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仮面ライダーギーツ第35話『慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い』感想

◆アバンの雑記パート

・中田裕士キャラ総選挙実施中

巻末宣伝コーナーでも書いておりますがアバンでも宣伝しておかないとなと思い告知。

現在C102合わせの特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2』のアンケートの回答を募集しております。
今回はシンプルにキャラクター人気投票で決着付けようぜという企画です。

回答もっと欲しいのでぜひともよろしくお願いします!
理想の世界を叶えましょうね!!


◆仮面ライダーギーツ第35話『慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:福沢博文

・デザイアロワイアルが開幕し

基本的に危険な男しか生き残らない

ギーツの復活と反逆、そしてケケラが夜明けのオタクムーヴで沙羅をデザイアロワイヤルに引き込んだりと怒涛の展開を見せた先週の仮面ライダーギーツ。創始者のスエルによって世界の決定権をゆだねるこの戦いでは展開こそあるが、今回は福沢監督のコミカルな演出の味わいもありすこしばかり肩の力を抜いて楽しめる部分もあった。

冒頭の場面は祢音によるデザロワのレクチャー。基本的なアイテム用語やライダーに関する説明を書いた物を沙羅に読ませていた。英寿とも戦わなくてはいけない事実に驚愕する沙羅に祢音は『エントリーしているのは危険な男子ばかりだから無理をしないように』と忠告。
景和を二度と戦わせたくない意思を固めていた沙羅はそれでも弟を守るために戦う意思を示すのだが、前回ケケラの謀略によって再びタイクーンへ変身したのは気づいていない様子だった。
一方景和は沙羅の変身がケケラの差し金によるものだと知り大激怒。ケケラは本人の意思だからと言い訳をし、『味方が多い方が有利になる』と言うのだが景和は姉には秘密にしてほしいと言った。ケケラは大きな声で驚くのだが、もしかしたら姉弟共闘プランも存在していたのかなぁと考えてしまう。ケケラは恐らく、あくまで純粋に桜井景和の『ヒーローとしての素質』を信じているのだろうなと思う。そしてより光り輝くためのプランを考えてしまうのだ。

そしてそんな中、デザロワのゲームマスター・スエルから新たな指令が下されたのだがその内容は

・これまでジャマトに奪われたIDコアの回収
・期限は3日間
・一番多く獲得した人には『指名した人間を脱落させる権利』が与えられる

という物だった。
このゲームルールはチート能力を持ったライダー・バッファが出現したための特別措置とのことだが基礎能力自体は上がっていないバッファを潰すには正攻法以外のルールを作るだけで十分というスエルの判断なのだろう。

英寿もすぐに向かおうとするのだがそこにジーンが現れた。
デザイアグランプリをどうするつもりなのかと問われるのだが英寿にとっては『母親さえ救えればデザイアグランプリに用は無い』という心つもりである。だがジーンはその言葉を聞いても否定せず、レイザーレイズライザーを託した。推しの覚悟と望む未来に付き従う心つもりではあるが、その果てにあるのは推しとの別れである。デザイアグランプリが終わったらもう会う事ができない。その未来をジーンは予測しているのだが、その意味は過去と未来の断絶なのかはたまた創世の女神の効力が失われる事によって英寿に何かしらの影響を及ぼすという事なのかは分からないのだ。

・沙羅が心配な景和は……

ギャグチックなやりとりが印象深い

デザイアロワイヤルの戦いの場に強制移送されたライダーたち。
そこはかつてベロバが消滅させたジャマーガーデンのあった場所だった。祢音と沙羅はスパイダーフォンの探知機能でIDコアの位置を知れる機能を使い、早速探しに向かうのだがそんな二人サバイバルゲーム初心者のようなバレバレの擬態ファッションで追うのが姉が心配で仕方ない桜井景和である。この辺りの描写はどことなく戦隊日常回のようなコミカルさだが、そんな中早速沙羅たちの前に危険な男子代表・吾妻道長が現れた。当然二人は変身し、戦いながら隙を突いて逃げる作戦に出るのだがバッファの超パワーがそうはさせない。さて、どうする桜井景和。
即タイクーンに変身するものの、姿を見せる事をしてはいけない。とりあえずは透明になる布を身にまとい隠れ身の術(今までそんな使い方した事あっただろうか…?)をしてから援護に入る方向に。そして大胆な介入をせずバッファの足をひっかけるだけというのが小さくていい。足を引っかける行為がライダーの攻撃判定を受けなかったのはやはりマントと角を回避したおかげなのだろう。

