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仮面ライダーギーツ第27話『慟哭Ⅲ:たのしい戦国ゲーム♡』感想

◆アバンの雑記パート

・GIGA特撮チャンネルにて『巨大ヒーローヴィクトリアス』が配信開始

当noteでも定期的に話題にさせていただいているGIGA特撮チャンネル
一部の特撮ファンの間でも『全年齢特撮番組×特撮AV』という新たなメディアミックス形態で人気を馳せており、今回3月17日よりその第9弾『巨大ヒーローヴィクトリアスが配信された。

今回の題材は巨大ヒーローものという事だが、今作の監督はGIGA特撮チャンネルで作品で魔法美少女戦士フォンテーヌを担当した羹灼監督がメガホンを取っている。
第1話の感想としては王道の巨大ヒーロー作品のストーリーと設定を踏まえており、オープンロケーションでの撮影の爽快感や『訓練漬けで気づけば30代』等のちょっとしたギャグもありなかなか面白かった。

出典『巨大ヒーロー ヴィクトリアス オープニングムービー』より

YouTube版主役ヒーローのヴィクトリアスはYouTube版だけで終わってしまうのがなかなか勿体なくなってしまうレベルで造形がよく、スーツアクターさんのアクションもよかった。そして……



ピンチもよかった。

いやはや巨大ヒーローモノといえば大怪獣プロレスですが、ヴィクトリアスはそこから少し踏み込んだ描写だったような……?(疑心暗鬼)


狙い通りなんですか監督……?


王道のピンチ、逆転勝利。それでも次回予告で両手を凍結され怪獣に腕を踏みつけられるヴィクトリアスの姿が。
まさか……AVに出られない分『ソッチ』で頑張らされるのか……!?(最終回で磔来るじゃん……)

出典『巨大ヒーロー ヴィクトリアス オープニングムービー』より

何はともあれとても楽しかった、GIGA特撮チャンネル最新作『巨大ヒーローヴィクトリアス』
今回よりOPクレジットにAV系事務所だけではなく一般向け事務所も並ぶ形となっており、この形態でのメディアミックスが業界で浸透しつつあると感じるのだ。
特撮の世界は無限に広がって然るべきだと思っているので、今後のGIGA特撮チャンネルの発展にも期待したいと思う。

とりあえず最後に注意書きとなってしまうが、GIGA特撮チャンネル作品はすべて『全年齢特撮ドラマ×特撮AVのメディアミックス作品』となっている。
YouTube版については『全年齢作品なので未成年が見てもOK』だが『それ以降のエピソードの閲覧は推奨されない』というのを注意しておこう。


◆仮面ライダーギーツ第27話『慟哭Ⅲ:たのしい戦国ゲーム♡』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:坂本浩一

・英寿の様子がちょっとおかしいんだが

5人のデザ神の願いを背負う負担は尋常ではなく……

前回、かみなりジャマト祭りにてギーツがブーストマークIIバックルを手に入れ仮面ライダーギーツ ブーストフォームマークIIとして覚醒。
ニラム曰く『過去に保留にされていた5人のデザ神の願いが同時に叶った』という事なのだが、気になるのはデザ神の名前が共通して『エース』の名を冠する者であるという点である。西暦元年からデザイアグランプリで戦い続けているという事は彼は過去のデザ神の概念を全て集結させた存在という事なのか。

この大いなる覚醒の後、英寿は眠りにつく頻度が増えていた。今までずっと完璧で、戦いの場であろうとそうじゃなかろうとも隙を見せなかった英寿が隙を見せるのは少々おかしい。
過去のデザ神たちの願いを叶えた力を手に入れたという事は過去のデザ神たちの力を同時にその肉体に背負い込むという事であり、その負担は英寿自身にすらコントロールできない程なのだろう。

景和はそんな英寿に疑問を抱きながらも同じ人間だと思い安堵するのだが、そんな彼の前に現れたのはジーンだった。
ジーンは英寿の様子がおかしい事について『真っ赤なキツネの影響』というのだが、前回の景和たちは英寿の闘いに居合わせていないため真っ赤なキツネ自体が初耳の情報である。オーディエンスの立場ゆえに戦いを神の視点で見られるジーンと参加者の景和たちの認識のずれがなかなか奇妙で面白い。

一方のベロバはあらたなジャマトグランプリを開催しようとしていた。ベロバの権限によりジャマーエリア内はほぼ時代劇のような街並みに書き換えられているのだが、所々現代の街並みを残しているあたりベロバ自身の過去の日本に対する知識レベルの問題かなと一瞬思ってしまった。ケケラも詳しく過去の話を知っているわけではないと言っていたし。

兎にも角にも英寿の常時の眠気という不安材料を抱えながら第2回戦『戦国ゲーム』は開幕した。

・第2回戦『戦国ゲーム』、そしてジーンはエースの正体を探っていく

八雲栄守さん……?

