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仮面ライダーギーツ第20話『乖離Ⅳ:ジャマトからの宅配便!』感想

◆アバンの雑記パート

・【朗報】東映特撮YouTubeOfficialにて『ロボット110番』配信開始

というわけでアバンの雑記パートは久々に特撮全般トピック。
今回は東映特撮YouTubeOfficialにて『ロボット110番』が配信された件について触れていこうと思う。

ロボット110番とは70年代の大ヒット特撮番組『がんばれ!!ロボコン』の後番組として制作された作品……なのだが、沢山の個性的なロボットが魅力的だったロボコンに比べレギュラーロボットが4体という少なさにスケールダウンした事や、ビジュアル面の差別化の足りなさ、そしてロボット学校からロボットサービスセンターという会社へ舞台を移したことにより収支を考えなくてはいけないお仕事物に変化したが故に低迷し、打ち切りとなった作品である。
序盤の印象的にロボット110番の内容は『ロボコン社会人編』という印象であり、そのためロボットたちへの採点方法もロボコンの『1回のエピソードでやったことのテスト採点』から『1週間の収支を計上しマイナスを出した者には罰則を科す』という内容となっているのだ。

ロボコンは学生なので失敗しても0点になるだけだが、ガンちゃんは社会人なので仕事上の失敗をしてしまったら自身の借金となった上にガンツ先生ポジションであるミスターチーフにバッテンパンチ(鉄拳制裁)を受けてしまうのである。
しかもガンちゃんは一週間の電池代が7000円かかるため、意図せずして『大人になったら自分で食費も稼がなくてはいけないのだ』という社会性に満ち溢れたメッセージを与える事になっている。
ガンちゃんたちはいつか新しいロボット研究所を作るという夢ために働いてるのだが勿論、最低限生きるためのお金も稼がなくてはいけないのだ。そう、社会人は『夢』『生』に折り合いをつけて生きなくてはいけないのである。

コメディを名乗るにはテーマや設定が些かシビア過ぎるので商業的に失敗した事自体には納得はいくのだが、それでも社会人としてガンちゃんに思い入れを持ってしまうのだ。
何はともあれ金曜22時という一週間の労働に最も想いを馳せるであろう時間に配信される『ロボット110番』、とりあえずは視聴継続していこうと思う。(社会との折り合いに負けたら挫折するかもしれない)


◆仮面ライダーギーツ第20話『乖離Ⅳ:ジャマトからの宅配便!』感想

脚本:高橋悠也/監督:山口恭平

・フルーツ型の爆弾?

沙羅の元に不審なパイナップルが…

前回、ジャマーボールで景和を陥れようとした大智が逆にデザスター容疑で吊るされ退場したデザイアグランプリ。デザスター問題についての真相は闇の中のままストーリーは進んでいく。
チラミGM期からリアリティーライダーショーである事を隠さなくなったため、冒頭から我々視聴者(オーディエンス)向けにご丁寧なルールの振り返りがあるのが非常に分かりやすくて良い。

ルール①『最終戦が終わった時にオーディエンスの支持がトップである事』
ルール②『ただしデザスターが見破れなかったらデザスターに横取りをされてしまう』

ジャマーボールが終わってからのオーディエンスの支持率は【1位ギーツ、2位タイクーン、3位ロポ、4位ナーゴ】となっており、単純な支持率でも最初は1パーセントだったタイクーンがギーツに迫っている状況だ。
そんな中、景和の元に姉の沙羅からの緊急の連絡が入る。内容は寒中見舞いで届いた果物のパイナップルが切れないという物であり、差し迫った声色に反した内容のくだらなさに景和は安堵し、帰ったら切ってあげると言うのだが期限は本日の日没までだという寒中見舞いのパイナップルに添えられた手紙はジャマト語の文章……というのがまた嫌な予感満点であり、その予感はチラミへの連絡という形で的中。
仮面ライダーたちが現場に急行するとジャマトがトラックから荷物を下ろしている現場に遭遇。あまり強くない配達員ジャマトと交戦するのだが、なんと配達員ジャマトが取り落としたスイカが爆発してしまった。

一旦デザイア神殿に戻るとジャマトからの犯行予告が届いており、その内容は『お前たちの世界に時限爆弾を仕掛けた タイムリミットは日没 爆発したら人質の命は助からない 永久に』というものだった。