そしてもう一方の情勢だが、英寿は野良ジャマトを駆逐しているナッジスパロウと遭遇。ナッジスパロウは早速『共に組んでバッファを脱落させよう』と協力を持ちかけるのだが二度も三度も信用できないムーヴをやってきたので英寿は全く信用しない。
組まないのならIDコアは渡さない、その言葉を皮切りにギーツVSナッジスパロウが開戦。ナッジスパロウ的には格上のギーツに対して戦うのは得策ではないため目くらましをして一時撤退。
そして彼が向かったのはIDコア回収作業を一時的に終わらせた祢音&沙羅組がいるデザグラサロンだった。当然のごとく警戒する二人だが大智は三文芝居でしおらしく謝罪したうえで獲得したIDコアを広げた。英寿がダメなら頭が許そうな沙羅を狙うのは聊か蝙蝠野郎が過ぎる。

だがそんな蝙蝠野郎の罠にまみれた交渉を許さないのが景和だった。今度は代理でタヌキの置物を置き、物陰から『だまされるなポン』とアドバイス。
沙羅のサポーター『ポンチッチ』を名乗るのだが、立ち上がり置物を見た祢音に気づかれてしまった。姉には内緒でという景和の言葉を受け祢音はフォローに入る事に。弟を騙した前例のある悪いヤツ。警戒するに越した事がないのは当然である。
大智はそれに対し言い訳するつもりは無いと言った。理想を叶えるためならどんな相手だって利用する、時にはジャマトの味方に、時には君たちの味方になる。『現在は君たちの陣営に属している』というスタンスを示すのだが二人を信用させるには至っていない。そして大智は追加で持っているIDコアを沙羅に渡すと言い、『一番になってバッファを脱落させる事』を提案。
ポンチッチ(景和)は悩みつつもそれを承諾し、大智は『流石お姉ちゃん想いの弟くん』と言った。最初からポンチッチの正体が景和である事を察したうえで交渉したという事なのか、景和の性格的なものを考えるとより即物的な提案をすれば引っかかってくれると察したのだろう。
沙羅がサロンから去ると景和は姉には内緒にしてほしいと言った上で大智に『姉を傷つけたことは許さない』と釘を刺した。

深刻な雰囲気ではあるが沙羅を心配する景和の七転八倒はコミカルなテイストだったのは面白かった。

・英寿と道長が結託することに

五十鈴・クソ・復帰しそう・スズメさん

「握りつぶす気ならおすすめしないぞ」

必死にかき集めないと脱落するのはお前かもな、と道長の元に英寿が現れた。そんな事言いに来たのかと相手の言葉を煽り半分の物だと捉える道長。そんな彼に腹減っただろと英寿が渡したのは牛めしおにぎりでありちゃっかり煽り要素を入れてきているのだが、孤独の戦いを行う者におにぎりを差し入れる行為は謀略編でツムリから受けた恩義を覚えている故の行動に思える。
背に腹は代えられないのか律儀に受け取り食べる道長に英寿は残されたライダーについて説明する。タイクーン、ナーゴ、ナッジスパロウ、そしてハクビ。道長はデザグラ否定派についた英寿について意外に思うのだが、母親を救うためだという言葉を聞き納得して受け入れた。ここで対立してきた二人が結託するのだが、理解されずとも目的のための願いを叶えようとする二人のスタイルは実は近かったのだろうなと思う。

前半のシリアスな中にもシュールな笑いもあった桜井姉弟のエピソード、そして英寿と道長の男同士のハードボイルドなシーン等があったがそれらを見つめ葛藤するのはツムリである。
ライダー同士が戦うなんてというツムリにスエルは『一ナビゲーターの意思なんて求めていない』と言う。
所詮この世界はショーの1ステージ、賞味期限が切れれば打ち切るだけ。この世界から撤収し全てを無かった事にする。スエルは報酬を与える気などさらさらなく、おそらくIDコアの回収なんていうミッションを与えたのはバッファ潰しの為ではなく撤収前のゴミ拾いの要素も兼ねていたのだろう。祭りが終われば屋形を崩しゴミも回収、当たり前の事ではあるがライダーたちに何も知らされていないのはつらい。

2日目。大智は探索していない河原にIDコアがあるかもしれないから探索してほしい、自分はギーツとバッファを引き付けると作戦を提案。そしてその裏で道長に連絡を取り、『ナーゴとタイクーンの姉弟が南側の河原に向かう』とリーク。目的はデザスター戦で自分を脱落させた恨みを晴らす為だという。だが、こうやって安易に作戦をバラす行為の意味は何なのだろう。あっさり私怨の為に協力してほしいという意思を示すのは彼が感情的になっている証明だろうか。

移送後、祢音たちの前に英寿が現れ、大智の罠を告げると沙羅は頭を抱えた。欲張るヤツほど痛い目を見る、昔から言い伝えられた舌切り雀のおとぎ話。まさか雀本人が痛い目を見るとは皮肉だなと言う英寿。
だから誰も信用するな、ライダー全員敵だと思え。だけれども祢音は沙羅とは味方同士だという。デザグラを存続させる事ができればそれでいい、その内心はいつか鞍馬祢音を忘れた世界を叶える事ができるのだという事である。そして英寿に何故攻撃しないのかを問いかけるのだが、自分の敵は運営だからと言い、沙羅や祢音そして景和を攻撃する事なく立ち去って行った。