ジーンが景和に英寿についての探りを入れていたところに戦国ゲームの開幕を告げるほら貝の音が鳴り響く。
景和と祢音はそれぞれ忍者、華やかな女侍の衣装に書き換えられており、ジーン曰くゲームの敵キャラとして設定されてるから書き換えられたとのこと。なるほど、過去のデザイアグランプリでジャマトがゲームに合わせたコスプレをしていたのはそれが理由という事か。
しかし敵として出てきたジャマトたちも忍者の恰好をしていたため、彼らは自分の意思でコスプレを行っている……と考えると少々微笑ましくなってしまう。
食われる側として景和たちは応戦すべく立ち向かう事になったのだが、やはり坂田監督。素面のアクションをしっかりと魅せていく。忍者刀、日本刀をそれぞれ駆使して戦ってからタイクーンとナーゴへ変身。変身前の予備動作の間でもアクションするのも監督特有の演出である。

そしてジャマーエリア内には城が出現、ベロバは天下の長のようにその王座へ着いた。大智はこの天下分け目の闘いにとても乗り気であり、やはり楽しそうだと感じてしまう。
バッファももちろんこの戦いに参戦。ライダーたちを斬り捨てると目的の場所へと向かっていく。このゲームの目的は『敵陣の大将・ニラムからベルトを奪う事』であり、あくまで仮面ライダーはそれを邪魔する敵キャラクターに過ぎない。故にバッファにとってはそこまで構っている暇などないのだ。

デザイアグランプリの本陣では自身も書き換えられてしまった大将・ニラムが武将の恰好をして鎮座していた。
バッファ率いるジャマト軍団が現れ、大将として引き出されたからには戦うしかないとベルトに手をかけたところでタイクーンたちがそれを護衛しようとする……が、ジャマトグランプリで強化されたバッファ&ジャマトたちが相手とあっては流石に不利である。が、こちらにも最強のデザ神・浮世英寿がいる。現れた浪人・浮世英寿はジャマトたちを切り捨てると一言

「不埒なもののけは俺が退散させる」

ここを単純にはスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズだからコスチュームに合わせたセリフをキメたと考えるか、英寿の中にある『八雲栄守の人格が影響した』と考えるかは人それぞれ。ブーストマークIIバックルをセットし、仮面ライダーギーツ ブーストフォームマークⅡへ変身すると目にもとまらぬ勢いで次々とジャマト達を殴り飛ばしていく。ただでさえノンストップアクションが売りのギーツなのにマークⅡになってから更に超速アクションが凄くなってしまった。
そしてリボルブオンでビーストモードもしっかり魅せていくスタイル。これぞ1号ライダー、強化フォームを獲得しても即産廃にしたりしないのは流石である。獣のように駆け抜け、バッファすら食らい撤退させる事に成功し、情勢不利を見たベロバの手により第1ターンが終了。

戦いが終わるも、英寿の様子がおかしい。景和たちのバックルに対する問いにろくに答えようともせず、その場で失神してしまった。
倒れた英寿をデザイアグランプリのサロンのベッドルームで寝かしつけた後、ジーンは真っ赤なバックルについて正体を探りたいと景和たちに言った。オーディエンスの立場ゆえ過去に英寿がしていた『西暦元年からデザイアグランプリに参加している』という発言を気にしていたジーンはそれ以外の発言を集めようとしていた。デザイアグランプリのカメラはライダーたちの全て見通しているわけではないのだろうか、まぁ参加者の完全パーソナルな部分を生配信……なんてことをしているわけではなさそうなのでやはりカメラの死角となるタイミングはあるのだろう。
そして祢音が出した情報は『母に会いたい願いを拒否された』という事だがジーン曰く母に会いたいという願いを書いた場面を見ていないとのこと。ジーンは英寿ではない別の人間が書いた願いと推測立てるのだが、過去回想場面の『エース』は縦書きで願いを書いていたのでこちらの願いは過去のデザ神『八雲栄守』が書いた願いという事になるのだ。