不特定多数に生命を奪う物体を送り届け、命のリミットに晒されながら戦うミッション方式の戦いは小林靖子の戦隊脚本でありがちなものだがなるほど、今回のデザイアグランプリのゲームはそういう方向できたか。ジャマ―ガーデンのアルキメデルは脅迫状を書けるまでに知能が成長したジャマトに満足気な様子だ。道長も再びジャマ―ガーデンに引き戻され、デザイアグランプリは更に混迷していく。

こうして開幕したデザイアグランプリ第3回戦『時限爆弾ゲーム』の内容は単純明快『仕掛けられた時限爆弾を見つけて解除する事』である。爆弾を仕掛けられる前にジャマトを止めるのも有効な手段であり、ライダーたちは早速ジャマトに立ち向かっていった。
配達員ジャマトの戦闘能力自体はそんな高いものではなく、ギーツは最速でジャマトを倒しシークレットミッション『最速でジャマト一体を倒す』をクリア。アイテムボックスを届けてくれたスパイダーフォンにもきちんと礼をするのが不遜な中にもある根本的な礼儀正しさを感じさせてくれてよい。

そしてギーツが手に入れたバックルはマグナムバックルだった。販促等の都合により出番が少なくなりがちなこのバックルではあるがやはりギーツにはマグナムの白いシルエットが似合っているのだ。タイクーンもそれを褒めるのだがそんな和やかな空気感が続くはずもなくどこからリンゴが転がり込んできてそれが爆発。運よく怪我一つ無く済んだのだが周囲のジャマトを全員倒したのに爆弾が転がり込んでくるのもおかしな話である。
引っかかりを覚えたまま戦いは続き周囲のジャマトを倒す事には成功するのだが、時限爆弾の手がかりはなく得られた情報はジャマトが使用しているのはフルーツ型の爆弾だということのみ。
『フルーツ』『タイムリミットは日没』…その二つのキーワードで電話の真相に気づいた景和は急いで家に駆けつけるとそこにはパイナップル空伸びた配線にしばられた沙羅が。沙羅は景和についてきた英寿たちに黄色い声をあげる程度にはまだ余裕がある様子。景和はとりあえずコードを外そうとするのだが英寿に止められてしまった。丁寧に扱わなくてはいけない、二色の線の切る方向を間違えたら爆発する。そこで初めて生命の危機を抱いた沙羅は青ざめる。赤か青か、そして命のリミット。他にも届けられた場所もありそうではあるがそこに触れられていないのは少々気になるのだがギーツたちが初動の内に倒しておいたから大丈夫だったという話だろうか。

そしてその様子をオーディエンス席で監視していたのは鞍馬家の祢音の両親だった。母の伊瑠美は命の危険にさらされた現場にいる娘の姿に愕然とし問い詰めるのだが光聖は『世界平和に貢献すれば祢音の理想が叶う』『自立するいい機会じゃないか』と答えるのみだった。そして『心強いサポーターが付いている』と明かしたのだがやはりナーゴのサポーターは光聖という事なのか。祢音が家に囚われない理想を目指しているのに結局家の駒であるというのはなかなかに辛い物がある。
幼い頃に犯罪者に浚われそのトラウマを抱えている伊瑠美は即座に祢音に連絡を取りすぐその場から離れるよう言うのだがその言葉は祢音に『助けたい友達がいるから』という理由で拒否されてしまった。婚約者や身の安全を理由にして引き留めようにも祢音はそれを認めていないといい突き放していく。自分の幸せは自分で叶える事、今の祢音はそういった意思で進んでいるのだ。電話を終え、冴に大丈夫ときかれた祢音は優しく微笑んだ。

・吾妻道長のサポーターは

同担に嫌われそうなキャラ造形していてキャッキャしちゃった

ジャマ―ガーデンにて強い変異種になりそうだとバッファのIDを土壌に埋め込むアルキメデル。やはり道長も貴重なサンプル兼肥料として扱うつもりか……となった所に『そのIDコアを渡しなさい』と少女が現れる。
現れた少女・ベロバはジャマトのスポンサーであり早速吾妻道長に興味を示したようだった。意識を取り戻した道長はジャマトを支援しているスポンサーを名乗るベロバに困惑するのだがジャマトになりかけている人間に対する彼女の好奇心は止まらない。