そして大智の元に現れた道長の状況だ。
『どいつもこいつもバカばっか』
と周囲を見下し続け、傲慢な作戦で再び周りに感づかれた大智に道長は『お前の二枚舌俺が切ってやろうか』という。冷静さを保とうとしながらも『黙れ、創世の女神から貰った力が無けりゃ勝てない癖に』青筋が切れそうな返しを行う大智に冷静さは無い。
そして道長はバッファに変身し、大智もナッジスパロウに変身し向かっていくが当然敵うはずもなく叩き潰されるがままである。敵わないのなら逃げるしかないと逃げ出すもそれを許さないバッファ。計算を超えた状況に混乱しながらも再びがむしゃらに戦おうとするナッジスパロウだが結局は敗北。バッファにIDコアを奪われ破壊された大智は『これで終わりだと思うな!』と叫び消滅。容赦ない戦い方と空撮の仕方がとてもよかったなぁと思った場面だった。

面白くない結末に落胆するベロバとケケラだが、そんな中安易にナッジスパロウ退場で終わらせない展開が。
突如バッファに襲い掛かるダンクルオステウスジャマト。当然効果の対象外であったためバッファはナッジスパロウのIDコアを取り落してしまい、ダンクルオステウスジャマト=アルキメデルに奪われてしまった。

そしてツムリの目の前にニラムと晴家ウィンが現れる。そんなウィン、頭部爆散されたはずではと思ったのだがスエルの権限で復帰できたとの事。
ニラムはツムリに向かい世界からの撤収を宣言。
デザイアグランプリが終了するとき、この世界からデザグラに関する事実と記憶が抹消される。記憶だけならともかくとして事実が抹消される……と言う事については当たり判定が気になるところ。創世の女神によって無から生み出された存在は存在してはいけない事実として消えてしまうのだろうか……?


◆ギーツ35話コラム

・まずは福沢さん初監督の話に合わせ中田裕士さんとの関係性の話をしたい

ホントにこんな構図です

さて、今週の仮面ライダーギーツ35話だが福沢博文監督である。
福沢博文監督は『未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』の撮影中に当時のアクション監督である竹田道弘監督からの誘いを受けて2001年『百獣戦隊ガオレンジャー』でガオレッド役を務め、それ以降数多くの戦隊でレッド役を担当したレジェンドスーツアクターであり、2012年以降はアクション監督の舞台に活躍の場を移し『特命戦隊ゴーバスターズ』から『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』までのアクション監督を務めた名手である。

そんな福沢監督仮面ライダーギーツのスーツアクター・中田裕士さんとの縁は深い。
2014年『烈車戦隊トッキュウジャー』にて中田裕士さんをラスボス・闇の皇帝ゼット(怪人態)役に抜擢したのは他でもない福沢監督であり、その理由は『ふてぶてしいから』『他人と距離を置く立ち位置がゼットの役柄とあっていた』とのこと。
そのこともあってか中田裕士さんは福沢監督には強い信頼を置いており、スーパー戦隊シリーズ時代の資料ではその一端が伺える。トッキュウ完全読本では緊張気味の中田裕士さんにフォローを入れたり、ニンニンジャーの資料では定期レベルで福沢さんの話をしているのだが、当人からしたら自分の人生に革命を与えた存在であり、現在の立ち位置を得るまでの背中を押してくれた存在なので当然の事なのだ。

しかし久々に資料を見返したが初めてのインタビューでは緊張しまくり付き添いの福沢さんも登場するレベルだった中田さんも今では成長し、インタビューの場で色々話せるようになった気がするのでついつい親の気持ちになってしまう。あ、マジでUG成長してるんですよ。マジで。

【参考資料】
・烈車戦隊トッキュウジャー公式完全読本


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2の二次募集は5月末までです。

さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画語ろう中田ヒーローズ2の参加者を募集しております。
今回は前回もありました『評論部門』に加え中田裕士さんの演じたキャラを描いたりダイマ画像を作ったりする事ができる『イラスト部門』を募集しております!お気軽にご参加ください!

4月より既に参加している人限定部門を越えた応募が可能となりました。二次募集は5月末ですが、6月になりましたら完成原稿のみ受け付ける追加エントリー枠を募集するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

【企画概要】

【応募フォーム】

※現在の参加者一覧はこちらになっております。

・アンケート企画ももちろん実施中!

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!中田裕士キャラの頂点を決めろ!『中田裕士キャラ総選挙2023』の締め切りは6月30日です!皆様これからもご投票ありがとうございます!

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