引き続き英寿の正体について探りを入れるべくジーンが向かった先はニラムの元だった。
そしてジーンは戦国時代の頃に『興味深い願い』を書いたデザ神『八雲栄守』が居た事について言及。ニラムは『彼について探ってどうするのか』と言うのだがそれに対するジーンの答えは『感動したいから』だった。
ジーンはニラムに『戦国時代のエースの願いはかなえられたのか』と問うのだがその答えは『君の想像通り』との事だった。つまりニラムは過去のエースたちの願いは叶えられたというのを暗に認めたのだ。
恍惚するジーン。ジーンにとって浮世英寿は憧れの存在だった。生き様も、死に様も、願いの為にもがき足搔き戦い続ける絶対的ヒーローの真相に迫るのはそのヴェールが剥がされた姿に迫る行為となる事に彼は気づけているのだろうか。

一方、ジャマーエリア内に出現した城を発見したチラミはヴィョンドライバーを取り返すべく立ち向かおうとしていた。もちろん現状ゲームマスター内でも実力最下位、戦う能力も持っていないチラミの無謀な戦いをツムリは止めるのだが案の定ジャマトライダーを率いたベロバが現れた。
ツムリは確固たる意志で貴方達がプロデューサーに叶うはずないというのだが、ベロバはヴィジョンドライバーの変身能力さえ得られれば勝てると言う。そしてそのためにチラミの指紋を奪いにきたとのこと。指紋を奪うためジャマトライダーたちにチラミとツムリを襲わせるベロバ。貴重なツムリのアクションシーンは坂本監督ゆえか。
そして指紋を奪うと聞いて一瞬指を切断するのかと思えばそういう事ではなく、チラミの指紋をスキャンして自身の指紋にデザインしなおすという事だった。よく西暦元年持ってたなこのガバガバセキュリティデザイアグランプリ。参加者視点で長いだけで実際の歴史自体は浅いのかもしれない、未来で出来上がった新しいエンターテイメントっぽいので。
いやはやレーザーレイズライザーで自身を好きにデザインできると分かっているはずなのに迂闊に前線に出てきてしまうチラミはやはり無能すぎる。
そしてベロバは用なしといわんばかりにチラミを捨てて去ってしまった。

・輪廻転生を繰り返す男

失いたくない自覚

デザイアサロンの寝室で目覚めた自身の意識消失に気づけない事実に困惑し、サロンの休憩所に出た英寿は待ち伏せてたジーンに遭遇。
ジーンは英寿の正体に気づきそれを伝えにきたのだ。初参戦から圧倒的な実力を魅せ続け、デザグラで世界を書き換えられても記憶を保持し続ける理由は本当に西暦元年から何度も転生してデザグラをやり続けてきたからだという。ジーンの推論は『英寿は前世の記憶を受け継ぐ特別な力を持っている』との事であり、そんな途方もない超理論で英寿の事を信じていた。
エースは2000年前に生き別れた母、ミツメを探すために輪廻転生を繰り返し、時にデザグラに参戦し、時にはデザグラに関係の無い人生を過ごしていた。個人的に輪廻転生の中にも女性だったり人間だったりするエースが存在していたのかもしれないなと思う。
しかしそもそも何故そんな能力を持っているのか。そんな事はさておきジーンは『エースに秘められた悠久の物語』にをしていたのだが、英寿の表情はひたすらに冷たい。2000年繰り返し続けた切実なる人生に物語のラベリングを付けられ娯楽として消費されているのは不快を通り超して無の領域に入る物だろう。しかしそれでもジーンは英寿の様子を見てその体調を慮る。
極限のスピードに体が追い付いていない。ジーンの言葉に『ただの時差ぼけのような物』と返す英寿だが、やはり負荷の理由はスピードではなく『5人分のデザ神の力を使えるようになってしまったから』というのが正しいのだろう。

ジーンの動きについて景和経由で話を知ったのはケケラだった。
そういえば何故サポーターたちはライダーを推しているのか、ふと疑問に思った景和はケケラに問う。動機は人それぞれとのことで、ジーンの理由については特に言及しないとの事だ。(ちなみに肝心のケケラについては『お前の活躍を見て笑えればそれでいい』とのこと)
そして祢音もキューンにジーンの動きについて言っていたのだが、キューンが危険視している事実が興味深い。それじゃキューンについても警戒しないとねと返され、手紙でしっかりと聴いていたキューンはこんな事は面と向かって言えないとの事でやはり彼は恥ずかしがりやのようだ。