「ねぇあんたって仮面ライダーをぶっつぶすのが夢なんでしょ?だったらあたしたちと組もうよ。」

その言葉に対して『お前もデザイアグランプリの運営か』という道長だがベロバはそれを否定した。人の不幸が大好物だから返答しだいでは理想の世界を叶えてやっても構わないという彼女の主張を嘲る道長だが勝つためなら手段は選ばないのなら利用しない手は無いじゃないと煽られ目の色を変えた。つまり道長は一旦はジャマトと手を組み戦う道筋を選ぶ事になるのだがあまりにも運命に流されすぎているのでベロバに流され良くない帰結に辿り着きそうなのが不安なのである。
しかしながら個人的な趣味としてクールで不愛想だけど根幹が真人間な道長と地雷系で狡猾で明らかに異常な女であるベロバの組み合わせは性癖に刺さる。キャラ付け的に『同担に嫌われそうな女』を地に足つけて歩いていきそうなのだが最終的に道長に秘められた強さに入れ込んでいくルートを行ってくれたらいいなぁと思う。縄田さんバッファにそっと寄り添うベロバの姿が見たい……

さて『時限爆弾ゲーム』の状況だが日没まで残り3時間少しばかりと言う段階で全く手がかりの状況だ。
参加者の家族が狙われるという深刻な状況で『自分の家族が標的にされたらと考えると冷静じゃいられない』と言う冴に祢音はどんな家族なのかと問いかけた。冴の家は沖縄料理屋で父が倒れ経営が回らなくなった貧困家庭でありつまり冴はずっと現役で居られる身体能力を得る事によって家族を養いたかったそうだ。家族を想いの彼女ではあるがこうやってピックアップされると死亡フラグもしくはデザスターフラグなのだろうなと感じてしまう。

一方の英寿と景和だが、こちらはフルーツとジャマトの結びつきに気づいていた。パイナップルの爆弾を使うジャマトをみつければどうにか突破口が見つかるかもしれない。ただ事件発生からデザグラ運営に通知がくるまでラグがあるので他にも届けられた人が居るかもしれないと考えるのが自然ではあるが、元を叩けば解除できると踏んでいるのならそれでいいのだろう。それと問題は自分たちに爆弾を投げたデザスターが一体誰なのかという事だ。ジャマトを掃討したのにも関わらず投げられたリンゴの爆弾。デザスターは確実に妨害しにかかっているのだ。
戦いが大きな局面を迎えそうな中チラミからデザスター投票の中間発表が行われ、結果は【ギーツ1票:ナーゴ1票:ロポ1票:未投票1票】と見事に割れた結果に。そしてジャマトの出現の一報が入り一同は現場へ向かう事に。

・急襲するバッファ!そして……

運命に狂い堕ちていく一方なのだがどうなるのだろうか

日没まであと1時間を切った段階でギーツとタイクーンは配達現場のジャマトに遭遇。パイナップルを使うジャマトを探すために戦いに挑むのだが倒した相手はパイナップルを扱ったジャマトではない。
パイナップルを扱うジャマトはどこだと周囲を見回すとなんと吾妻道長が現れた。スポンサーを獲得した事によりジャマ―ガーデンから出させてもらう事が可能になった道長はギーツたちの前に立ちふさがりジャマトバックルを装着し、苦しみながら仮面ライダーバッファジャマトフォームへ変身。そしてギーツはタイクーンにパイナップルのジャマトを探すように指示し、ジャマトに毒されより獰猛に荒々しくなったバッファとの戦いへ挑む。
タイクーンはナーゴ&ロポと交戦するパイナップル配達ジャマトを発見。いったん追いつめるも配達員ジャマトは廃工場内に籠城。ニンジャバックルでは突破できずタイクーンは強引に『そのバックルを貸せ!』とロポから強奪。いつにもなく荒々しい口調なのだが救いたい物を救うために他者に遠慮する事を捨てつつあるあるという事か。
仮面ライダータイクーンゾンビフォームになったタイクーンはゾンビブレイカーで廃工場の入り口を斬り開き泥臭く配達員ジャマトを追い込み暴力的に撃破。爆発後に残されていたパイナップルの配達員ジャマトの配線は赤だったため急いで沙羅の元へ戻ることに。

