは幕を閉じる。タイクーンの支持率が上がっており、デザ神にリーチがかかりつつある状況で景和がお人好しの自分を捨てるのか気になるところだ。


◆ギーツ19話コラム

・永徳!永徳!永徳!永徳!

よくぞここまできたものだ

さて、今回でチラミGM期のデザイアグランプリ第2回戦ジャマーボールが完結したのだが、やはり今回は永徳氏のアクションがとてもよかった。
ボーンジャマトの正体を見て動揺する葛藤の姿、五十鈴大智にデザスター疑惑をなすりつけられても奮起する泥臭いアクションの良さが極まってて最高だったのだ。
そして今回はみんな大好きオフィス内アクション。特撮とオフィス内アクションはとても相性が良く、整列されたデスクを飛び越えジャマトの攻撃を避け突破する横スクロールのカメラで展開されるノンストップアクションには魅了されてしまった。

仮面ライダータイクーンは2話から参戦し、序盤はズブの素人ポジとして腰の引けた不慣れな戦い方をしていたのだが邂逅編を経て謀略編を越え、今回までの成長ぶりがとても良かった。一本筋の通った成長アクションというのは本当に見て痛快だ。
今後の展開は果たしてどうなるか気になるところがが、ケケラに『お人好しの自分を捨てろ』と言われたので今後非情に徹したタイクーンがみられるのではと期待してしまう。
今後も仮面ライダーギーツにおける仮面ライダータイクーンのアクションが楽しみだ。


◆巻末雑記

・【朗報】語ろう中田ヒーローズ2のアンケート企画の回答が無事二桁集まる

流石のぶっちぎり

というわけで巻末は語ろう中田ヒーローズ2の進捗について。
現在、特撮アクション評論アンソロジー語ろう中田ヒーローズ2の誌上企画アンケートを取っておりますがアンケートのうちの一つ『中田裕士キャラ総選挙2023』の投票数が11票を越えました!

1月中に二桁に乗せられてよかったです!ありがとうございます!
引き続き回答を受け付けておりますのでよろしくお願いいたします。

そして『語ろう中田ヒーローズ2』『評論部門』『イラスト部門』の参加者も募集しております!
TwiPla窓口かDMで申し込みしていただけましたら折り返しご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。

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