5人のデザ神の願いにより想像を超える負荷がかかっていた英寿はふらつきながら敵の元に向かおうとしていたがついに倒れてしまった。完全に気を失い無防備になった状態を襲おうとしていたジャマトライダーを止めたのはジーンだった。
エースの真相に迫り、彼を守るべく戦うジーン。ジャマトライダーは普通に倒せたのだが、そこにベロバが現れ『サポーターが直接手を貸すのはジャマグラでは禁止されている』と言った。しかしジーンが愛するのはデザイアグランプリでありジャマトグランプリではないためベロバの理屈に耳を貸す義理はなく、構図はジーンVSベロバへ移行。
そしてここで姿をみせるのは仮面ライダーグレアⅡ(ベロバ)だ。チラミの変身権限を獲得した事により等身大での変身を可能とした彼女のスーツアクターを演じるのは仮面ライダーナーゴの宮澤雪氏である。
そしてジャマトライダーのアップグレードを行い、共に追い詰めていく。やはりサポーターライダーの中でも最強格と名高い彼女と組んだらジーンにとっては圧倒的に不利であり、敗北してしまった。
そしてベロバはジャマトライダーたちに英寿を拘束するように指示し、処刑に踏み切ろうとする。

英寿の生き様も死に様も全て見届けていたい、そう言っていた彼が初めて英寿の死を否定した瞬間だった。
ジーンは推しの真相に足を踏み入れる事により、推しではなく一人の人間としての姿に触れてしまった。故に死を拒絶したのだろう。
彼はすでにフィクションもドキュメンタリーも超えて真実の英寿の傍に居ようとしているのだ。これは他のサポーターが抱いていなかった一線を越えた情なのである。


◆ギーツ27話コラム

・エースの輪廻転生には女の子の世界線もあったのでは……?

ありがとう解釈の余地。

今回『浮世英寿は西暦元年から転生を繰り返している』という設定が開示された仮面ライダーギーツ。この設定については最初から決まっており、あらかじめ浮世英寿役の簡秀吉氏には伝えられていたとの事[1]
故に西暦元年からデザイアグランプリに参戦している事も真実であり、21歳である事も真実であり、原初のエースの母親がミツメだったことも今の英寿に父母が存在している事も事実なのだ。
こうなってくると英寿の存在自体がありとあらゆる世界線が折り重なっていった物と結論づけられ、その中にはきっと女性として生まれてきたり人外として生まれてきた世界線も存在していたのだろう。浮世英寿はありとあらゆる可能性が内包された存在であり、そこまでの文脈を考えるとキャラクター性が更に味わい深くなるかもしれない。

だがエースが『ありとあらゆる世界線が折り重なった存在』ならば八雲栄守時代に願った母親に会いたいという願いについても『デザグラに不都合な願いだったから』ではなく『どの母親か分からないから』という理由で受理されなかった可能性がでてくるのだ。
勘違いの悲哀か、それとも本当にデザグラに不都合な理由が含まれているのか。その真実は今後の展開で明らかになるだろう。

【参考資料】
[1].仮面ライダーギーツ│仮面ライダーWEB【公式】内『28話
慟哭Ⅳ:絆のレーザーブースト!
』より


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2の一次募集締切は3月31日です。

6月に追加エントリー枠開設を検討中

さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画語ろう中田ヒーローズ2の参加者を募集しております。
今回は前回もありました『評論部門』に加え中田裕士さんの演じたキャラを描いたりダイマ画像を作ったりする事ができる『イラスト部門』も募集しておりますので文章が苦手な方もお気軽にご参加ください!

3月末に一次募集終了予定ですが、4月より既に参加している人限定で部門を越えた応募を可能にする予定です。6月になったら完成原稿のみで受け付ける追加エントリー枠を募集するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

【応募フォーム】

※現在の参加者一覧はこちらになっております。

・アンケート企画ももちろん実施中!

恐らく4月に調節あります

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!皆様ご投票ありがとうございます!
ちなみにですが現在、資料投票の方が全く集まっていない状況ですので4月になったらほぼ確実に何かしらの発表は行うかもしれません。

キャラクター人気投票は引き続き受け付けておりますので是非ともよろしくお願いいたします。

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