そしてギーツとバッファの戦いはマグナムでの銃撃VSジャマトフォームでの肉弾戦となっていた。相変わらずギーツの闘い方は盤石であり、飛びながらのマグナムシューターでの撃ち方は素晴らしかったのだがその華麗な銃弾をバッファは自身の角で弾き、タックルをして蹴り飛ばす。ギーツもすかさず銃を撃ち込みすかさず蹴りとパンチで反撃した。
スタイリッシュで華麗なギーツのアクションと死の淵を見て地獄を見て人の道を捨てつつあるバッファの獰猛なアクションの交差は非常に良い。
因縁の二人の対決の情勢はもちろんジーンも鑑賞しており、感嘆していたのだが来客者の気配を感じ即座に銃口を向けた。ジーンの所持している銃は明らかに何かしらのアイテムのようだが恐らく今後変身する伏線となるのだろう。侵入者はジャマ―ガーデンのスポンサーであるベロバだった。
ここは健全にライダーを応援するためのオーディエンスルーム、ジャマトのスポンサーが来ていい場所じゃないと言うジーンに対しベロバは『自分にもライダーの推しができた』と答える。
そんな彼女に恐る恐る『誰?』と問いかけバッファの方を指さされ安堵したような声を出すジーンは恐らく同担拒否勢、もしくは地雷オタクに推しにハマって欲しくない人間だったのだろう。ベロバにはオタクに嫌われて欲しいので後者であってほしいなぁと思う。

日没まであと一分を切ったタイミングで景和が沙羅を救出する事に成功した後もギーツとバッファの戦いは夜になっても続き、覚悟の一発を決めようとした直後に後にバッファの肉体に限界が来てしまい変身が強制的に解かれてしまった。流石の英寿も変身を解き心配するのだが道長は『お前を倒すのも時間の問題だ』と言い残しふらついたまま立ち去ってしまった。
吾妻道長の基盤はあまりにも一般人のものでありそれにもかかわらず運命に翻弄され人ならざる道に堕ちていく様はあまりにも痛々しくある。

ジャマトのスポンサーであるベロバがバッファの復活を支援しているという情報はニラムの方にも伝わっていき、ニラム直々に対応をする可能性にも言及された。つまりギロリ同様にビジョンドライバーを使い変身するという事なのか。
そしてデザスターについてだがこちらは仮面ライダーロポの我那覇冴である事が発覚。個人的には主要メンバーの一人であった方が意外性があって面白かったのだが次回の展開に期待したいところ。


◆ギーツ20話コラム

・若干デザイアグランプリの先が読める展開な気がするが

今回のエピローグでデザスターミッションのカードを拾う冴のカットが挿入され、デザスターがロポである事を匂わされたが些か安直すぎな気がする。冴ならば公式サイトや予告で『ついにデザスターの正体が』的な扱いをされるはずはなく、恐らくまた別の人間である可能性が高いだろう。
つまり冴が拾える女子部屋に居る人間・祢音である可能性が高いのだがここに来て4ライダーのうち一人が泥を被る展開が来そうなのは素直に興味深い

20話までの仮面ライダーギーツという作品は先の読めない作品にしようとしつつも令和入ってから『販促的に攻めた作劇』が増えた影響からか『メインの4ライダーが必要以上に出ない期間を作らないようにしている』という保守の印象を受けていたのだがここに来て攻めた展開になりそうなのは好奇心をそそられるのだ。

なんだろう。令和行ってキービジュアル通りに作劇の物が売られない、強化フォームが完全デバフ扱いで市場の物が無のレベルになっていたから怒られてしまったのだとばかり……
とりあえず次回のデザスターの展開が楽しみである。


◆編集後記

・Twitterの本垢と語ろう中田ヒーローズ広報垢が凍結されました

どぉしてだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2/2あたりから観測されているTwitter凍結祭りで本垢語ろう中田ヒーローズ広報垢が凍結されました。
うーん3月になったら大九州もあるし語ろう中田ヒーローズ2の参加者もさらに集めなくてはいけないのにこれはあまりにも辛すぎる。
とりあえず語ろう中田ヒーローズ2についてはGoogleフォームの参加窓口を開設いたしましたのでこちらからお申込みください。

【運営noteお知らせ】


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